ようやく完成した自作シカゴハウスコンピ(長文記事)
この前から書いているマイ・シカゴハウスブームの総括として作っていた自作コンピがようやく完成した。
最初に選曲をしはじめてから完成までにかかった時間はだいたい1ヶ月くらい。ここ最近作ったコンピのなかでは、わりとじっくり時間をかけたほうだ。
その甲斐あって、自分的にはなかなか良い感じに仕上がったと思うので、今回はこの自作コンピを紹介しよう。
トラックリストはこんな感じ
まずはいつもの通りhearthisへのリンクを貼りつつ、トラックリストを書いていく。
Close Your Eyes (Club Mix) / Michael Griffin (AKA Dance Music / 1987) †
Electric Baile (Commercial Mix) / Masterplan (Sunset / 1986) †
If You Only Knew (If You Dance Mix) / Chip E (D.J. International / 1986) †
Try Try Again (House Mix) / Kajsa (Sunset / 1986)
Think! / Jackson & Moore (prod. by Steve "Silk" Hurley) (Atlantic / 1989)
The Chicago Fire / Dezz & Grant (Chicago Connection / 1987)
Learn To Love (House of Love) / Paris Brightledge (D.J. International / 1988)
House Beat Box (Instrumental) / Sampson "Butch" Moore (Trax / 1986) †
Your Love (Club Mix) / Jamie Principle (Persona / 1986)
Someday / Sterling Void (D.J. International / 1989)
Suspicious / Ten City (Atlantic / 1989)
Can You Feel It / Fingers Inc feat. Chuck Roberts (Desire / 1988)
As Always (Lovin' House Mix) / Farley "Jackmaster Funk" Presents Ricky Dillard (Trax / 1988) †
もう潔いくらい徹頭徹尾シカゴハウス(笑)
実は初期ハウス関連の自作コンピはこれまでも2回作ったことがあるんだけど、その時は全体のバランスを考えてもう少しパラダイス・ガラージよりだったり、ニューヨークやデトロイトなど他の都市の曲も混ぜて選曲してた。
それらと比べると今回は完全にシカゴオンリー、しかもハウス黎明期の80年代後半にリリースされた曲のみの選曲だ。クセが強いから好みは別れると思うけど、まぁその分好きな人は好きだと思う。
全体構成の話
ちなみに一口にシカゴハウスと言っても、その中にはアシッドやヒップハウスがあったりもするんだけれど、僕の選曲は比較的正統派のディープハウス寄り。最初の選曲時点ではもう少しアシッド系の曲も候補に選んでたんだけれど、いろいろこねくり回してるうちに結局いまの雰囲気に落ち着いた。
このあたりは好みの問題。僕はベースがやっぱりブラック・ミュージック好きだから、自分で曲を選ぶとどうしても自然とこんな風に黒っぽい雰囲気になっちゃうんだよね(笑)
ジョー・スムースのPromised Landやマーシャル・ジェファーソンのRide The Rhythmみたいな大定番曲は前に使っちゃってるから今回選曲候補から外してるけれど、全体ではそれなりに統一感はあるんじゃないかと思う。
ちなみに初期の時点ではスターリング・ボイドのSomedayの前にはシー・シー・ロジャースのSomedayが入ってて、DJの繋ぎでよくある同タイトル選曲もしてたんだけど、これだと後半に向けてガラージ色が強くなり過ぎちゃう気がしたので今の形に変更。
後半テン・シティのSuspiciousで一回テンションを落とすことで、Can You Feel Itとスティービー・カバーのAs Alwaysというラスト2曲にうまく繋げることができたので、結果的にはよかったかなと思う。
この2曲、ずっと選曲に組み込みたいとは思ってたんだけど、ある意味素人に近い人たちが作った他のシカゴハウスと比べるとちょっと音楽性が高すぎるから、正直使いあぐねてたんだよね。だから今回流れの中で自然に収録することが出来て良かった。
長尺曲はエディットで短めに
ちなみにトラックリスト中で†の記号をつけた5曲については曲の一部をカットすることで、曲のサイズを少し短くエディットしてある。ダンクラやハウスみたいに12インチ主体のダンスミュージックは一曲が7~8分くらいあるのが普通だから、こうしないと収録曲数が稼げないんだよね。
DJミックスだとフルサイズ流すわけじゃないから80分のミックスCDでもそれなりに曲数を入れられるんだけれど、僕が作ってるようなコンピ形式は曲を繋げずフルサイズ流すのが基本なので、この作業工程はかなり大切。
言ってしまえば既成の曲から勝手にラジオエディットを作ってるようなものだけど、当時のDJたちがプレイのために一曲を引き延ばすエディットをしてたことの逆の発想ってところがちょっと面白いかもしれない。
ただ、ダンスミュージックには長時間曲を聴き続けることで陶酔効果を高めるって側面もあるから、なんでもかんでも短くすればいいってわけじゃない。ある程度は曲の長さを保つ必要もあるから、そのあたりの匙加減がコンピ作りの肝になる。
今回は結局80分のコンピで収録できたのが13曲。普通の旧譜系コンピだとだいたい1曲4分前後で20曲程度収録が主流だけれど、四つ打ち系ならこれくらいがいい塩梅だと思う。凸凹はあるけど平均すると1曲の長さが6分強。まぁこんなもんでしょう。
個人的な聴きどころを幾つかピックアップ
さて以前の記事でも書いたように、収録曲の多くは先日紹介した各コンピの中から選んでる。
ただ、一部それ以外からセレクトしてる曲もあって、そのなかでも個人的に聴きどころとして推したいのがジェイミー・プリシンプルのYour Love。
Traxから1987年に(勝手に?)リリースされてるフランキー・ナックルズ名義のバージョンが有名で、ホントのオリジナルとして84年に作られたのはそっちっぽいんだけど、今回はジェイミー本人の名義でPersonaから1986年にリリースされたレアなバージョンで収録してみた。
いろんなコンピやミックスに収録されてるのもフランキー版がほとんどだから、そっちに慣れてる人はこのジェイミー版は新鮮に感じると思う。
実は1989年にドイツのZYXからライセンスリリースされたマキシシングルCDに、こっちのPersonaバージョンが収録されてるから今回はそこから選んでみた。
それから先ほども書いたスターリング・ボイド。この人はマーシャル・ジェファーソンがプロデュースしてパリス・ブライトレッジが歌ったIt's All Rightという曲が圧倒的に有名なんだけど、実は本人セルフプロデュースのアルバム曲であるこのSomedayも負けず劣らずの完成度。
ジョー・スムースのPromise Landやシー・シー・ロジャースが歌う同名曲Somedayあたりと同じ系統の「明日への希望」系ナンバーで、曲全体から溢れ出るポジティブ・バイブスがものすごい。ブラン・ニュー・ヘビーズのYou Are The Universeとか好きな人は絶対好きだと思う。
あとはラストに選んだAs AlwaysのLovin' House Mix。もともと14分近くある長尺曲で、僕のエディットでも2分くらいしか尺を削ることが出来なかったんだけど、これが最高にドープ。
イントロではオリジナルで印象的だった豪快なホーンがなくなったかわりにTR-808のカウベルが入り、メイン部分ではエフェクターで左右にふられ強調されたリムショットが延々繰り返すミックスで全般的にダビーな雰囲気。
あまり詳しくないからよく分からないけど、セオ・パリッシュとかの雰囲気が好きな人はたぶんハマるんじゃないかな。
曲の最後でビートレスになって、ザラっとしたピアノ音色とボーカルだけで終わる展開も完璧で、シカゴハウス系コンピの締め曲としてはこれ以上に最適なものもなかなかないと思う。
そんなこんなで色々思いの丈を書いてたら、またダラダラと長くなっちゃったけど、初めの方にも書いたとおり、一部の人種には確実にハマる内容になってるはず。
ごりごりシカゴハウスではあるけど、全体的に歌モノ多めでデスボイスみたいなおっさんの声が入ってる曲とかは今回入れてないから、初心者の人でも比較的聴きやすいんじゃないかな。特に中盤以降ね。
まぁ完全に自己満だけど、かなり良い感じに仕上がったのでよかったらトラックリスト眺めつつ聴いてみて。
あとこっち系で何か良いミックスとか知ってる方いれば教えてください。不勉強でマーシャル・ジェファーソンの↓のミックスくらいしか知らないので。
ではでは。