【創作大賞2024応募作・恋愛小説部門】 きっとここにしかない喫茶店で(15)
第十四話はこちらです。
第十五話
「話には聞いていたけど、おもしろい人たちだったね」
タクミはベンチに座りながら、フラットホワイトに口をつけた。
「これ、すごいおいしいよ⋯⋯」
タクミはしっかり味わった後で紙のカップを見つめながらそう言った。すっかり気に入ったようで、目を輝かせながら何度も飲んでいる。その様子を見て、ミカもカップに口をつけた。ゆっくり味わいたかったので、良い場所が見つかるまで我慢していたのだ。
「本当だ⋯⋯おいしい⋯⋯」
口に液が入ってきた