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妄想軍事評論 「 航空−巡洋艦・戦艦=考察 重巡洋艦 利根型&最上&伊勢型を考える」 〜 杉岡宗春

 偵察・索敵を目的として、より多くの航空機(水上機)を搭載−運用した ”重巡洋艦“ 利根型=利根・筑摩 と “ミッドウェー海戦” で損傷した後=改装した ”航空巡洋艦“ 最上(最上型)、そして航空戦艦という“異形” の改造を施された 伊勢型戦艦 を考察してみたい。

 「重巡洋艦 利根型=考察」
《艦形》  20.3(8インチ)連装砲 4基8門 を艦橋前部に集中配置した、特異な形状。その結果としての広い=後部水上機運用スペース。ただ、駐機スペースの段差は=設計ミスと断じて間違いない。※後の改装された ”最上“ の様に、平坦な駐機場とすべきだった。
 《主砲》  軍縮条約の重巡洋艦搭載砲の上限=散布界に問題を抱える(命中率が悪くなる)8インチ(20.3cm)砲 に拘る必要は無いと、僕は考える。対空・対艦を考えれば、初速・発射速度が速く−散布界も良好な =(初期計画通りの)15.5cm砲搭載がベターだろう。建造計画時で有れば、より大口径で威力大な 砲 を開発搭載するか−ドイツから、28.3cm砲を導入して建造する手も=もはや巡洋戦艦・ポケット戦艦だが。
 《運用方法》 戦艦同士の艦隊決戦に於いて、前方に進出し−搭載する水上偵察機により−敵艦隊を発見する目的で、利根型は建造されたが−−敵艦隊の索敵に必要とする 偵察機 の数は=少なく見積もっても、(二段索敵として)20機前後は必要とする。という事は、最低−重巡6隻が必要(搭載機・カタパルト=ノントラブルで−2機づつ、4機射出想定=利根型2隻・古鷹型除く、他型=水上偵察機3機搭載として=重巡4隻)。これは、18隻保有と言っても=広い太平洋(&インド洋?)の多方面に派遣しなければならないので、現実的では無い。小型空母からの、艦上偵察機を以って−索敵する方が、妥当=より現実的−と考える。鈍足の水上偵察機では、史実が=そうであった様に、敵戦闘機に撃墜される確率が高い 。 ※艦載水上機の考察は別稿にて。

 「航空巡洋艦 最上=考察」
 《艦形》航空巡洋艦としての問題は−射出カタパルト2基では=水上偵察機−最大11機搭載のメリットを効果的に発揮出来ない事だと−考える。4基あればベスト、しかしスペース的に難しいか。 だが、一番の問題は=そもそも=航空巡洋艦という艦種が必要なのか。改装された−ミッドウェー海戦後=という時期に−真に必要としたのは=防空巡洋艦で有っただろう。であれば、主砲を−15.5cm砲に戻し、電探(レーダー含む)対空兵装を強化した=防空巡洋艦とするのが 正解 だったと−考える 。 ※その場合、前部3基・後部2基の主砲塔のうち、後部4番砲塔を撤去し=航空機運用スペースを拡げ、搭載機数を増やす手も有る。
 《運用方法》航空巡洋艦として考えても、水上偵察機では無く、防空用に「二式水上戦闘機」弾着観測用に「零式水上観測機」を搭載して運用した方が、航空母艦が随伴しない艦隊の−防空に、微力では有っても=役に立つだろう。史実の レイテ沖海戦 に 栗田艦隊 の1隻として参加していれば、艦上(陸上)戦闘機を搭載し、迎撃(カタパルト射出)戦闘後−ルソン島の航空基地に退避する−収容不可なので−という運用も可能。※迎撃戦闘機の絶対数が足りないので、戦闘では=敵機撃墜は目標とせず、急降下爆撃・雷撃の正確な照準を邪魔するだけで良い。

 「航空戦艦 伊勢型=考察」
 《艦形》ミッドウェー海戦後 → 前・中・後部=2基づつ、計6基12門の「主砲=14インチ(35.6cm)」のうち、後部2基の主砲塔を撤去し、替わりに「航空機格納庫、エレベーター、射出カタパルト」を設置。その特異な形に ファンも多いが、兵器で有る以上=役に立たなければ、存在価値は無い。航空戦艦の存在意義を別にしても、この艦形では=中部−3・4番砲塔の射撃方向が制限される(でっかい後部格納庫が邪魔をする=元々、中部主砲塔は射撃方向が制限されているが)。 格納庫は、3・4番砲塔を撤去して、そこを設置場所とする方が良いと考える。 が、やはり=防空戦艦とするべきだっただろう。その場合は、3・4番主砲塔&舷側の14cm副砲を撤去し、替わりに=高角砲・機銃・対空ロケット砲(発射機)等を装備。 ※レイテ沖海戦を持ち出した、ついでに−−栗田艦隊に「防空戦艦仕様の、 或いは=僕の妄想航空戦艦仕様(運用は妄想 最上 に準じる)の 伊勢・日向」を。 小沢艦隊に、これも「防空戦艦仕様(=副砲・水上機運用装備−撤去、対空兵器増備)とした高速戦艦 金剛・榛名」を。 その方が、役にたった−可能性が高いと考える。 
 ☆※戦艦の考察は、改めて=別稿にて。
 

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