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フジロック2021 Day2レポート

・Mega Shinnosuke (RED MARQUEE)

初登場。謎の覆面ダンサーを従えた賑やかなステージで、とにかく盛り上げないとという気概は十分に伝わってきた。曲毎にクルクルと表情を変えるカラフルなサウンドで、意外と過去のフジロックにはなかったタイプのアーティストのような気はする。

楽曲提供など実績こそ十分だがMCはまだ初々しく不慣れなところもあった。(しかもソロなので他のメンバーがフォローしてくれるわけでもない) フジロックも初めてと言っていて、まあ予想通りではある。メディアで頻繁に名前が出てくるようになったのがコロナ以降なので、大型フェスへの出演もあまりない状態だったと思う。それでいきなりフジロックは結構ハードルが高かったんじゃないかと察するけれど、今がまさに伸び代という感じはした。

Thinking Boyz!!!
Sports
兄弟(brother)
桃源郷とタクシー
お洒落すぎてどうしよう
Sweet Dream
O.W.A.

ここでドラゴンドラ乗車。空いていたし、今年も頂上の空気は最高!14時~出演のPKCZを観にきたと思しき人がいて、LDHのファンがフジロックに来る時代か...!と思った。

・AJICO (WHITE STAGE)

活動期間僅か1年ほどながら鮮烈なインパクトを残していたAJICOが20年振りに復活しフジロック初ステージ。ブランキーのシングルでもあった「ペピン」を1曲目に据えたのは観客のボルテージを上げるパーフェクトな幕開けだった。

前半で20年前のシングル曲を使い切ってその後どうするのかと思ったら、まさかのUA「悲しみジョニー」。AJICO結成前の曲だけれど、確かにバンドの雰囲気に合っている。そしてベンジーの楽曲から「水色」。この曲はベンジーの別バンド・SHERBETSがSHERBET名義で活動していた時に「水」として発表され、後にブランキーでも「水色」の名でリリースされたという複雑なバックボーンを持つ楽曲。ちなみにUAにも「水色」という曲があるので、余計にややこしい。

後半は新譜からバンドの最新モードを提示し、ラストが20年前のアルバムタイトル曲「深緑」。20代のフレッシュな顔触れも目立った今年のフジロックだけど、やっぱり色気と渋さと存在感ではベテランには敵わない。ベストアクトとして挙げたい。

ペピン
Black Jenny (SHERBETS)
波動
美しいこと
惑星のベンチ
悲しみジョニー (UA)
水 (SHERBET) /水色 (BLANKEY JET CITY)
地平線 Ma
接続
深緑


・THE SKA FLAMES plus Special Guest 元ちとせ (FIELD OF HEAVEN)

15時頃から雨が降り始めたが、ポツポツではなくドラマのようにいきなりザザーッときたため、慌ててカッパを準備する人々の姿が見られた。

15:50~のスカフレイムスのアクトはちょうど土砂降りから止んでいくまでの時間で、ヘブンには雨に打たれながらもハッピーなスカを浴びるフジロッカーが集まっていた。MC中、中1の時に買ってもらったギターが見つかって今日48年振りに弾くなんて話も出たのでそこで年齢を察したが、スカは歳を重ねるほど熟成されていく音楽という感がありとてもよい。今年は海外勢がいない事もあり、こういったワールドミュージックを日本で広めたオリジネーター的存在がラインナップされているのは素晴らしい。

後半のゲストで登場した元ちとせは奄美大島出身だが、バンドのメンバーも2人が奄美をルーツに持つという共通点があるらしい。「ワダツミの木」はスカというかダブ風味すら感じるドープなアレンジが違和感なく、これがウン十万枚ヒットした2002年、なかなかすごいなという気持ちになった。

・Ken Yokoyama (GREEN STAGE)

CORNELIUSがキャンセルした穴を埋める事になったKen Yoyoyamaは、登場するなり早速その件に触れ始め、1時間超の持ち時間の中でも随時触れていた。概要を挙げると以下の通りになる。

・コーネリアスの代打って事でこれは難しいライブになるなと思って。日に日にコロナコロナって。
・俺は迷った時に心の中のジョー・ストラマーにお話しするようにしてて。ジョーどうすればいい?って。ジョーも今回ばかりは分からないって。でもステージに立ったらロックンロールしろ、しかも激しくやれって。
・俺は今日小山田君のケツ拭くぜ。今日だけな。彼がやった事のケツは拭けない。
・変な事言うんじゃねえぞとメンバーから厳重注意されてる。
・(バンドメンバー)「まあお前も色々あったけどいいんじゃねえの」
・シャブ中も出んだぜこのステージ。来年またコーネリアスが出れるような環境になったらいいですね。

バンドメンバーが触れていたのは恐らく横山健の過去の不倫スキャンダルの事である。小山田の過去のいじめは今回明るみに出ただけで、それまでも一定数の人間が知っていた話だ。その制裁が今起きているという点にモヤモヤする気持ちはあるが、規模の差こそあれやらかしの過去がある健さんが「フジロックはクリーンな人間だけのものではない」という趣旨の発言をしてくれたのはよかったと思う。コーネリアス、来年は無理かもしれないがいつか必ず戻ってきて欲しい。

ちなみにライブでは「去年出したミニアルバムからやるわ」という言葉を連発していて、代表曲よりも近年のモードが中心だった。出演自体が急遽だったためファンが少ないうえ現状モッシュやダイブもできず、尚且つ新曲中心となるとやや盛り上がりには欠けてしまった部分もあった。でもライブがままならない昨今は新曲を生で届ける機会も失われているわけで、確かにバンドマンとしてはそこを大事にしたいのもよくわかる。答えの出ない問題だなと思う。

maybe maybe
4Wheels 9Lives
Angel
Woh Oh
Believer
Pressure Drop
Forever Yours
Still I Got To Fight
A Beautiful Song
Punk Rock Dream
Helepless Romantic
I Won't Turn Off My Radio



・King Gnu (GREEN STAGE)

ルーキーから4年でグリーンのトリという最速の出世を果たしたKing Gnu。ステージ上部の聖火台を模したと思われるセットに点火し、ステージからも炎が噴き上がる中での「飛行艇」はゾクゾクするほどのカッコよさで、早くもスタジアムバンド級のスケールを纏っていた。ライブはインディーズからの代表曲を総ざらいするようなセットリストで、ほぼベストと言える内容に。一方MCでは井口が今の状況についての葛藤を涙目で話していて、そのふと見せる人間味もよかった。

開会式
飛行艇
千両役者
Vinyl
Sorrows
白日

Hitman
The hole
Slumberland
Tokyo Rendez-Vous

Prayer X
Flash!!!
三文小説
Teenager Forever
サマーレイン・ダイバー

・THE SPELLBOUND (RED MARQUEE)

定刻前にスタートしていたので1曲目途中からになってしまったが、想像を軽く超えてきていて驚いた。BOOM BOOM SATELLITESの活動を終えざるを得なかった中野雅之が結成したのはまたも2人組のバンドであり、しかもそのヴォーカルはTHE NOVEMBERSの小林祐介。ブンブンやノベンバと比べられるのはもはや避けられないわけだが、そのどちらのようでもあり且つどちらでもないという、バンドの化学反応としては理想的な状態と感じた。

ブンブンの川島さんとは違い小林さんはハイトーンが綺麗なヴォーカリストで、しかも爆発力もある。ツインドラムを擁するバンドの鉄壁のグルーヴにそれが乗ると、宇宙のような圧倒的なスケールを持って響いてきてクラクラした。中盤にはブンブンのセルフカバーもあったが、今後他の曲もやるんだろうか。楽しみ。

なにもかも
名前を呼んで
はじまり
A DANCER ON THE PAINTED DESERT
BACK ON MY FEET (BOOM BOOM SATELLITES)
FLOWER
おやすみ

コロナについて多くを語る人、語らない事でメッセージとする人、一言に凝縮する人...様々なあり方が垣間見えた今年のフジロック。一言系だとUAの「愉快にいこうね!」と、配信で観た3日目・MISIAの「コロナのバカヤローーーーー」がよかった。MISIAの叫びは配信でも伝わる流石の声量だったが、ホワイトステージまで聞こえたという逸話は本当なのだろうか…。いやほんと、凄まじかった。

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