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びっくり箱

俺は見渡す限り真っ暗闇な空間にぽつんと立っている。

目の前には、何の変哲もないただの白い箱。まるでそこだけが光っているようにはっきりと見える。そしてなぜか俺には、その白い箱がびっくり箱であることが分かっている。

一体中には何が入っているんだろう。何が飛び出してくるんだろう。開けてみようか、どうしようか。

悩んでいるうちに、目が覚めた。またこの夢だ。ここ最近ずっと同じ夢を見ている。もうだんだん気持ち悪くなってきた。本当なんなんだこの夢は。

「宏、お前、それ結構やばい夢だぞ。」

「まじで?」
俺は、友人である武に電話で最近の奇妙な夢の話をした。

「友達から聞いたんだけど、びっくり箱が夢に出てきたら絶対開けちゃいけないんだってさ。なんかやばいことが起こるらしい。」
「そのやばいことって何さ。」

「それは分からん。」
「いや分からないのかよ。そこが一番知りたいのに。」
「友達も気になって色々調べたらしいんだけど、びっくり箱を開けた人の話が一個も出てこなかったんだと。」
「そうなんだ。なんかますます気になるな。」

「そうだ。お前さ、今日もその夢見たらびっくり箱開けてみろよ。中身どんなの入ってたか教えてくれや。」
「えぇ・・・ちょっと怖えー・・・。けど、まあもやもやするのも嫌だし、開けてみるわ。」
「お前からの報告楽しみにしてるからな。内容忘れないうちに電話でもLINEでもしてくれ。じゃあまた明日。」
「またな。」

電話を切って、俺は床に就いた。

気づけば、俺はまた真っ暗闇な空間に立っていた。

目の前にはぽつんと置かれたびっくり箱。またこの夢だ。今日こそはこのびっくり箱の中身を確かめてやる。躊躇している暇なんてない。俺は箱の蓋に手をかけ、一回深呼吸した後、勢いよく蓋を開けた。

その刹那、びっくり箱から飛び出してきたのは、



無数の弾丸だった。

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