新宿から原宿まで歩いて、電車に乗って、最寄駅から遠回りをして家に帰った。

満月に近い月を見上げながら、随分遠いところにあるなと思った。なのに明るい。携帯のカメラを向けて頑張って写真を撮ってみたけど、ちっとも綺麗に撮れなくて、iPhone14Proを使いこなせない自分を情けなく思いながら、月を見つめた。

まだ低いところにある月なのか、表面が割と見えて、でも小さくも見える。

夏目漱石はこんなものを見て、I love youを月が綺麗ですと訳したのかと思った。

どういう意味だろうな。
あんなに遠いところにあるものを見て、あなたを愛していると。遠くに行けない、でもみえる。



後輩が、わたしのだいすきな小説、夏目漱石著「こころ」をもっていて、好きなの?と聞いたら、母親のです、とかえってきた。

おすすめ!とにかく読んでみてほしい!
けいさん本好きなんですか?
すごくすき。ええとね…。。


本のどこが好きか、何が良いのか答えようと思ったけれど答えられなくて、最近読んだ本しか言えなかった。

でも、「何が1番好きな本?ってきかれて、こころは候補に上がるくらいには好き、」と言っておいた。上手く言葉にできないな。漱石もこんな気持ちだったのかもしれない。

言葉にするのも気が遠くなるほど、すきなもの。
口にしたくもないもの.ずっと、心臓に留めておきたいもの。

月まで歩いても、きっと届かない、長い長い

言葉にするにはまだはやい


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