#27.大事な話をしよう/Tiësto - The Business

おはようございます。11月も半ば、冷え込みが急に強くなって、寒さに弱いわたしとしては憂鬱な季節のはじまりです。早く春にならないかな。まあ、あたたかなグッズや食べ物を楽しむしかないですね。ということで、今朝は新作です。


シリアスな話や大事な話を始めるとき、ちょっと緊張しますよね。いつも冗談ばかり言ってる相手だとか、軽い話ばかりしているような相手だとなおさら。まあ、重い話ばかりしている相手というのもそんなにいるわけじゃないけれど。

とにかく、人間にはシリアスで大事な話をしなきゃいけない場合がやって来ますね。心に抱えた秘密だとか、過去の過ちとか、シリアスで大事な話をすべき機会がめぐってきたと確信する瞬間がやってきます。ときに容赦なく。

その話題に関係するような大きな問題が持ち上がった場合だったり、あるいはいつかはその話をしなきゃいけないことはわかっていたけど、引き伸ばしておくだけ引き伸ばしておいたら、やがてそれについて話さなければいけない状況に追い込まれたような場合だったり。

そんなとき、相手が家族、友人、恋人やパートナーだと大事な話をするハードルが高いと感じるときもあります。あるいは今のところそこまで深い関係を持っていない相手かもしれない。付き合いたての恋人みたいな関係だとさらにハードルは上がります。

それでも、その相手とこれから先も良好で親密な関係を続けたいと望むのなら、いつかは大事な話をしなきゃいけないときが来る。そのときに、機会を見計らって切り出すわけですね。大事な話をしよう、と。

その話を聞いた相手が、どのような反応をするのかはわからない。理解してくれるといいけど、反発するかもしれないし、怒りや軽蔑といった感情を持つかもしれない。それでも覚悟を背負って話を切り出さなければいけない。ドキドキしながら。

Tiësto - The Business (Official Music Video)

Tiësto の"The Business"もまた、これから先も良好で親密な関係を続けていきたいと思えるような大切な相手に、いまから大事な話をしようと切り出す瞬間を切り取った曲です。

この曲で繰り返される"Let's get down to business"というフレーズ。素直に訳せば「さあ、仕事に取りかかろう」みたいな意味ですが、さあ今日も張り切って仕事しようよ! といったビジネス的な内容の歌であるはずはないですね。

「(これから大事な話をするから)さあ、本題に入ろう」くらいの意味だととらえたい。もっと踏み込むのなら、ここでの"Let's get down to business"と繰り返されるフレーズには、「一線を越えよう」みたいな覚悟とドキドキみたいなものが含まれている。

"Let's get down to business"というフレーズ、よくよく調べると実はもっと下世話な意味というか、「夜の営みを始めよう」とのスラング的な意味もあるらしい。つまりは、この曲でもそういう意味も相当に含んではいるよね、と受け止めることもできます。

だから、いま付き合っている相手がいるけど、そういう関係にはまだない。でも、そろそろ一線を越えたいなと覚悟を背負ってですね、「そろそろ夜の『ビジネス』なんてどうかな?」みたいに切り出すわけですよ。そりゃドキドキしちゃうね。

もちろん、そういう夜の誘いではなく、もっと大事な話とかシリアスな相談事だとか、そういう話を切り出しているのかもしれないけどさ。実は痔ができて困ってるとかね、シリアスだけに。


※ひつじのはなし|Good Morning! Musicは、水月羊(the Maverick Black Sheep)が大胆不敵にも音楽(主に洋楽)エッセイを書こうという目論見と試みです。洋楽の曲を聞いての感想や解釈のエッセイ、コラムとなります。気になった曲の歌詞の意味はそれぞれ訳してみてください。また違った見方ができるかもしれません。


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