久しぶりに新譜クラブミュージックを聴いてみて
ここ最近、久しぶりに新しめのクラブミュージックを聴いている。2000年代中盤に都内のクラブ文化が衰退してアンダーグラウンドなクラブミュージックが下火になって以降、新譜のダンスミュージックなんてほとんど聴いてなかったからなんだか新鮮な気持ちだ。
きっかけは多分、どこかでジャイルズ・ピーターソンとインコグニートのブルーイがSTR4TAなるユニットを組んで活動してるという記事を読んだこと。そしてそのSTR4TAのアルバムを聴いたら、めちゃくちゃカッコよくて今の自分の趣味にマッチしたことだ。
ちょうど去年からマシンライブの真似事を始めたこともあって、この手のシンセ主体の打ち込みサウンドが、自分のなかでタイミング的にハマったんだよね。
サウスロンドン〜ウェストロンドン~デトロイト
ここ数年サウスロンドンが熱いってのは知識として知ってたから、STR4TAの流れでサウスロンドン系サウンドを聴いてみたけれど、なんとなく今の自分の気分には合わなかった。
変わりにディーゴのソロや2000Blackでの近年の作品を聴いたら、シンセ主体のコズミックなサウンドでこれまた自分の好みにどんぴしゃ。
同じようなの他にもないかなって思って調べてみたら、元スラム・ヴィレッジのワジードがここ数年ヒップホップではなくダンスミュージックを作っていることを知り、最近はその流れでデトロイトの2010年代以降の楽曲をいろいろと勉強中。
正直このあたりなんてムーディーマンくらいしか知らなかったんだけれど、20年に出たele-king別冊の「ブラック・パワーに捧ぐ」という本に、「デトロイトこの10年の50枚」というおあつらえ向きの特集があったので、非常に参考にさせてもらってる。
手弾きキーボードと打ち込み
このあたりの人たちの曲って、打ち込みビートにローズピアノやアナログシンセのジャジーな手弾き演奏を被せて作られたものが多い。と言うより、どちらかといえばキーボーディストが打ち込みサウンドを作ってるって感じかな。
要は僕が遊びでやってる自宅マシンライブと同じスタイル。こういう曲のルーツを考えると、やっぱりURのNation 2 NationやHi-Tech Jazzに行きつくわけで、改めてマッドマイクは偉大だなと感じさせる。
コルトレーンライクなサックスの生演奏がやたらとフィーチャーされがちなのも、言ってしまえばHi-Tech Jazzオマージュなんだと思うしね。
あとはやっぱりムーディーマンやセオ・パリッシュあたりの漆黒デトロイトハウスの流れ。URの宇宙的な世界観とムーディーマンらのドス黒いサウンドが混ざって、さらにアフロフューチャリズム色を強めたのが、どうやら今のデトロイトの音みたいだ。
最近の自分の趣味嗜好でもあるレトロフューチャーとも親和性が高いから、そういう意味でも今の自分の気分に合う。もともとここ1年くらいは、これまで敬遠してたスピリチュアルジャズにも挑戦してたところだし、いろんな意味でタイミングが良かったんだと思う。
こういうのって結局自分のタイミングだからさ。誰かにおすすめされても聴く気が起きないんだけど、自分で求め始めるとすんなり入ってくる。同じような経験のある人も少なからずいるんじゃないかな。
そんなわけで今日はオチないけど、新譜をまた少し聞き出しましたよって話。最初の方に書いたサウスロンドンは今の気分ではなかったけど、これだっていつかは聴くことになるかもしれないから自分の中で温めてるところ。
とりあえずしばらくは漆黒ディープハウス・モードかな。この15年分くらいの自分の中でのミッシングリングを、いろいろ勉強してみることにしよう。
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