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妄想軍事評論「旧日本海軍=艦載−対空機銃・高角砲=考察」〜 杉岡宗春

 大東亜戦争当時、日本海軍の軍艦搭載用として、開発装備された「96式25mm対空機銃」「89式40口径12.7cm高角砲」=この装備が「対空(対航空機用)防御兵器」として ”正解(適当)“であったのか?かねてより疑問を持っている。現代の様な「レーダー・コンピューター連動対空火器」で無い「目と脳細胞」で目標視認−追尾−射撃する、当時の対空火器では「推定時速300~500km前後で突入して来る目標(特に急降下爆撃機)」を撃墜するのは至難の技で有ったと考える。そこで、少しばかり ” 想像(妄想)の翼を拡げる “ 。
 目視照準・射撃の “ 対空火器 ” において、必要とされるのは=取り廻し易さ(=火器本体の上下左右旋回速度)・信頼性はもちろんだが「高初速&高発射速度」が重要と考える。で有れば、 ” 12.7cm(5インチ)高角砲&25mm機銃 “ より “ 初速&発射速度 ” を高め易く、より小型軽量で取り回しも楽な−−小口径の    ” 3インチ(76.2mm)或いは75mm砲(陸軍の高射砲流用?)&20mm機銃 ” の ” 組合せ “ が−よりベターと考える。一発の威力が小さくとも、間断の無い射撃による恐怖心を相手パイロットに与える方を選びたい−−(余談だが)一発の威力なら戦艦の主砲による「三式弾」の射撃に優るものは無い−12.7cm砲弾では、たかが知れている。
 先ず “ 20mm対空機銃 ” を考察する= これは旧ドイツ軍の ” Flak38 20mm4連装対空機関砲 “ の様な “ 上下2連✕2 ” の高射機銃で考えた。エリコン20mm機銃(零戦に搭載した)をベースに、各部を補強&長銃身化−−初速を900m/s級にアップ・毎分発射速度は、逆に350発程に抑え−持続発射速度を150発以上に−−これを4連装とする。この機銃は初期型でも、60発箱弾倉使用なので約10秒の連続射撃が出来=敵機の正確な爆雷撃阻止に有効と考える。※人力による、取り廻しの 易さ を考え=2連装タイプも必要だろう。
 次に、3インチ級高角砲。新規開発=実際に、阿賀野型軽巡洋艦に採用された−九八式八糎(76.2mm)高角砲の開発を早めて装備化する方法と、日本陸軍の八八式七糎(75mm)高射砲or独クルップ社製コピーの九九式八糎(88mm→ボアダウン80~85mmに?)高射砲を性能・強度を高めて流用=の何れかで行く。目標とする性能は=初速900m/s級、毎分発射速度は=40発毎分以上の速射砲とする。その為、尾栓式で無く−側面から、3~5発挿弾子による給弾で連発を可能とする。速射砲と言っても=1.5秒程度に1発の発射間隔で充分、砲身の指向を修整しながらの射撃がベターだろう。持続発射速度は、砲弾の装填や砲身の指向に時間を取られるので=毎分12~15発、最高でも20発程度が現実的か。
 これら対空火器は、艦載砲なので必ずしも軽量である必要は無い。当時の日本の工業力では、小型軽量化や闇雲に高性能を追求する事は信頼性・整備性を損なうだけだろう。必要な性能(=高初速化を第一とする)を絞り込み、なおかつ信頼性確保の為の重量増加は容認すべき。
 これ以外にも、実用的な射撃照準器の開発。兵員の実射撃訓練の充実。八木秀次博士・高柳健次郎博士などを重用して、電探(レーダー)の早期開発。出来得れば、電探連動射撃の実用化、などは必須だろう。そして、此等を(電探連動射撃を除き)昭和16年の早い時期迄に=装備化を実現しておけば、航空母艦同士の海戦に於いて=航空攻撃の阻止を「史実」より容易に出来る可能性は大。
 さて、この「妄想軍事提言」=賛否両論(否がほとんどか)有るだろう。だが、様々なシミュレーションを試みる事は、重要だと考える。
              杉岡宗春

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