見出し画像

秋葉原超同人祭備忘録

 この度、メロンブックス(同人誌や同人グッズなどを取り扱っている書店の1つ)の主催する「秋葉原超同人祭」というイベントに参加した。サークル側、一般側の参加者双方の視点から見ることができたので、忘れないうちに記録を残しておく。


コミケ95_2

私の主宰するサークルと書店委託の利用について

 私はコミケで言うと「鉄道・旅行・メカミリ」に分類されるジャンルで同人誌を書いている。具体的には「青函連絡船」という鉄道連絡船の情報まとめ本や青森・函館の旅行ガイドなどを作っている(活動のメインは創作なのだが、こちらは書店委託をしていないので、今回は説明を省かせて頂く)。

 自分が作りたい本を自由気ままに作っているわけだが、「書店委託できそう」な本は書店委託する前提で作っている。「書店委託できそう」の基準は「自分以外の人の多くにウケそうな本」「書店の店頭に確実に並ぶであろう本」だ。そういう本は商業誌の版組の研究をしたり、書店の店頭に並んでいるサブカル同人誌の表紙の傾向を調査したりする。ぶっちゃけ売り切っても利益はほぼゼロなのだが、売れなければ大赤字である。店頭に並ぶことを目指すのであるから、それなりの部数は刷ることになる。どうせ刷るなら売り切りたい。

画像3

「書店の店頭に並ぶ」を基準にしているのは、最初に書店委託した際に通販のみの取り扱いとなり、全然売れなかったからだ。50冊委託したが売れたのは1冊だった。長期的に頒布していく予定で、在庫を抱えても問題ない本であったからよかったが、だいぶ反省した。ドマイナー過ぎてもダメであるし、装丁・版組にかなり気を遣う必要があることが分かった。それからは書店委託を目指す本はできる限り工夫して書くことにしている。

 委託する書店は「メロンブックス」にお願いしている。これはメロンブックスがサブカル同人誌を「書泉」という書店に紹介してくれるからで、例えば鉄道系の同人誌だと神保町の書泉グランデの6F、鉄道書籍フロアの一角に在庫の一部が並ぶことになる(※店舗は秋葉原にもある)。書泉に同人誌を置いてもらうことは私にとって憧れであり、これが委託する書店の決め手となった。


進捗_12

秋葉原超同人祭のサークル参加(参加決定まで)

 「秋葉原超同人祭」の開催は、6月上旬にメロンブックスから募集案内が来て知った。ちょうどそのころ私は「書店委託できそうな」本の原稿を抱えており、いずれ委託しようと考えていたところだったので、渡りに船だった。募集期間の初めの方は特設サイトの情報が充実しておらず、主に「サークルスペースがもらえること」「自分のスペースを飾り付けできること」「期間中の手数料が10%になること(※通常は30%)」「エアも同時開催すること」しか分からなかったのだが、新刊は用意できそうだったのでとりあえず申し込んだ。

 ほどなくして詳細が分かり、「1番小さいスペースに置ける本は2種類」であることが分かった。今抱えている原稿の本をたくさん刷って二山にしてもよかったが、出せそうな本があったのでもう1種類出すことにした。抽選で「本が2種類置けるスペース」「4種類置けるスペース」「5種類置けるスペース」に割り振られることが分かった。自分が「2種類」以外のスペースに割り振られることはないだろうな…と思ってはいたものの、念のためバックアップでグッズを作っておくことにして、原稿を進めた。

はまなすタオル_1_s

 当選発表は7月3日、二次募集もあったのでスペース番号の発表が7月11日だった。私は3回開催されるうちの1回目の期間に配置となった。首尾よく当選したものの、スペースの大小が分からないとどれだけ発注すればいいのか決められないため、かなり気を揉んだ。実際、スペース番号発表の当日にはスペースの大きさが分からず、検索した限りでは他の方も気にしていたようだ。数日後に連絡が来て、私は1番小さいスペースであることが分かった。

 もう1つ気がかりだったのは、「自分のスペースを飾り付けできる」という情報の詳細に関してだった。ポスターの大きさは知らされていたが、どのように掲示するのか?何かスタンドのようなものを送った方がよいのか?スペースの大きさの連絡の少し後になって、「ポスターを展示するスペースは店側で用意する」ということが分かり、詳しくは分からないが持って行くのはポスターとテープだけでよいことが判明した。


画像5

秋葉原超同人祭のサークル参加(前日準備)

 事前にポスター原稿を送ったり、ポスターそのものを送るという手段もあったが、同人誌の原稿の進捗が超ギリギリだったため用意できず、前日準備に直接参加することにした。私のスペースはB5を縦に2枚つないだ大きさまでのポスターが掲示できることになっており、印刷所用の原稿を作るのがめんどくさかったのでB5の紙を2枚つなげ合わせて自宅で作った。昨今の情勢から、自分がサークル参加するのは久々だったので、ちょっぴりワクワクしながら秋葉原に足を運んだ。

 会場はメロンブックス秋葉原店の5Fイベントスペースであり、入る際に非接触型の体温計で検査と、手のアルコール消毒、スペースの確認があった。実際のポスターの掲示の方法は上の写真の通りで、金網(網…?)に留めるというやり方だった(頭いいなと思いました)。自分のサークルや他のサークルさんの本が机の上に積み上げてあり、ポスターも並んでいて、「来てよかった…」と感じた。SNSなどに写真を上げてよいとの確認を貰い、写真を撮影してその場を後にした。


ポスター_3

秋葉原超同人祭の一般参加(エア)

 3日間開催だったのでどこかで実際の会場に行こうかと思っていたが、前日準備で少し疲れてしまったのでエアを利用することにした。リアル会場は10:00~20:00、エアは期間中は夜間もページが開いていたようだ。

 8月8日10:00にエアのサイトに接続して最初に出てきたのは「R18作品も同様に並んでいるので要注意(同じ文面ではないが、こんな感じの文面だったと思う)」という注意だった。「別になんてことないじゃろー(普段のメロンブックスのサイトの感じを想定)」とポチッた途端に明らかにR18の表紙がいっぱい出てきたので「なるほど……」となった。タグでジャンル分けされており、また、最上部に全てのタグが出ているわけではなかったため、R18の表紙を拝みながらタグをポチポチすることになった。

 支払いはクレカのみだった。おそらく注文確定→発送までの時間を短縮するためだと思う。実際、発送はすさまじく速かった。私は10:00過ぎに注文したが、昼過ぎにはもう発送連絡があり、翌日に届いた。すごい(ありがとうございます)。

 私が購入したのは旅行や評論、情報、鉄道といったジャンルの同人誌だったため、エアにものすごくたくさんの本が出ていたわけではなかった。それでも結構な冊数を買ってしまった(諭吉1枚くらい)ので、これ以上あったらヤバかったと思う。また、普段のサイトと違う「お祭り感」はあった。クレカが無ければ詰んでいたけど……。


画像7

秋葉原超同人祭の売上について

 秋葉原超同人祭の売上であるが、ぶっちゃけ全然売れていない。私は店頭用に20冊、エア用に10冊、通常委託(事前予約できる)に5冊入れた。このうち、通常委託は入れてから2日で完売した(ありがとうございます)。一方で、イベントで売れたのは店頭・エア合わせて3~4冊であった(手に取って下さった方ありがとうございます)。

 検索したところ、「イベントで出た数の1割」「通常委託の方が売れた数が多い」というつ呟きも散見できたので、弊サークルのようなサークルも結構いたのかなーと思う。イベント後の残りは通常委託に回るので、残ることを見越して納品したが予想していたより出なかったなーという感じである。

 おそらく、会場に足を運んだ層の求めていたジャンルとズレていたのもあるだろうし、エアの特設サイトが若干不便だった点もあるだろうし、事前にBOOTHの方で買って下さっていたということもあるかもしれない。ともあれ、2ヵ月ほどは通常委託に置くつもりなので、どうなるか観察していきたい。

 イベントであまり売れなかったことは売れなかったのだが、新刊が出せたことと、通常委託(事前予約)とBOOTHの出がよかったので私は割と参加してよかったかなーと思っている。書店側も手探りでやっている感じはあったが、またこのような機会があれば色々参加してみたい。

 企画・開催くださりありがとうございます(※秋葉原超同人祭の第2回と第3回はこれからです)。


ちなみに、在庫は店舗に絶賛移動中らしいので、弊サークルの本が気になる方はここ(BOOTH)から覗いてってください(宣伝)。


ここまで読んでくださりありがとうございました。

すぎおとひつじ