事業立ち上げでインドに赴任して3ヶ月経った話_202403
ファインディというスタートアップで、海外事業責任者兼CFOをしている河島です。2023年12月に、バンガロールに引っ越しました🇮🇳
ソフトウェアエンジニア組織支援SaaSを海外市場に販売促進していくために、ITエンジニアが集まるインドのシリコンバレーことバンガロールに赴任。具体的な背景はこちらをご覧ください。
とても濃厚な3ヶ月で、まだ3ヶ月しか経っていないことが信じられず、日本にいたのが遠い昔の記憶のように感じます。
今回のnoteでは、赴任して立ち上げに奮闘している記録として3ヶ月の振り返りを書きます。
こんな人におすすめ
スタートアップ海外事業立ち上げに興味がある
インドでの事業立ち上げに興味がある
インドでの生活が気になる
インドのバンガロールにて事業立ち上げ。わからないなりに動くしかないのでアクションを続けた3ヶ月。主に事業側の目線で書いていきます。
前提
日本ではすでに一定取引実績が出ているソフトウェアプロダクトのグローバル展開
競合ツールはアメリカを中心にあるが、APACではまだそこまで大きな競合はいない
エンジニアの開発生産性を解析・生産性改善するという市場は盛り上がり始めているが、出来上がっていない市場
日本では一定成長しているプロダクトを持つスタートアップがどう海外展開をしていくか、といった挑戦になります。
以下のようなソフトウェアエンジニア組織向けのプロダクトを提供しています
全体として思うこと
まず当たり前のことなのですが、以下が根本的に日本でビジネスをやる場合の前提と異なります
インド人はファインディを知らない
比べられる企業はグローバル
相手のニーズや営業の仕方など商慣習が違う
求められる法規制が異なる
ゆえに、時間が思っている以上にかかります。
上記のように書くと、当たり前じゃんって思うかもしれませんが、それでも体感より時間がかかるし、何より想定しないことが色々起きます。
日本でブランドがあっても、日本語のきめ細やかなサポートから顧客信頼があったとしても、それは全然役に立たない。グローバルロゴは?と聞かれ、この競合と何が違うのとと問われます。
一見共通的な課題解決なプロダクトに見えても細かく見ると前提やニーズが異なり、営業の仕方、関係値の作り方も違う。
想定しない法規制もあったりするし、グローバルでは対応していることが自社では対応が弱いってこともあるある。このあたりを各方面気をつけながら1つずつ潰していく必要があります。
この3ヶ月でやったこと
LinkedInなど活用して、アポを入れる・営業する
現地企業だけでなく日系にもアプローチする
現地アドバイザーから紹介をしてもらう
現地でカンファレンス・ミートアップの開催
現地採用
LPおよび現地向け営業資料作成・アップデート
リーガル対応(規制もろもろ)
このフェーズはとにかく自分がすべてをやりながら、人を増やしていくしかないと思っている。
魔法はなく、体験しないとわからないので、3ヶ月はとにかくすべて動きながら自分が体感する。
体感すると、理解できる。色々失敗もしていますが、このタイミングで失敗してよかったーって思いながら行動を続けてます。
やってよかったこと
現地に出張を頻繁に行い、人に会いまくる
現地のイベントに出展する
はやめに現地のアドバイザーを入れる
インドのベンダーとか誰かと仕事をしてみる
ありものでとりあえず営業してみる
自分で動き続けるけど、すでに知っている人からちゃんと情報を得て効率的に動くことやネットワークを活用せてもらうことは大事なので、あらためて、人に会い続けること、100人にプロダクトの話を聞いてもらうこと、実際に業務委託などでクイックに仕事をしてみること。
とにかく行動行動行動!行動していくと徐々に質を考えられるようになっていくので、脳死はしてはいけず、考え続けるんだけど、まずは動くこと。
走りながら整えていく。止まっていないか?考えれているか?毎日毎週振り返りをしながら走り続けてます。
もっと早くやればよかったこと
LPや現地向け営業資料作成
採用
リード獲得に向けた施策打ち
グローバルでの有識者とのコンタクト
一部です。今思えば、これ先に出来たなとかうまく出来たなってことはたくさんあります。
インドでToBソフトウェアサービスの事業立ち上げをやってる人が日本人ではあまりいなく、日本人以外でもまだあまり出会えていないので、そういう人にもっと出会えてればと思いつつ、結局は売るものや会社・環境・組織が違うので、自分でやるしかないのかなとも思っています。
日本では経験がなくても、世界を見れば経験している人はいくらでもいます。ここへのアプローチがまだ仕切れていないのが反省点なので、継続してネットワークを広げながらどういった人と話すとよいか、の解像度を高めているところです。
なぜ海外進出は難しいのか
日本でのブランディングがほぼ活かせない
意思決定プロセスが異なる
営業での距離の取り方などが異なる
感じる価値提供の違いの訴求ポイントが異なる
法規制対応の違い
日本のサービスが世界市場に参入しようとする際、その展開には様々な課題が伴います。これは、文化、言語、ビジネス慣習の違いに起因するものであり、単にサービスを英語に翻訳するだけでは成功しないことが多いと言われてます。
言うは易しであり、事前に調べたり、話を聞いたりしていても、自分でやってみると、想像より全然大変です。
結局自分のプロダクトを一番知ってる人は自分
前提が違うので、一定ちゃんと有識者に聞きつつ、自分でやる。の両方が必要であり、動きながら高速に知見や経験を得て、必要な調整をかけていく。
行動が機会を産むと思っています。
2、3年立ち上げに注力してたらM&Aにたまたま出会えた。大企業との契約が決まった。トップクラスの方を採用できた。いずれも行動が裏付けになっているので、やり切れる人が諦めずにやりきれるか、というとてもシンプルなところに戻ってくる。
ブランドに時間がかかるからまずはブランディングだ!とかインドはコストセンシティブだからフリーでプロダクトを配れとか、インドの営業は関係構築に95%時間を使え!とかインドではこうしないとだめだ!と色々な人が色々なことを言ってきます。きっとそれは正しい点もあるけどすべてが正しいわけではない。
前提が違うこと、そして何よりもリソースが限られている中で優先順位を選んでやるしかない。まずは行動することだし、代表としてきている自分がすべてわかっていないといけないので、まずは自分でやること。ここを誰かに委ねすぎると上手くいかない感覚。
インドチーム始動!!
紆余曲折しかないですが、契約も少しずつ取れ始め、現地フルタイム採用もできてきました。
まだまだ小さいチームですが、ようやくインドチーム始動です。
バンガロールは伸びているIT都市であるため、採用競争は加熱していますが、その分優秀なタレントがいっぱいいるところが良い点です。
採用プロセスの違いや、応募が多いのでスクリーニングが困難、そもそもどういった人が優秀なのかわからない、などの点があるので、その辺りは現地アドバイザーに協力を得ながら進めています。採用に関する困難はまた違うタイミングでまとめていきたい。
1つ気をつけた方がいいのは、日本からインド事業立ち上げにきている日本人は”良い”ターゲットであるということ
コンサル・アドバイザー・業務委託・採用も含めて、色々な人が色々なアプローチで近づいていきます。信用できる人を見つけるために、まず100人と話すこと。短い期間でスモールスタートしてみること。
気をつけながらも体感しないとわからないことは多くあります。
インドでの生活どうなの?
インドというと主語が大きいと思っています。バンガロールはインドの中でも外国人が住みやすいといわれており、多様的。
お腹壊すと言われるけど、私が辛いもの得意というのもあるし、水はペットボトル、油取りすぎない、綺麗なレストラン行くを気をつければ大丈夫な感覚
バンガロールは、様々な国のレストランもあるので、毎日インド料理では全然ないw
バンガロールは天気が比較的涼しく、バーやブルワリーも充実している。外でビール飲めるのは楽しい(最近はやや暑い)
じゃあ住みやすいかと聞かれると、インドの中では住みやすい。インドなので色々起こる。でも言われるほどではなく普通に生活できてるって感じ
皆が思っているインド生活ではなく、普通に都市。それでもインフラの悪さなど大変さがある。大変なところは慣れてくるので、バンガロール生活を楽しんでいる日本人は多い印象。私もバンガロールでインド料理やブルワリー、現地の人とコミュニケーションを楽しんでおり、ゴルフを始めてみたり、テニスコミュニティを見つけたり。旅行もしていきたいなと思っています。
ALL IS WELL
今更ですが、インド名作映画「きっとうまくいく」を見ました。
アメリカ赴任経験あることもあり、グローバル耐性は少しはあると自負がありましたが、当たり前にインドは全然違う市場であり、大企業 x アメリカでは、まったく出会わなかった困難に日々直面しています。
トラブルだらけであり、進んだと思ったら戻る感じ。
あーつらい!!!!って叫びたくなりますが、こう言う時こそ、「ALL IS WELL」ですね。きっとなんとかなる。という意味であり、映画作中の中で何度も出てくる言葉です。すごく沁みました。
難しいから面白い。困難だから挑戦である。と、今の大変さも前向きに捉えて、引き続きインドで生き抜いていこうと思います。
グローバルエンジニア組織を強化していくことに興味がある方、バンガロールに興味ある型、ぜひお気軽にご連絡ください!
では!