#23.物事はだいたいダサく進む/beabadoobee - the way things go

おはようございます。気がつけば10月の半ば。だからなんだという気もしますが、今月末はいよいよハロウィン。ハロウィンだからといって、なにか特別なことをするわけでもないんですが。なにかした方がいいのかな。

というわけで、今朝は新作となります。


物事をスマートに進められる人ってちょっと憧れますね。小説の執筆で言えば、何の迷いもなくアイデアを出して、それから一気に小説を結末まで書き上げることができる人、みたいな感じでしょうか。

これは小説に限らずに仕事や家事、あるいは学校の勉強といったものから、恋人との過ごし方とか今日の夕食の決め方みたいなものまで、あらゆることに当てはまりますね。迷うことなくスマートに物事を進められる人って憧れるし、自分もそうなりたいとは思う。

その一方で、本当にそういう人っているのかな、という疑問も湧きます。おしゃれなファッション雑誌とか、自己啓発書やビジネス書なんかをパラパラと(本屋の立ち読みなんかで)めくると、こうすればスマートに物事が進められますよ、みたいな話でいっぱいです。

あるいはネットを眺めてみても、ライフハックだとか仕事の進め方だとか、そういうノウハウものが一大コンテンツを成してますね。これは動画サイトでもSNSでも同じ。時短家事とか驚きの収納術とかコスパの良くなる(かもしれない)話、みんな好きでしょう?

わたしを含めた多くの人々は最適解への最短ルートを知りたがっているわけです。逆に言えばみんなスマートに物事を進められずに、ストレスみたいなものを抱え込んでいるとも言える。スマートになりたい憧れを抱いて、いろんなライフハックを検索するわけです。

現実にはあらゆる物事はだいたいダサく進むものです。夕食の決め方にしても、食材や料理をどうしようかと迷いながらスーパーをさまよい、恋人(や片想いの人)にどうしたらよく思われるかと焦りながら店に行ったら休みの日で焦ってしまうとかね。

さて、beabadoobee の"the way things go"は、終わった恋愛を振り返った曲。かつての恋人に言いたいことはいっぱいあるはずなのに、かつての恋人をなんて呼んでたかも忘れてしまっている。そのくらいの過去の恋愛。

beabadoobee - the way things go

きっと恋愛中でも物事はスマートに進まず、あれこれと頭をぶつけて、体と心のあちこちにキズを作って、痛みを覚えながら二人で進んできたけれど、けっきょく別れてしまったといったような過去を想像させます。

そんなふうに物事はだいたいダサく進む。けど、今の自分は幸せだと伝えたい。それはきっと二人でダサいながらも関係を築き、それを壊してしまったという経験があるからこそかもしれない。

まあ、これは小説を書くのも同じなのかもしれないね。

わたしの場合なんだけど、スマートに小説を書けるなんてことは絶対にない。冒頭にスマートな小説の執筆はこんなものかなという想像を挙げてみたけど、わたしの場合はその真逆と言っていい。

まずアイデアを出すところから悩みに悩んで、けっきょく時間ばかりが過ぎる。こりゃもうダメだ! と思ったときに、無理やり「これでいけるかもしれない」みたいな糸口を見つけて書き出す。

けど、一気に結末にまで進むわけでもなく、ああでもないこうでもないと迷いながら書いていくわけですよ。それでも、さっさと書き上げられればいいんだけど、そう上手くいくわけがない。

ネットで調べ物したら、気づいたときにはぜんぜん関係のないページを見てたりとかね。そういうのはしょっちゅうです。だからスマートさには憧れはあるけれど、永遠の憧れで終わりそうです。


※ひつじのはなし|Good Morning! Musicは、水月羊(the Maverick Black Sheep)が大胆不敵にも音楽(主に洋楽)エッセイを書こうという目論見と試みです。洋楽の曲を聞いての感想や解釈のエッセイ、コラムとなります。気になった曲の歌詞の意味はそれぞれ訳してみてください。また違った見方ができるかもしれません。


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