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ふるさと納税に付加価値をつける

こんにちは。Another worksの犛山創一です。
粉雪と冷たい冬風に吹かれながら、札幌の夜道をひとりで歩く。という妄想を繰り返し、毎日楽しんでいます。

今回は僕の考えるふるさと納税の理想のかたちについてお話したいと思います。

ふるさと納税のはじまり

ふるさと納税の制度自体は2008年に4月に始まったものだが、ことの発端は2006年3月の、ふるさと税制案を提示した新聞のコラムです。これを機に税収の少ない地方の救済に関する議論が各地で活発化したことがそもそものふるさと納税施行の背景です。
つまり、ふるさと納税は、税収格差の是正をそもそもの目的とした取り組みです。


また、この新しい制度が施行されるに至った要因として、都会で働きながらも、地方に恩返しをしたいと考える人々の存在がありました。中でもスポーツ選手や芸能人で自分の税金を地元に収めるためだけに別の地域で居住・活動しているにも関わら、住民票を移さない例は少なくありませんでした。

ちなみに、総務省はふるさと納税の意義として以下の通り述べています。

 第一に、納税者が寄附先を選択する制度であり、選択するからこそ、その使われ方を考えるきっかけとなる制度であること。
それは、税に対する意識が高まり、納税の大切さを自分ごととしてとらえる貴重な機会になります。
 第二に、生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域に、これから応援したい地域へも力になれる制度であること。
それは、人を育て、自然を守る、地方の環境を育む支援になります。
 第三に、自治体が国民に取組をアピールすることでふるさと納税を呼びかけ、自治体間の競争が進むこと。
それは、選んでもらうに相応しい、地域のあり方をあらためて考えるきっかけへとつながります。

このようにして始まったふるさと納税は税収格差の是正だけでなく、地域の発信地域への想いを体現する手段としての意味があります。


現在のふるさと納税の課題

近年、「さとふる」や「ふるさとチョイス」などを中心に多くのふるさと納税ポータルサイトが存在し、ふるさと納税を利用する人の数は年々増加傾向にあります。2020年のふるさと納税の利用者は400万人を超えています。

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楽天やソフトバンク、KDDIなど大手企業がふるさと納税市場に参入する中で、次第に返礼品目的のユーザーが増え、「EC物販サイト」のようなものに変遷しつつあります。

というわけで、1つ目の課題は自治体のPR機能が弱いことです。

先日僕の両親に「今年のふるさと納税はどこに納税するの?」と聞いたところ、「ここなんていうの?」と漢字も読めない町に納税をしていました。

理由を尋ねると、「ここのサーモンはうまいんだよね」と嬉しそうに話していました。動機が返礼品であることは正しいと思うし、そのおかげでふるさと納税の利用者は格段に増えたと思います。しかし、寄付した地域のことを知ってもらうきっかけになる仕組みつくりは自治体の付加価値としてさらに強化する必要があるなあと思ってしまいます。(総務省の意義にも立ち返りますが、、、)


2つ目の課題の前に、、、いきなりクイズです。

ポータルサイトを使ったふるさと納税による納税額のうち「自治体収入」は約何%だと思いますか?





答えは約50%~55%です。


これみなさんどう思いますか??
個人的な意見ですが、僕は圧倒的に低いと思います。

自治体も寄付額を上げるために返礼品への投資はするべきだと思います。でも、納税額のうち半分しか自治体に入っていないんです。。。どこがボトルネックなのか。。そう、2つ目の課題はポータルサイトの手数料が高いことです。

ちなみに一般的な納税額の内訳は以下のとおりです。

自治体収入:50~55%
返礼品:25~30%
送料:5%~10%
運営手数料:10%
広報:5%未満
※自治体収入は50%以上、返礼品は30%未満の規制あり

運営手数料がいわゆるポータルサイトの運営会社の売上に当たるわけですが、いかにも利益率が高そうなビジネスだなあと思ってしまいます。


理想のふるさと納税のあり方

前述の通り、今やふるさと納税は「EC物販サイト」になりつつまります。おかげで利用者は増加し、ふるさと納税の制度を通して多くのビジネスチャンスが生まれました。しかし、結果として地方自治体の財源は多少は増えたものの、前述の総務省のふるさと納税の意義の第2、第3の記載内容が希薄化しています。

何のために寄付をするのか。

返礼品にはどのようなストーリーや想いが込められているのか。

あなたの寄付によりその地域がどのように変遷していくのか。

これからのふるさと納税に求められるのは自治体PR媒体としての性質の強化だと思っています。ふるさと納税の制度を通じて、自治体のファン作りやシティプロモーションにつながる画期的取り組みになることが必要だと感じています。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

今後も複業クラウドfor Publicを通じて、自治体PRの強化やふるさと納税のあり方について課題解決に取り組んでいきます!


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