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【職場いじめ対策の認知リハーサルプログラム】:Workplace Bullying The effectiveness of workplace program

概要

職場のいじめは影響された看護師の交代だけでなく、ヘルスケアの組織に経済的に有害な影響を及ぼす。産業保健の看護師はいじめを予防して取り除くためにリーダーシップを発揮できる。本研究は、看護師が2時間の認知的リハーサルプログラムに参加した6か月のサーベイ結果である。半数の看護師はいじめの知識が身についたと回答し、70%は自身の行動が変わったと報告し、40%がその半年間にいじめが減少したと報告した。70%の看護師がいじめを防げると思うと答えたが16%がいじめを見たときに反応できると答えた。

問題と目的

  • ナショナルサーベイによれば、看護師の27-85%がいじめを受けたことがあるとしている

  • (普通の仕事で25%であることを踏まえると看護師のいじめられ体験は高いと予想されるし、多くの援助職が経験的に納得し、大変ねとして流しているところだと思われる)

  • 当事者だけでなく目撃者にも大きな影響を及ぼすことも指摘されている

  • モラル低下、生産性低下、アブセンティーイズムに関連するいじめ被害のコストは、菅アアの安全をまもりケアを提供するという意味で、一人当たり30000-100000ドル (現在の日本円で450万-1500万程度といわれている

  • また、いじめられた看護師の40%は退職するとされている

  • 退職意思は退職の最も強い予測因子である

  • 看護師が退職したことで新人を雇うために必要なコストは15000ドル (225万) とされている

  • 他の報告では、残業代など様々な要因を含めると、一人の看護師を雇いなおすためにかかる費用は、看護師の年収の75%-125%であった

  • 本研究は看護師を対象とする職場いじめ防止教育プログラムの効果を検証するものである

介入方法検討のための文献検索

  • 文献検索の結果、incivilityの文献用法提供と対処方法の提供、葛藤エスカレーションの低減に効果的な技術を教える方法、アサーティブコミュニケーションスキルといじめに気付く情報を教える方法、griffin(2004) の認知的リハーサルがあった

  • 記述では認知的リハーサル (Griffin, 2004) が最も効果が強かったため、採用することにした

方法

  • 認知的リハーサルプログラムでは、職場のいじめの概念と、いじめへの反応、認知的リハーサル反応を説明した

  • 期待されるプロとしての行動と、いじめへの反応のカードを配布した

  • 対象者は6か月のモニタリング調査に参加した

  • 16名の看護師が参加した

いじめの概念と対応方法

  • 看護師さんだけでなく多くの人がよくしている事例です

  • 全部、たくさん見ました


  • ①Backbiting (陰口) :

  • そこにいなかったからAさんのことについて話すのは気が進まないです。彼女に話してみましたか?

  • ②Nonverbal innuendos(非言語的なほのめかし。例えば仕事に依頼に対して返事せずに近くにいる同僚と顔を見合わせる):

  • いいたいことがあるのはわかります。言ってください。

  • ③Verbal affront (言葉による侮辱。依頼に対して、私は担当の患者がいますと言い放って去ってゆく):

  • 私は指示やフィードバックをもらえると最も勉強できます。こうした時間や場所を設けてもらえますか。

  • ④Undermining Activities (損害を与える活動。例えば、入院患者の家族が6歳になる娘を面会に連れてきてよいかと尋ねたため、あなたが感染症を流行させないために今はできませんと回答したところ、家族は隣の看護師に意見をもとめ、その看護師はあなたの回答を見聞きしたうえで面会できますよと答えた):

  • 私の理解と違うことが起こって疑問が生じています。どうしてこのようなことが生じたか教えていただけますか。

  • ⑤Sabotage (妨害行為。例えば、あなたはAさんと電子カルテの導入を行うプロジェクトに従事しましたが、Aさんは業務を独占してあなたに担当させません。しかも些細なミスがないかを探してそれを誇張する形で上司たちに報告しており、裏ではあなたをやめさせようとしているとうわさが立っていますがあなたの前ではにこやかにかかわっています。今日、彼女はプロジェクトスタッフに電子メールを送り、「テンプレート作業に慣れていない人(あなたのことを名前をださずに示唆している)が多くの間違いを犯したためテンプレートを再作成する必要があり、導入は来週まで延期されます」と記載しました。周囲はみなあなたに怒っています。作業ログを確認したところあなたはテンプレートを操作したことはいちどもありませんでした):

  • いまの状況は、私が知っていることと異なることが生じています。何が起こっているか個人的に話し合う時間をもらえますか。

フォローアップ調査

結果

  • 陰口の目撃率100%

  • 非言語的なほのめかし60%

  • 言語的な侮辱60%

  • 損害を与える行為60%

  • 妨害行為20%

  • 信頼を壊す20%

  • 微妙なヒントをだす20%

  • 結論:看護師なにしてんの、怖くて働けないです

  • いじめてるのは同僚100%

  • いじめに反応できた17%

  • いじめによって必要なことを学べなくなった17%

  • プログラム参加前に職場いじめが理由で退職を考えた20%

  • プログラムに参加していじめを見つけるスキルが向上した90%

  • プログラムがいじめに介入する能力を改善した70%

その他のイジメ (具体例は記載されていない)

  • withholding information

  • infighting

  • scapegoating

  • failure to respect privacy


文献

  1. Griffin, M. (2004). Teaching cognitive rehearsal as a shield for lateral violence: an intervention for newly licensed nurese. The Journal of Continuing Education in Nursing, 35, 257-263. (認知的リハーサルによるいじめ予防プログラム)

  2. Stagg SJ, Sheridan DJ, Jones RA, Speroni KG. Workplace bullying: the effectiveness of a workplace program. Workplace Health Saf. 2013 Aug;61(8):333-8.

感想

みてるだけで毎日イジメにさらされているのかと胸が苦しくなりました

要するに組織の指示のもとに何がいじめなのかを明確に示すだけでも効果がある、そうして欲しいと組織が指示した時点でほかの組織とは違う

それにしても気分が悪いです

あなたたちは大人ですよね?

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