リーダーシップ往復書簡 031

リーダーとは、暗闇の中、集団の先頭で、たいまつを持って、フォロワーを率いて進む存在です。

暗闇という不安の中では、リーダーには、情報を収集する能力、情報を分析する能力、そして、情報を使いこなす能力がある必要があります。

情報を集めることができなければ、進んでいる方向が誤っていることに気が付かないかもしれませんし、フォロワーがついてきていないことに気が付かないかもしれません。

また、集めた情報は、いつも全てが正しいとは限りません。暗闇の中では、全体像を把握することは容易ではなく、多くの場合、情報は断片的にもたらされるものです。そのため、情報の取捨選択をし、多角的に内容分析することが必要になります。

さらに、情報をどのように使うのかも大事です。適時適切に、情報の共有と情報の分断と2つを行うことによって、フォロワーを正しく導くことが必要になります。

以前も「リーダーシップ往復書簡 017」において、リーダーシップと親和性のある考え方として、インテリジェンス(Intelligence)をご紹介したと思いますが、改めて、インテリジェンスの定義を再掲します。

(定義)
「インテリジェンス(Intelligence)とは、情報(Information)を、必要に応じて取捨選択し、多角的に内容を分析し、価値判断を与える行為、または、その行為によって得られる情報(Intelligence)のことである。」

これから数回にわたり、リーダーが理解し身に着けるべきインテリジェンスについてご紹介したいと思います。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

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【Q.31】
部下に「自分ごと」を醸成させるためには、どうしたらいいですか?


<コメント>

「部下に『自分ごと』を醸成させる」とありますが、部下に主体性を持ってもらいたい、部下にリーダーシップを発揮してもらいたいということかと思います。

世の中の多くの経営者や上司が同じような悩みを抱えていると思います。

部下が正しくリーダーシップを発揮しない理由は、知らず知らずのうちに、上司が部下に対して組織の枠組みの中で活躍することを求めているからかもしれません。

経営者がスタッフに対して「経営者のような働き方をしろ!」と言うものの、実際に自分と同じ経営者のような思考でスタッフが動いた途端、「組織人としてなってない。」と怒り出す人がいるのと同じです。

もしくは、部下が自分にゆとりがなく、他のことにまで手が回らないからかもしれません。自分に余裕がなければ、周囲の近しい人に対しても、手を差し伸べることができないのは言うまでもありません。「衣食足りて礼節を知る」ではありませんが、自らが苦しい状況では、なかなか他者にまで気が回るものではありません。

以前もご紹介しましたが、リーダーはリーダーを育てるのです。

部下が正しくリーダーシップを発揮できていないということは、残念ながら、上司も同じように、正しくリーダーシップを発揮できていないのです。

フォロワーはリーダーの写し鏡のような存在です。

まずは、質問者の方が、自らが正しくリーダーシップを発揮しているかを自問自答する必要があるでしょう。

そのうえで、その部下に対しても、しっかりとリーダーシップを発揮して、今後はもっと深く関与する必要があると思います。

リーダーが常日頃から正しくリーダーシップを発揮していれば、フォロワーも同じようにリーダーシップを発揮していくようになるでしょう。



※この記事は、2020年5月10日付Facebook投稿を転載したものです。

株式会社スーツ 代表取締役 小松 裕介
 2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。

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