見出し画像

リーダーになろう!・第1回 はじめに

あなたの人生において、リーダーシップとの出会いや、初めてリーダーシップについて深く考える機会は、どのようなものだったでしょうか?

本稿に辿り着いて、この文章を目にしている段階で、少なからずリーダーシップに興味を持っていただいているものと思います。

多くの学生がリーダーシップを意識するのは、あなたが中学生や高校生ならば生徒会で生徒会長になったり部活動の部長になったり、大学生ならばサークルやバイト先のリーダーになったりゼミのゼミ長になったり、自分がリーダーと呼ばれる立場に就いてからなのではないでしょうか?

2020年現在、これだけインターネットが普及し、検索エンジンが発達して、世界が一つになり小さくなったと言われるようになっても、人には、自分が知らない・興味がない言葉の意味を深く知る手段はありません。それは、もし例え、その人にとって「今すぐに」、「今もっとも」必要とされるような言葉であったとしてもです。

リーダーシップという言葉は、子どものときから聞き慣れた言葉ではあるものの、興味を持って検索をかける人はごく僅かしかいないのではないでしょうか。

リーダーシップという言葉は、それぐらい、日本社会の多くの人において、自分とは縁のない言葉になってしまっているのではないかと思います。

これは多くの学生にとって当たり前のことなのではないかと思います。生徒会長も部長も、リーダーもゼミ長も、各学校に数十名はいたとしても、全員がそうなるわけではありません。むしろ全体の人数から考えれば、少ない人数でしょう。

しかし、あなたが大学生となり就職活動をし始めたら、就職を希望する会社の採用担当者から「学生時代にリーダーシップを発揮した経験を教えてください。」、「あなたがリーダーとして、どのように創意工夫したかを教えてください。」というような質問を受けるようになるのです。

このことから分かる事実としては、多くの社会人、大人たちは、これからの若者にリーダーシップを求めているということです。

私も年齢が40歳近くなって社会人生活も15年以上が経過しましたから、ここで学生たちに問いかけをする採用担当の社会人や大人たちが、全員がリーダーシップという言葉をしっかりと定義して使っているとは思いませんし、全員がその会社の中でリーダーシップを発揮しているとも思いません。

面白いことに、リーダーシップという言葉には、ヒーローのような格好の良さと憧れ、ポジティブな響きがあるものの、多くの人がしっかりとした定義もせずに、なんとなく使われる言葉なのです。

そのようなリーダーシップに、経営実務家である私が興味を持ってから、早いもので10年以上が経過しました。

私は、株式会社スーツという時価総額100億円以下の中小企業やベンチャー企業などを経営支援する会社を創業し、普段は、「プロ経営者」として、多くのクライアント企業の経営者とともに、会社を良くするために努力しています。

そこでも毎回、同じような問題にぶつかります。

会社の問題解決をしたり会社をより良くしたりするためのキーポイントは、組織が効率よく動けない、組織のルールが守れないなどマネジメント(組織の管理)に関するものではなく、リーダーシップに関するものばかりなのです。

それにも関わらず、多くの人は、あたかもマネジメント(組織の管理)に問題があるかのような話をします。問題の本質は、リーダーシップが発揮できていないことや、そもそもリーダーシップとは何かが理解できていないことであることが多いのにです。

このような問題に直面するたびに、私は、多くの日本人が、子どもの時から見聞きして、なんとなく大事だと思っていながら、もやっと、ふんわりと使われ続けているリーダーシップについて、もっと理解を深めなければならないと思わされるのです。

本連載「リーダーになろう!」では、主に高校生や大学生など「未来のリーダーたち」に向けて、分かりやすくリーダーシップについて書いていきたいと考えています。

2020年現在、新型コロナウイルス感染症が発生し、人類は未曽有の危機と闘っています。

このような状況下で、人々に求められているのは、強いリーダーの登場です。

2010年代あたりから、VUCA(Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を並べたアクロニム)の時代になったと言われています。しかし、人類の歴史を紐解くと、いつの世も、大抵の時代、VUCAだったのです。

リーダーシップを求められるのは、新型コロナウイルス感染症問題が発生した今だけではありません。

そして、私たちは、強いリーダーだけが、世の中を良くしているわけではないことも知っています。

名もなき市井の人々のリーダーシップによっても、世の中は良くなっているのです。

今までの人生でリーダーシップは縁遠い言葉だったかもしれませんが、本連載を読み進めていくことをきっかけに、実は自分にとっても身近な言葉だったんだと知ってもらいたいと思います。

そして、少しでも興味を持ってくれたならば、ぜひともパソコンや携帯電話の検索エンジンに「リーダーシップ」と入れて検索をかけてみてください。

前述のとおり、私は一介の中小企業の経営者ですが、リーダーシップについて、人生をかけて研究している学者の方々や、人類の歴史に刻まれるような優れたトップリーダーのリーダーシップに関する言葉を知ることができると思います。

本連載を読んでくれる多くの若者の中から、少しでも多く、世の中で活躍するリーダーが生まれてくれればと願っています。

それでは、一緒にリーダーシップについて考える「リーダーシップの旅」に出かけましょう!



株式会社スーツ 代表取締役 小松 裕介
 2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?