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この感情はなんだ

年に一度くらいのペースで、NO.6が無性に恋しくなる。

 あさのあつこさんが書かれたNO.6。十年以上前になるがアニメにも漫画にもなっているし、筆者と同世代なら図書館で読んだ人も多いと思う。
 私も中学校の図書室で借りた人で、まだ朧気にNO.6が置いてあった棚の位置も覚えている。当時の図書室には最新作までなくて、入荷も待っていられなかったので親を連れて本屋に走った。
 そのため、1~8巻は数年前読み返すために買った文庫本、その後は当時買ったYA!の単行本で持っている。

 空前の大ブームにならないかな……なんて思ってる。だから、というわけどもないが読んでほしい。SF・ファンタジーなんだけど、世界観を楽しむより主人公の紫苑と、ネズミやその他登場人物に注目しながら読んだ方が面白いかも。
 原作を読んでほしいけど漫画もアニメもある。アニメは、完結ぎりまだな時に放送されたかなにかで、終わり方が原作と結構違う。
 OPの歌、LAMAのSpellが頭で流れるともう泣いてしまいそう。OP=これから二人の物語が始まる=二人でいたあの日々がまだ終わっていない みたいに考えてしまうからかな。


 当時の、待っていられなくて本屋に走ったあの急いた感情。最後の章が始まる最初に引用されていた本の一部を読んだ時の静寂、ネズミと紫苑が二人でいたあの日々はもう過ぎ去ってしまったんだなと思うたび、鳩尾あたりをぎゅっと掴まれているように胸が切なくなる。

 この感情はなんだ。

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