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少し先の話 あつ森日記#4

 休職3ヶ月目。起き上がって家事ができる日が増えたし、こうして文章も書けている。最初の頃より明らかに元気でホッとする反面、復職がチラつく。嫌だな〜と現実逃避しながら、今日も島で暮らしている。

 家の収納が足りず、しぶしぶ部屋を増築すると最大数になった。2階から地下まであるけれど、住むのはひとりである。せっかくなので、2階はカフェスペース、地下はバーのような雰囲気にしてみた。ただ家具が全然揃わないため、どちらも作成途中の中途半端という感じ。ちなみにローンはまだ支払っていない。

 あまり触りたくなかった島クリエイターは、一度始めると気になってしまい、今度は道を敷き始めた。島中に散らばっていた住民の家を一区画に並べて、お店もまとめ、間にタイルを敷いていく。今更気づいたのだけれど、穴を掘った数で縦横が揃うらしい。スコップで掘る、数を合わせる、スコップが壊れる、腹が立つ、繰り返し。イライラして投げ出しそうになったけれど、ここで止めると、あつ森自体を一生開かない未来が見える。意地で区画整理を終わらせた。

 家の間や海岸沿いに花を植えたが、驚くほど増える。緑さえあれば、意図しなかったところまでどんどん増殖した。交配させて別の色を咲かせるつもりが、段々と手に負えなくなってきた。間引く勇気も必要かもしれない。
 
 あつ森には、まだまだ遊べる要素があるけれど、わたしが仕事に戻るなら、島に居る時間は減るだろう。魚を釣る、虫を捕まえる、花を育てる、住民と話す、現実では享受できないスローライフはとても楽しかった。こんな状況でも何かできることがある、他のことは考えなくて良い、スマホが遠ざかる等々、有難いことばかり。ほぼ寝たきりで何もできなかったところを、島暮らしが救ってくれた。感謝してもしきれない。

 あつ森を少し離れることになっても、ゲームを開けば、自分で作ったお気に入りの島がある。きっと住民たちは待っていてくれるし、花も綺麗に咲いているだろう。前を向くのは怖い。慣れたものから手を離すのも。それでも少しずつ、歩みを進められたらいい。島でもらった、優しさと温かさを携えて。

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