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#33.もっとやさしく愛した方が/Jack Harlow - Lovin On Me

おはようございます。いよいよ2月、今年は閏年ですね。閏年だから一日得した! という気分にはなれませんが、それでも、29日しかないのに建国記念日(の振替休日)と天皇誕生日の祝日があるので、ずいぶんと得するような気分の2月ですね。

というわけで、春も近い気がします。今朝は新作です。


誰だって痛いのはいやですよね。わたしは自分が痛い思いをするのもいやだし、誰かが痛い思いをしているのを目にするのもいやなのです。ここでの痛みとは肉体的な痛み。だから、格闘技系のスポーツもほとんど見ない。だって見るからに痛そうだし。

それでも、柔道やボクシングといった競技に真摯に打ち込む人には、一定の敬意というか尊敬みたいな気持ちは持ってますよ。ストイックに自分を鍛え上げなければいけないし。このあたりのことは前も書いた気がするけど。

とにかく、痛みと言ってもボクシングや柔道のように(ほぼ)素手で戦うのならまだしも、これがある種のプロレスとなると、有刺鉄線やパイプ椅子などを持ち出すから、痛さはすごいことになります。

もちろん、有刺鉄線の中で戦ったりパイプ椅子を持ち出したりするプロレスの試合を、こっちは見てるだけなので本当の痛みはわからないし、プロレスラーだってそりゃ鍛えてはいるんだけど、めちゃくちゃ痛そうというのは見るからに伝わってきますね。

この痛み、これが人間関係に持ち込まれると面倒なことになりますね。肉体的にも精神的にも。できれば、そういう痛みをもたらすようなものは、人間関係に持ち込まないでほしい。家族もそうだし、親子だってそうです。上司と部下や部活の先輩後輩も。

これが特に夫婦だとか恋人関係となると、余計に関係はこじれてしまいそうです。Jack Harlow の"Lovin On Me"は、歌詞にも出てきますが、「あなたの愛を僕に鞭打ってほしい」と願う曲。

Jack Harlow - Lovin On Me [Official Music Video]

もちろん、ここの「あなたに鞭打ってほしい」というのは、実際に鞭で打ちつけるものじゃなくて、比喩的なものですね。いやまあ、実際にこの肉体をその鞭で打ちつけてほしいと願う人がいたっていいんだけど、ここでは、そして一般的には比喩ですよ、さすがに。

この曲の主人公もまた、鞭や鎖は好きでないと明言してます。けれど、お前の愛で鞭打ってくれれば、俺は元気になれるんだ、みたいなことを歌ってます。愛する人の愛の鞭なら元気になれると宣言するのは、ある種の愛と言っていいかもしれない。

この歌詞で登場する鞭や鎖といったものは、束縛や抑制とか制限みたいなものの比喩的な象徴ですね。この曲の主人公は束縛からは自由になりたいし、お前は俺を縛りつけることはできないけれど、お前の愛という名の鞭で俺を元気づけてほしいと訴えます。

この曲をよく聴いてると、どうもこの曲の主人公は相手とはまだそれほど深い関係じゃなくて、ほとんど片思いみたいな感じが透けて見えます。どうかしたら、相手にはまだ恋人がいそうな雰囲気もありますね。

それでも、「俺」はそんな相手に惹かれてしまう。そんな「お前」はチーター柄の服なんか着て、「俺」のことを子ども扱いするけど。ところでチーター柄ってすごいですね。アメリカの大阪人みたいな感じなのかな。

アメリカの大阪人ってなんだという話だし、大阪人(というか、ある程度のお年を召した女性)が来てるのは、チーター柄じゃなくてトラ柄ですが。まあ、恋に落ちちゃったものはしょうがないよね。

とにかく、熱烈に愛する「お前」から比喩的に鞭打たれたいと願う気持ちはわからなくはないですね。それは「俺」自身の「お前」に対する熱烈な愛情の裏返しでもあるし。

できれば、もっとやさしく愛し愛される方が平和な気もしますし、その方が愛も長続きするような気もしますが。

ちなみにこの曲は1995年のCadillac Daleの曲"Whatever (Bass Soliloquy)"をサンプリングしたもの。

Cadillac Dale - Whatever (Bass Soliloquy)


※ひつじのはなし|Good Morning! Musicは、水月羊(the Maverick Black Sheep)が大胆不敵にも音楽(主に洋楽)エッセイを書こうという目論見と試みです。洋楽の曲を聞いての感想や解釈のエッセイ、コラムとなります。気になった曲の歌詞の意味はそれぞれ訳してみてください。また違った見方ができるかもしれません。


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