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新しい環境で活躍する“学びを楽しむ”ラーニングアニマル人材

新しい環境に飛び込むときの参考になるやり方として、アンラーニングという言葉を聞いたことがある方いると思います。

アンラーニングは、いわゆる学び直しであり、過去の成功体験に囚われず、今必要なことを素直に受け入れ、学び、実行できるスキルのことを指します。

私個人の考えですが、最終的に意図することは同じなものの、ラーニングアニマルという表現のほうが好きです。

新しい環境で成果を出す人の特徴について、自身の体験談(うまく行ったこと、大変だったこと)も踏まえて、ラーニングアニマルについてと、その大事さについて、書いてみました。

1. 新しい環境で苦しんだはじめての転職

誰しも環境を変えたとき、新しい事象に直面したときは、何かしらのストレスがあると思います。

自身の体験で話すと、はじめて監査法人からリクルートに転職したときがそうでした。

自身の専門の会計分野中心とはいえ、企業買収における会計DD・海外子会社PMI、海外子会社設立、貸付極度額設定など自身にとって新しい事象に対して、自分で考える力が弱く、先輩に過去はどうやったか、どうすればいいかそのまま最初は聞いていました。

河島さんはどう思う?と逆に聞かれて、あまり良い返答ができなかったことを覚えてます。自分の専門分野では考えれるものの、専門を超えているので、そんなこと言われてもわからないものはわからない。このまま放置しても進まないから聞くしかないと考えていました。

これではダメだと思い、自分でもっと考え調べ、関連する人や外部へのヒアリングなど、スピードは遅かったですが、専門分野に関係なく、まずは自分で仮説を考えて、伝えることを繰り返すことからはじめました。

全然違う、と返されることもたくさんありましたが、その経験を経て、何がまずかったのか気付けました。たくさんトライできたことが今に繋がっていると思います。

聞くこと自体が悪いことではないのですが、自身で課題レベルに分解して、何をいつまでにすれば良いか特定し、まずは実行するというスキルが弱かったので、自身でゼロから新しいことに対応する経験が足りていなかったのだと振り返っています。

一定経験がある中で環境を変える人は特に、新しい事象への適応力が大事になるため、行動の速さ、学ぶ速さが足りないとしばらく苦しむ傾向があります。

これは、考えて試した数の経験がものをいう世界なので、どうすればもっと良くなる?を意識して、めげずにやり続けることでしか成長はないと考えます。

2. ラーニングアニマルであること

グーグルの働き方やマネジメント手法について書かれた「How Google Works」という本に、「ラーニング・アニマル」という造語があります。

ラーニング・アニマル
大きな変化に対処する知性と、それを楽しむ性格を併せ持った人々。とにかく学ぶことが好きで、くだらない質問をしたり、誤った答えを出すことなど恐れない
– How Google Works/エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ

新しい環境に適用するために、人や本から学び、トライしてぶつかったらなぜか考えて、また挑戦する。

これまでの経験を捨てているというよりは、貪欲に学んで、環境の変化に適用するだけじゃなくて、さらにその環境を自分が変えるためにはどうすればいいかを内外から学び続ける

学ぶことをやめたら成長は止まるので、ラーニングした今までの経験をどんどん変化させていく

それがラーニングアニマルの考え方です。

How google works では、ラーニングアニマル人材を採用することの大事さについて紹介しています。

採用は過去に同じような仕事で実績をあげた人を選びがちですが、あらゆる業界では急速な変化が起きており、いま採用するポストに関しても求められる役割やスキルが変わる。そのような中で、学習し続ける人=ラーニング・アニマルは、成長を続けるため、あらゆる環境にも適応できます

私も自身を振り返ると、会計士に興味があり会計士になり、仕事をする上で会計の歴史や新国際基準に興味を持ち、そこから事業会社で働くことに興味を持ち、海外で働くことに興味を持ち、買収を通した事業成長に興味を持ちと、常に興味で動いています。

今も会社を大きくするために何をすれば良いか、組織論・マネジメント論に興味を持ち色々調べて実行して、躓きながらも、日々前に進んでいます。

3. どんな人からでも学びがある

監査法人というプロフェッショナルファームからリクルートという事業会社で学べた1番のことは、皆、色々な経験を持っており、どんな人からでも学べることでした。

会計士という同質性の集団から、さまざまなバックグラウンドをもつ集合体である事業会社に行くことで、必然的に、年齢に関係なく、オペレーションや会社のことを学び続けないと通用しない環境にいれたことは、自分の価値観を変える大きなきっかけになりました。

また、そこから海外で働く機会を得たことで、言語の壁を気にせず(気にしてる場合ではなかった)、とにかく生き抜くために拙い英語でも話し続け、人から学び続ける貪欲さを経験しました。

今年ファインディというスタートアップに転職しました。

まず未経験の営業をやってみました。

一回り歳下の同僚から教えてもらうことも何も気にならなくなっていたので、とにかく教えてもらいながら、自分でも調べてやってみました。リモートでも色々な人と知り合える良い世の中になりましたので、本から人から学んでは試し、の繰り返しを今でもしています。

常に学べる環境に感謝しかないですし、毎日学べることが楽しい。何か失敗してもそれは伸びしろなので、学んでまた試す。そんな日々を過ごしています。

4. Stay young

では、どうすればラーニングアニマル人材になれるのか?

ラーニングアニマルであり続ける一つの姿勢として大事なマインドが、Stay young(若い考え方を持つ)だと思います。

経験を重ねるほど、自身のやり方が確立されていき、過去のやり方を踏襲してしまうものです。今のやり方で、「到達目標」を設定し、その達成にまい進する。Googleでは、そのような人材は、オペレーションエクセレンス人材と紹介しています。

オペレーションエクセレンス人材は、決められた業務、過去に例のある物事をうまく進める力を持つ人であり、それ自体が悪いことではありません。ただし、インターネットにより変化が激しい現代において、常に新たなものを学ぶ力をOSとして持つ人材であることは重要です。

ラーニングアニマル人材は、学ぶこと自体が目的であり、失敗への恐れやプライドなどなく、目先の失敗を気にしないで新たな解を導こうと没頭し、その学習到達の過程で成果を出していきます。

「とびきり優秀な人でも、変化のジェットコースターを目の当たりにすると、もっと安全なメリーゴーラウンドを選ぼうとするケースはやまほどある。心臓が飛び出しそうな体験、つまり過酷な現実に直面するのを避けようとするのだ。(中略)グーグルが採用したいのは、ジェットコースターを選ぶタイプ、つまり学習を続ける人々だ。彼ら“ラーニング・アニマル”は大きな変化に立ち向かい、それを楽しむ力を持っている。」(同書)
「ラーニング・アニマルが目先の失敗にこだわらないのは、長い目でみればそのほうが多くを学び、さらなる高みに上れることを知っているからだ」(同書)

純粋なことですが、歳を取っても学び続ける楽しさを忘れない、ことだと思います。

楽しみながら学んでいるときが、一番吸収力が高いので、過去の経験ではなく、今何を学べていることを楽しそうにどれだけ話すことができるか、が大事だと思います。

先日、弊社の常勤監査役の候補者と話している中で、70歳を超えている方と話しました。その方は、経験は申し分ないですが、今までの業界は弊社とは異なっていました。「スキルセットはお持ちですが、インダストリーを変えようとされている理由」についてお聞きしたところ、

その方が成長できると思いました。

と真っ直ぐな回答をいただきました。

こんな歳の取り方をしたい、と心から思えました。

気持ち若く、貪欲に学び続けることを楽しんで行きたいですよね。

参考:
「How Google Works」
記事 転職で強いグーグル型「ラーニング・アニマル」とは


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