見出し画像

秋の日

高校時代の旧友から、久しぶりに連絡がきた。

お互いに社会人一年目、
彼が広告会社で頑張っている様子を、インスタグラムでいつも目にしていた。

一方、わたしは不安障害で休職中。赴任先から逃げ帰るように実家に戻り、療養をしている最中だった。だから、彼からの連絡には「どうしよう、なんか顔向けできないな」みたいな気持ちが真っ先に出てきた。

高校生だった頃は、お互いを尊敬し、お互いの未来を毎日話していた。
描いていた未来とは違う場所で、もがき苦しんでるわたしに彼は失望しただろうか。恐る恐る返信をする。

彼はただ、「おやすみ中だけどすごく元気だよ」というわたしに、
「元気がない気がしてた。元気ならそれでよかった」とだけ言ってくれた。

どんな仕事してるとか、どこにいるとか、頑張れてるとか頑張れてないとか、
そんなことは関係なしにただ想ってくれる存在がいる。

まぁいつものように、俺の会社来たら絶対活躍できるのに!みたいなことは言われたけど、そういうとこ含め、らしいなあと思ってただ嬉しくなった。

顔向けできないなんて感じてた自分が馬鹿みたいだ。自分の好きなものは、人は、まっすぐ好きでいい。まっすぐな笑顔で、ありのまま向き合える勇気があればいい。

べろべろに酔っ払った彼に、朝は味噌汁をのめと熱弁された。
また会える日まで、それだけは続けてみようかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?