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夢、幽霊になった話。

時折、設定が細かい変な夢をみる。全部覚えてるから今回noteに載せてみることとする

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【突飛な夢シリーズ 死んで幽霊になった話】
結婚式前夜私はどうやら死んだらしい。
だれと結婚する予定だったのかは覚えてないし、
なぜか興味がないみたいだ。
血まみれの身体からそっと離れると案内人がやってきた。アリスの白兎みたいに忙しそうで頼りない感じの正装の男だ。彼曰く幽霊でいることも来世に行くことも可能みたいだった。携帯の充電があるうちは姿を見せることもできるらしい。私はまだ生きていたかった。気になることがたくさん残っているみたいだ。

結婚式の二次会 ライブハウスでライブを行う予定だった。
対バンは脱退したメンバーの新しいバンドで、女性ボーカルだった。なんとなく気に食わないのでどんな人か確かめようとしたら、素晴らしい絵をかけてと詩も音楽も独特なストイックな人だった。
私はいらない人間だったんだなと死んでこれでよかったと改めて思えた。

移動中。私と同じ幽霊と思わしき人を見かける。
人間には見えてないけれど、世界には至る所に光(水晶の形をしている)が存在している。
どんよりと暗い顔をした彼がしばらく光のそばで休んでいると理性をとりもどしたようだった。
幽霊が理性をなくすとどんよりと暗く目が真っ黒の
人に害をなす存在となってしまう。
彼の顔をよく見ると以前付き合ったことのある人だった。
とてもじゃないけど許せない程傷つけられた人だ。
それでも好きで、覚えていた。

時間が経って、彼はなんとも思ってないはずだからと
声をかけた。「久しぶり」
ベンチに座って横並びになると彼はなんだかバツが悪そうだった。
「どうしたの」
「傷つけたんじゃないかって心残りだったんだ。」「だから会えたのかもしれないね。私は君のことずっと許せないでいたよ。酷い言葉を吐かれて。勝手にいなくなってしまって。」
「ごめん。」
「いいよ。私はずっと君に会いたかったみたいだから。今話せてとても嬉しいよ。」
「いや、いい彼氏ではなかった。君のこと彼女だなんてあんまり思ってなくて、ジャズ音楽みたいに軽快で自由で楽しいとこだけ好きだったんだ。君のいろんなところが嫌いだった。人間なら当然人間らしい悪いところもあるし、完璧なわけないのにね」
「幽霊になってから人間をかたるんだ。」
「幽霊になったからこそ人間を語るんだよ。」
それから2人でたくさん遊んだ。携帯も使って今までできなかったこともしたかったことも、沢山だ。

散々遊んで数日経って充電もなくなった頃彼はいった。
「もういかなくちゃ。」
「どうして?こんなに楽しいのに」
「やっぱり俺は心の底からクリエイターなんだよ。監督もできなかったし一本の脚本もかけなかった。あんなにアイディアはあったのに。」
「でも時間なんていくらでもあるよ。形がなくなるまで一緒に遊んでいよう。それからでも充分間に合うよ。」
「ダメだ。その時間がもったいない。その間に生まれ変わってまた人生をやり直したい。」
「辛くて苦しい人生なんてまたやり直したくない」
「きっと今度は違うし、君もやりたいことが見つかるさ。少なくとも君の歌、俺は好きだったよ。」

彼は手を振って気がつくと消えていた。

現実で別れた理由は正こういうところだった。私は全てに疲れてて楽しく安定してればそれでいいし、彼は好きなことを突き詰めて疲れても苦しくてもそれと向き合っていた。
お互い認め合えればそれでいいのにそれができなかった。彼はできることがあるのに怠惰だって私のことを非難した。私は彼とのんびり映画を観て感想を言い合ったり、映画の裏話を聞いたりしてるだけで幸せだったのに。
別れて当然だよね…やっぱり分かり合えないんだもの。
と現実も夢も全て同じ、と気づいたら目が覚めた。

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