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将棋ペンクラブの顔、湯川博士

 
  
 将棋ペンクラブの幹事を統べているのは湯川博士(ゆかわひろし)というバケモノ。
 
 人に対して、それも年長者に対してバケモノ呼ばわりはちょっと失礼とは思う。しかし、ついそういうカンムリを付けてしまいたくなるほどの、豪快且つ魅力的な男なのだ。バケモノでちょっとアレなら、豪傑と言うべきか。
 
 湯川博士は、将棋界では知られた男だ。Wikipediaにも載っているので、世間一般にもある程度知られている人物だ。もっとも本人はパソコンも携帯電話も持っていないので、自身のWikipediaを読んだことはない。Wikipediaというもの自体も知らないだろう。
 
 ぼくは木村晋介弁護士会いたさに将棋ペンクラブに入ったのだけど、湯川博士という男と関わり、「師匠」と呼ぶようになった。まぁこういうのは「大先生」と同じような意味合いなのだが、でもぼくの場合は親しみを込めて、そう呼んでいる。それと湯川師匠は物書きで、教えられることが多く、その点では本物の「師匠」だ。もっとも、「教える」という名の押し付けはいっさいしない人だ。こちらが勝手に参考にするだけ。もちろん、聞けば教えてくれる。
 
 湯川さんは、以前にあった「将棋ジャーナル」という将棋雑誌の編集長をしていて、それを6年やったあとにフリーの将棋ライターになった。ライターといっても、自身の名での著作が多いので、ぼくから見れば作家だ。でも本人はライターという肩書きを気に入っているようで、名刺には「WRITER」と記している。英語にしたのは、タバコに火をつける「ライター」と間違われないようにとの細かい配慮によってだ。
 
 湯川さんは将棋本の監修も多くしていて、棋士の知り合いも多い。将棋ペンクラブの会報『将棋ペン倶楽部』に掲載する新春座談会のお相手や、交流会で指導対局してくれる棋士などは湯川さんが連絡をとる。もっとも、若い棋士はもう分からないと言っている。
 
 酒場では、とにかく一方的に話す。我々同席者は、リスナーだ。とにかく、聞き手に徹する。距離の近い「寄席」に来たと思えばいい。聴衆になりきるのだ。湯川さんは飲んでると、途中で必ず寝るが、そこからは聴衆たちのおしゃべりタイムとなる。なぜか、やれやれ、という雰囲気に包みこまれる。
 
 こう書くと湯川さんが酒癖の悪い男に感じそうだが、湯川さんは酒癖が悪くない。なにしろ酒が入っていなくても、同じだからだ。ペンクラブの幹事会でも、喋りまくる。酒が入ってても入っていなくても同じなのだ。
 
 以前は「統括幹事」となっていたのだが、役職なんかにこだわらない人なので、統括の文字を取っ払ってしまった。でもなにかペンクラブで問題が起きると、矢面に立つ。一般的に、問題の矢面に立つのは大変なことだが、本人は面白がっている。矢面に立った時のエピソードなどを、よく語ってくれるのだ。
 
 1回の記事では、この人物の豪傑ぶりは語れない。将棋ペンクラブ関連の記事では頻繁に出てくるので、まずは簡単に記してみた。ネットで検索すれば簡単に画像が見つかるので、興味のある人は見てみるといい。豪傑に似合った風貌だ。

書き物が好きな人間なので、リアクションはどれも捻ったお礼文ですが、本心は素直にうれしいです。具体的に頂き物がある「サポート」だけは真面目に書こうと思いましたが、すみません、やはり捻ってあります。でも本心は、心から感謝しています。