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名前のつかない有様に、再々再演【勝山】

勝山です。
今週末になりました、「INDEPENDENT in 松本 2024」。
 
 
さること2022年5月17日。
雄ちゃん(和田雄太郎。ダンサー。役者。振付家。)から「なっちゃん先生が勝山さんに連絡したい言うてるんですが、LINEアドレス教えていいですか?」と電話が来て、「イイよ〜」と軽く答え、宣伝美術かしら?いやいやNトラはずっと堀川くん(堀川高志。カメラマン。デザイナー。)が宣伝美術やってるし、よくNトラに出てる花さん(立花裕介。役者。デザイナー。御大。)もデザインできるしなぁ、などと思ってたら次の日、奈津さんからLINEが。


あ、尾沢奈津子さんとはこんなひと


LINEの内容は、勝山さんといつかご一緒させてください、といったものでした。

嬉しかった。
 

奈津さんはちょうど2022年に、ご本人が主宰する団体、N-Trance Fishを「壊す」「3年かけて、N-Trance Fishを完成させる」と宣言しました。

奈津さんは2025年で60歳、還暦。

引退するのかな?と思ったので、それまでに色んな作品に出ようとしているのだな。すごいな。と思っていました。

後日、鯖の美味しいお店でお会いして、お互い雄ちゃんや花さんを介してしか人となりを知らないこともあり、奈津さんは雄ちゃんや花さんが出てくれているからと彗星マジックを数回観てくださっていて、おれはといえば中之島春の文化祭で観た短篇1作品のみ。いや興味が無かったわけではなくて、のっぴきならねぇ理由で観に行けて無かったの。ほんとうに。ほんとうに。

ポツポツお話を伺ったところ60歳で引退するのではなく、60歳を機に新しいことをはじめたいから連絡した、とのこと!
 
バイタリティーえぐいな!
 
勝山のつくる世界観が好きと仰ってくださって。なんとも実直に、自然に。そして将来、役者にも挑戦してみたい、とのこと。

ちなみにおれは奈津さんのことは以前から役者だと思っていて、だって舞台立ってるし、そこに物語はあるし、演じてもいるわけで。台詞を発して無いくらいの違いしかない。
なのでここからは勝山の思う役者とダンサーではなく、たぶん一般的に言う、役者、ダンサーというカテゴリに準じて進めます。

主観で書いたらわかりにくくなりそうだったから

さて奈津さんは役者がNトラに参加してもうことはあっても自身が役者として舞台に立ったことはなく、純度100%の踊りにまつわる人で。
 
兎にも角にもそのバイタリティーにあてられて、「おれの世界観を気に入ってくださっているなら、2人きりで芝居をつくりませんか」などと口走ってしまったわけです。

2022年、もともとおれは一人芝居フェス「INDEPENDENT」に、とある方と一緒に芝居をつくって参加する予定でした。
ただその方が本番である11月末に東京へ行かなければなるかも知れないと伺っていて、そして本当に東京へ行かなければならなくなってしまって、プロデューサーの相内さんに「今年の参加は難しそうです」と連絡したばかり。
 
なので、まだ枠が空いているかも知れない!
 
奈津さんにINDEPENDENTの説明をして、いつかとか将来とか60歳になってからとか言わずに今年やりましょうと説得して、相内さんに連絡。
 
まだ枠はある、とのこと!
あとめっちゃ驚いてた。
「マジかよ」を2回使って、語尾が「ごわす」になってたし。
  
奈津さんは「人生で1番の冒険やわ」と仰っていました。
  
一生の思い出になるいい冒険を一緒にできたらいいな、と思いました。
 


 
初稽古は奈津さんの働くダンススタジオにて。
おれはダンスのことは、見るのが好きでノリに合わせて適当に踊るのが好き〜程度で知識はなんて無いに等しく(あ、そんなやつだって身体表現畑の人間と真剣に向き合えばノンバーバル芝居つくって海外行けました。ありがとう雄ちゃん!)、「ダンス」「踊る」「舞う」「身体表現」についてアレコレ調べ、そこからピンと来たもので構成した何となくやってみたいことだけ用意して、たくさんたくさん奈津さんと話をしました。

やってみたいことは、マイムでも手話でもなく、ダンスで感情を語りたい。伝えたい、ではなく、語りたい。

 

当たり前だけれどダンスにテキストは無くて、基本的には音楽に乗せて、身体表現で、何かを伝えるでしょう。何か。視覚的に魅力あるもの。興味をひくもの。伝わる感情については雰囲気とも言って良いかも知れないけれど、それを語る、といったディティールまで持っていくことはあまりないわけで。身体表現に言葉は、名詞は助詞は動詞は接続詞は文法は、無いから。
 

 
奈津さんとたくさん話をして、春風とか鳩とかその辺のとかしゃぼん玉とかをダンスで表現するならどんな感じになります?とかテーマをお渡ししてたくさん踊ってもらって。
光景や風景じゃなくて、情景を見せれたらいいなぁ、と思うようになり、一人【芝居】フェスに参加するから奈津さんには【芝居】を、【役者】になってもらわなければならず、そう、何者かを演じて発話し語ってもらなわければならず、だから、【ことば】から始まって、【からだ】に至る作品にしよう、と思いました。
【からだ】に至った時、観客が、舞台に居る人間が何をしているのか身体を通じて語っている内容が見える、聞こえてくる作品にしよう、と、物語を綴りました。
 


 
「名前のつかない有様に」。
 

台本を書いて渡した時、題名に込めた意味は複数あれど、2022年の初演から2023年6月福岡、12月京都と再演を繰り返してすこしづつ意味が減ったり増えたり変わったりして、もう観てくれる人が「名前のつかない有様ってこういう意味かな」ってそれぞれ思えるような、でもうまく言葉にできなくて、あ、そうそう!語り尽くしたからこそ見えてくる有様ってもんを観てもらえたらいいな!と思うのです。
 


 
INDEPENDENT in 松本 2024
7/14(日)~15(月祝) 上土劇場にて。

劇場でお待ちしております!!
他の方の一人芝居もたのしみだ!!!

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