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映画『ゴーストワールド』について思うこと

どうも、わっしょいです。
昨日『ゴーストワールド』のスペシャルトークショーをアーカイブ視聴しました。
※11/26(日)までチケット購入、視聴ができます。

ジェーン・スーさん(コラムニスト、ラジオパーソナリティ)、山内マリコさん(富山県出身の小説家)がゲスト。おふたりのトークを聞いていて色々気づいた事があったので、順を追って書き留めていきたい。


1|映画『ゴーストワールド』とは


2001年に公開され瞬く間に世界のティーンから高評価を得たという、ゼロ世代カミング・オブ・エイジの伝説的映画。
11/23(木)から22年ぶりにリバイバル上映されるということで、巷で話題になっている。

( あらすじ )
世の中を斜めに構えているイーニドとレベッカ。ふたりの趣味は人間観察。(その辺の他人の悪口を言っているだけ)
ある日ふたりは冴えないレコードマニアのシーモアと出会う。
イーニドは独自の世界をもつシーモアに興味を持ち交流を深めていくが、レベッカはアパートを借りるためにコーヒーショップでバイトをするなど、社会と折り合いをつけて生きていこうとする。
シェアハウスを計画していたイーニドとレベッカだが、ふたりの間には次第に距離が生まれていく。


2|27歳、はじめてゴーストワールドを視聴した感想


TSUTAYAでDVDを借りてきて自宅で鑑賞。
ファッションも素敵で世界観はとても好きだったんだけど、ずっと息が詰まる感じがしてしんどかった。
たぶん見返すことはないだろうな、と思った。

しんどいポイントは2つ。

  • イーニドの繊細なプライドが傷付くのが見ていられなかった
    絵を描くことが大好きなのに、美術教師から描いた絵を「マンガみたい」と言われたり、いつも隣にいるレベッカだけが多くの男性から好かれていたり、など。
    「他人に自分の価値を決めさせない」ことが何者かになる道なんだけど、それができないが故、傷付いてどんどん拗らせていく。それが見ていられなかったです。しんどさの9割がこれです。

  • シーモアのオスっぽさがリアルだった
    レコードオタクの中年男性シーモアが、映画の終盤でイーニドと体の関係を持つんですよ。
    体の関係をもった瞬間、イーニドに対して恋愛スイッチが入って、急に加速してくる感じにオスっぽさを感じた。
    友達だと思っていた男性が、急に男女の仲になろうとしてきた感じと似ている。しんどさの残り1割がこれです。


大学生の時にこの映画を観ていたら、共感できる部分もあったのかな。


高校を卒業したイーニドは周りの人や社会との折り合いがまだつけられなくて、変な形でも自分を貫き通そうとするのだけれど、自分の人生のイーニドみたいな時期は中学で終わっている気がする。


だからイーニドを見て「痛い」みたいな感情を抱いたのかもしれない。
まわりと上手くやっていかないと生きていけないよ、と思いました。


3|トークショーを聞いて気がついたこと

▪︎原作と映画の違い

ゴーストワールドの脚本は原作者と監督が共同で書かれているそうで、原作からピックアップしたいくつかの場面を上手いこと構成しているらしい。

原作ではイーニドとレベッカが文句を言っているシーンが8割だったり、映画ではレベッカが男性からモテるが、原作ではレベッカが「結局男はみんなイーニドを選ぶよね」みたいな感じだったり。映画とはまた違うということで原作も気になってきた。


▪︎自意識過剰が故に批判的になる

どうして主人公のふたりがあんなに他人を批判的な目で見るのか、いまいち分からなかったのだけれど、トークショーで「自意識過剰な故に、攻撃が最大の防御みたいな感じで、批判的になってしまう」という話をされていて、すごく納得した。

会社の同期にもいるんですよね、すごく周りを見下す人が。
「アイツって仕事できねえな」「ポンコツじゃん」といった発言を頻繁にしたり、すぐ他人によくないあだ名を付けたり。
そのくせ「あの人俺のこと何か言ってた?」と気にしたり。
彼もまだイーニドなのか。なるほど。


▪︎ありがちなセリフは全て省かれている

これは確かに、と思った。
「あんなやつ忘れなよ」「1回やって満足したわ」みたいな、入れたくなるようなセリフが無かった。
映画終盤はもう息が詰まりっぱなしではあったが、世界観が最初から貫かれていて良かった。
一歩間違えば少女と中年が関係をもつって気持ち悪いけど、そこをうまく回避できている映画だった気がする。


4|最後に

やっぱり映画を観たら人と語りたいな。
いろんな人の感想を聞くのは楽しい。本当に。
心に残るトークショーでした。

余談にはなりますが、3日前に図書館に行ってふらっと借りた本の中にジェーン・スーさんのものが。

トークショーを聞いて楽しかったので、この本を読むのも楽しみだ。
ではでは。

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