#50.無垢でも完璧でもないからこそ/Post Malone - I Had Some Help
おはようございます。わたしの住む街は相変わらず猛暑が続いています。ちょっと信じられないレベルの暑さですね。暑いとばかりも言っててもしょうがないわけですが、暑いものはしょうがない。
こういうときは少しでもエアコンのある空間で過ごして、冷たい飲み物や食べ物を味わうのが、暑さを忘れるための楽しみのひとつ。特にわたしは炭酸水が好きなので、それを毎日味わっています。
この炭酸水は無糖のものなので、そのまま飲むも良し、なにかを加えて味をつけるも良し。わたしはときどきカクテル用のシロップを炭酸水に少し加えて飲んでます。なかなか市販のサイダーや炭酸飲料にはないようなオリジナルな味わいなので、これがなかなか良い。
そんなふうに、夏の楽しみを少しずつ作っていくしかないですね。
どんなに上手くいくと思っていても、時間が過ぎるとともに上手くいかなくなってしまう物事ってことありますよね。小説の執筆もそうだし、人間関係も同じ……。
特に恋愛関係はなにかの弾みで一気に崩れてしまうこともあります。ちょっとしたすれ違いみたいなものが引き金を引くわけですね。
それはうっかり車が縁石に乗り上げるようなもの。そうなるとそれなりに対処も大変。縁石に乗り上げた車がそのままその場で動けなくなっちゃうかもしれないし、車体に深い傷がつくかもしれない。しかも目に見えないところでダメージを負っているかもしれない。
そういう、予期しないトラブルに見舞われたとき、どんなふうに対処するかで、その人の人間性が明らかになるという持論がある。まあ、これはわざわざわたしの持論だ! と主張するまでもなく、一般論みたいなものだけど。
(脱線するけど、このエッセイのシリーズでは、そんなふうに人間性をみる話が多いような気もしますが、そのへんは気にしないでいただけると助かります。話の引き出しが少ないだけなので!)
たとえば例としてさっき挙げたような、車がうっかり縁石に乗り上げたケースで考えてみます。
車を運転していたのは恋人でも自分でもいいんだけど、運転していた車が縁石に乗り上げてしまったみたいなとき、すぐに責任を誰かに転嫁するような人っていますね。
事故を起こしてしまったのは、恋人が話しかけてきたからだとか、スマホの着信音が鳴ったからだとか、その事故の責任を誰かになすりつけるような態度。
そういう態度の人はちょっと避けたほうがいい人かもしれないし、自分ならばちょっと考え方や態度を改めた方がいいかもね。
たいていの事故の原因は運転手のうっかりミスの場合が多いわけです。道路に飛び出してきた猫を避けようとして、みたいなどちらにも責任がないようなケースは稀にしか起こらないんじゃないかなあ。
これは車の運転だけじゃなくって、日常のあらゆる行為にも同じことが言えそうですね。あらゆることで他人を責めてばかりの人っています。かたくなに自分の非(それがどんなにささやかなものであっても)を認めないタイプみたいな。
Post Maloneの"I Had Some Help"に出てくる恋人もまた、そんなふうに他人を責めてばかりのタイプと言ってもいいかもしれない。
Post Malone - I Had Some Help (feat. Morgan Wallen) (Official Video)
この曲のタイトルを意訳すると「助けてもらった」。つまりは、別れを決意した恋人にたくさん助けてもらったこともある、みたいな意味合いなんだけど、ここでは反語的皮肉的な意味ですね。
降りかかる困難や障害を愛しあう二人で助け合って乗り越えていこう。そんなふうに一般論では言うものの、いざ困難や障害が降りかかってきたら、ケンカと責任転嫁ばかり。相手はこちらに責任をなすりつけて悪態をついた。その逆も同じ……。
だから、降りかかる困難や障害から、君に「助けてもらった」と、皮肉的に言っている。負け惜しみの言葉でもあるし、嫌味たっぷりの言葉でもある。
けど、この曲の主人公はそんな相手はもちろん、自分もまた完璧な人間ではないことを自覚しています。自分は天使でもないし、あなたも天から遣わされた存在ではないと曲の中で言及しているように。
同時にここでは、自分が無垢でもない存在であることも示唆してますね。自分が天使のように完璧ではないことを自覚はしているわけです。だからこそ、傷つけて傷ついた経験に成長を助けてもらえればいいんだけど、それもなかなか難しい。
小説を書くのに行き詰まったら、けっきょくいろんな物事に責任転嫁して、世の中を恨みたくなる気分になるからね。そんなことを繰り返してばかりだと、ちっとも成長できないままです。これは誰のせいでもなく、すべては自分のせいなんだけど。
※ひつじのはなし|Good Morning! Musicは、水月羊(the Maverick Black Sheep)が大胆不敵にも音楽(主に洋楽)エッセイを書こうという目論見と試みです。洋楽の曲を聞いての感想や解釈のエッセイ、コラムとなります。気になった曲の歌詞の意味はそれぞれ訳してみてください。また違った見方ができるかもしれません。
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