リーダーシップ往復書簡 039

前回に引き続き、リーダーとして向き合わざるを得ない、正しさや倫理観について共に考えたいと思います。

正しいことをしなければいけない。倫理観を持って生きなければならない。この当たり前のことが、本当に難しく、いつも悩まされます。

さすがに平時であれば悩むこともありませんが、追い詰められたときにあっても、正しく倫理的でいられるか。もし組織が危機的な状況にあったり自分が苦しい状況にあったりした時でも、正しいことをし続けられるのか。ここなのです。

例えば組織が危機的な状況にあって、どうにかしなければとフォロワーも全員が考えていると、平時ではフォロワーが即座に断るような実益はあるが倫理的にヤバイ案件が、秘密裡にリーダーにまで上がってくるのです。

さすがにこの手の話の多くはごく少人数の幹部だけで共有され、衆人環視の下でこの意思決定を迫られることはないと思いますが、リーダーとしては正義が試される局面です。

平時のように正しい意思決定をした場合、それでこそ私たちのリーダーだと賞賛されるかもしれません。但し、結果として、その後、組織がおかしくなった場合は、所詮、覚悟がないリーダーだったと言われるかもしれません。

倫理観よりも実益を優先する意思決定をした場合、仕方なかったとか、フォロワーのために泥をかぶったとか評価する人もいるかもしれません。逆に、時と場合によって言うことが違う情けないリーダーだと言う人もいるかもしれません。

また、これについては正しさ・倫理観の程度もあるでしょう。嘘をつくようなレベルの話から、法律を犯してしまうような話まで様々だと思います。
当たり前に、どのような時であっても常に正しく、倫理的でなければならないのですが、備えをしていたとしてもブラックスワンのような出来事があって、思いがけず危機に直面するものです。

最近では、新型コロナウイルス感染症問題によって、多くのリーダーが、大小様々な論点で、正しさや倫理観を試されているのではないでしょうか。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

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【Q.39】
リーダーシップを理解することと実行することの違いについて教えてください。


<コメント>

リーダーとは、暗闇の中、集団の先頭で、たいまつを持って、フォロワーを率いて進む存在です。

この例え話の通りで、暗闇の中では、もし詳しく知っているとしても、それを実行することは難しいのです。

これは学問全てに言えることだと思いますが、知識としての理解と実行には大きな隔たりがあります。

リーダーシップの場合は、MBAで習うような内容については、複雑な計算式があるわけでもありませんし、沢山のボリュームがあるわけではありません。

そのため、興味のある方ならば、学術的な分類や諸説について、簡単に習得することができるのではないかと思います。

しかし、リーダーシップを実行するのは非常に大変です。

本来、リーダーシップとは、無理に発揮するものではないからだと思います。

リーダーは自然体・ありのままで、「やり方」ではなく「あり方」が大事なのです。

頭で理解したとしても、勇気を持って一歩踏み出すことは簡単にできることではありませんし、自分のためではなく誰かのため、世のため人のために汗をかくことも易々とできることではありません。

私はリーダーシップを身に着けたい人は、リーダーとして歩んでいる人が、まさに歩んでいる時に、リーダーシップの座学の勉強をするのが一番効率が良いと考えています。

座学から入って、いかに理論に詳しくとも、それは知識に過ぎず、その人がそのまま良いリーダーになれるとは到底思えません。

むしろ、以前も記載をしましたが、リーダーがリーダーを育てるで、実践者のフォロワーにあって、身近でリーダーの「あり方」を学んだほうがリーダーシップを身に着ける近道かもしれません。



※この記事は、2020年7月5日付Facebook投稿を転載したものです。

株式会社スーツ 代表取締役 小松 裕介
 2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。

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