初心者がポケポケをやったら悪デッキに落ち毒を吐くようになった。私はキョウ。現代に生きる忍…
あるところにポケットモンスター初心者のやね斜裏という者がいました。
斜裏はゲームが好きでしたがポケモン世代ではなく、2022年11月18日発売の『ポケットモンスター スカーレット』という最新作までポケモンを遊んだことがありませんでした。
ある日、2024年10月30日『Pokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)』というスマートフォン用のゲームアプリが配信されました。
ポケモンの中でも大人気の「ポケカ」を、スマートフォンのアプリで遊ぶことができるようになる、という画期的なものでした。
「ポケカ」は有名なYoutuber「ヒカキンさん」なども紹介する、大人気コンテンツです。
斜裏はアプリが苦手です。「毎日開かねばならぬという義務感が発生していけない。また、画面が小さく目が悪くなってきているためそれもよろしくない。さらに、手軽にできてしまい時間とり虫になるところも意志の薄弱な私には好ましくない」職場の後輩やパートナーにそう語っていました。
斜裏の周りにはポケモン世代の友人、知人が多く、斜裏が使っているコミュニティツール「X(旧:Twitter)」で「ポケポケ」は大盛り上がりでした。斜裏は己の戒めもほどほどに、意志はゆるゆるに、かくして「ポケポケ」をダウンロードするのでした。
ポケポケはゲームアプリの中でカードゲームのパックを開封する儀式があります。画面に表示されたカードパッケージの上部を指でシュッとスライドすることによって、パックを切るのです。
斜裏は指シュッをするのに快感を覚えました。1パックにカードが5枚入っていて、シュッとするごとにどんどんカードが集まっていくのがなんだか嬉しいと語ります。
あれよあれよと斜裏は「バトル」をはじめます。
「ポケポケ」は「カードを集める」と「カードでバトルする」の主に2つの遊び方があり、カードが集まると今度は使ってみたくなったのです。
斜裏は勝ってしまいます。「案外勝てるぞ」と調子にのった初心者の斜裏は図に乗ってどんどんバトルを重ねていきます。
ゲームアプリが用意した練習用のものを全て遊びつくし、ついには世界中のだれかとバトルをする旅に出ていきました。
斜裏は勝ってしまいます。「案外勝てるぞ」と調子にのった初心者の斜裏は、また図に乗ってどんどんだれかとのバトルを重ねていきます。
それは15試合ほどした頃。
斜裏は「超」デッキである、ミュウツーex+サーナイトデッキに3連続当たりました。しかも、5試合中、4試合。
斜裏が使っていたのは「水デッキ」。
何故だかはわかりませんが、たまたま「カメックスex」というレアなカードがよく手に入ったのです。斜裏はそれなら、とカメックスexをバトルで見せびらかすために「水デッキ」を使うようになりました。
初心者であるため、はじめは「おまかせ」でデッキ内容を組んでいました。そのおまかせデッキを使っている時、水デッキの中で「ねむり」ができる「モスノウ」というカードが強いと感じ、「モスノウ」を主軸にデッキを再構築していきました。
「ねむり」は相手がコインを投げて、裏なら戦うポケモンが眠り続けて動くことができない、表なら起きて動くことができる、というものです。
■ユキハミ、ユキハミ、メノクラゲ、ゼニガメ、ハギギシリ
■モスノウ、モスノウ、ドククラゲ、カメール、フリーザー
■カメックスex
■きずぐすり×2、スピーダー、モンスターボール×2、オーキド博士×2、カスミ、サカキ
ミュウツーex+サーナイトデッキに2度負け、なんとか2度勝つことができました。ほぼ「ねむり」「カスミ」の運だけで。
「カスミ」は自分がコインを投げ、裏が出るまで投げ続けて表が出た分のパワーを好きな水ポケモンにつける、というものです。
斜裏は勝った気もせず、つまらない気持ちになりました。
「みな、流行りの強いデッキを使っている」
「さよう、戦とは勝った者が強者となる」
「それは楽しいのであろうか」
「勝つとは楽しいものだ。知っているだろう」
「遊びに対して効率とは何なのだ。己で生み出す味わいや誇りも知らぬのか」
「達成する喜び、捨てねばならぬ誇りもある」
斜裏は熱が出て闇に落ちそうになるほど考えました。
今までにも、強さのためにこだわりを、誇りを捨てたことがありました。
スプラトゥーンやApexではあまりに悔しくて環境武器を握りました。FF4のゼロムス戦でも愛する召喚士リディアが死んだまま戦闘を継続しました。
「そのキャラ、その武器弱いよ」と言われても愛ゆえに駆使して使い続ける変態者を心から尊敬していました。
スト6大会で環境ではないジュリプレイヤーが勝った時、斜裏は興奮して酒をあけてしまったほどでした。
そして気づいたのです。
「そもそもミュウツーexをもっていないではないか」
斜裏は心が折れ、自分ひとりでは答えが出ぬと、その道の者に問うてみました。なんと、まだ初心者の心が残っていたのです。
「ミュウツーex+サーナイトデッキに勝てぬ。環境とは何か?」
「お前はまだポケモンのことを何もわかってなどいない。半年ROMれ」
「それはあまりではないか。愛とは何か?」
「愛…あいか…中には、あいをもって制しようとして制せない者もいる」
斜裏はその言葉に目が醒めました。
11月14日夜、斜裏の心は悪に落ち、毒を吐くようになりました。
悪デッキの編成です。「タイプ相性」です。
神は斜裏の元へすでにその答えを準備していたのです。
■アーボ、ベトベター、ベトベター、ドガース、ドガース
■アーボック、ベトベトン、ベトベトン、マタドガス、マタドガス
■きずぐすり、スピーダー、モンスターボール×2、オーキド博士×2、サカキ×2、キョウ×2
なぜかキョウのカードが5枚もあるのです。
斜裏は11月14日夜、ミュウツーex+サーナイトデッキに勝利しました。
ポケモン初心者やね斜裏の旅ははじまったばかり。
マサラタウンに、サヨナラバイバイ。
俺はこいつらと旅に出る。
■この物語でわかる教訓
・こだわり、愛着は「たまたま」。
・灯台下暗し、すでにあなたは「もっている」。
・お前はまだ何もわかっていない「半年ROMれ」。
・忍者が嫌いなオタクっているのかな?
斜裏は語ります。
「目と目があったらポケモンバトルだ!」
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