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ちっちゃい店のオーナーシェフ青春雑記#2「長」にならなきゃ・・・

どうしても、早く「長」になりたかった。

初めてのアルバイトは、地元のファミレス

高校部活のスキをぬって稼いだ無けなしは、物販の販売目標を名目に、恐喝まがいで掠め取られた

調理師学校に通いながら勉強半分で働いた店では、意識の高さ故の使いづらさに辟易した上司から解雇を言い渡され

学生最後のアルバイトでは

「ライブが近いから」と、閉め切った店長室で愚か者がスタッフの「Help!」を老獪なリフでかき消していた

無論、悪い事ばかりじゃない

友人も出来たし、尊敬する先輩や上司にも多く出会った

だからこそ、上に立ちたかった


クソ真面目に働く人間がバカを見る職場なんてクソ喰らえだったし

自分より早く産まれただけの無能から、偉そうに指示をされる苦痛に耐えられなかった

ただ、自分より有能な人には命を燃やして尽くすつもりでいた

そして、

若僧の生意気な暴言を受け入れてくれた会社で、追随すら想像出来ない化け物に出会う事になる

僕を救い

僕を奈落に突き落とし

僕を料理長にした

尊敬し、憧れ、背中を追い

後に憎しみをもって袂を分かつ

唯一「師匠」と呼んだ化け物に

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