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アルゼンチンを倒せ!カギは「ジャッカル」:日本対アルゼンチン戦の見どころ(2)

 昨日は、全体のスタッツを見て日本(ブレイブブロッサムズ)とアルゼンチン(ロスプーマス)の比較をしてみた。

 今日はまた別の角度からスタッツを見てみたい。

 10月8日の日本対アルゼンチン戦はプール戦の最終戦。つまりこれまで、両チームとも対戦してきたチームは同じということだ。なので、同じチームと戦ったときのスタッツを比較してみると、日本とアルゼンチンの個性がより際立つかもしれない。
 両チームがこれまで当たってきた対戦相手は、イングランド、サモア、チリということになるが、今日はイングランドとの戦いを見てみよう。

両軍ともノートライで完敗

 まずイングランド。日本は12-34、アルゼンチンは10-27、お互いノートライ、ボーナスポイントなしで敗れている。アルゼンチンの時はイングランドに退場者が出て1人多い時間が長い中でのこのスコアでの敗戦なので、正確な比較にはならないが、スタッツを比較してみよう

 イングランドは日本にとってもアルゼンチンにとっても格上。つまり格上と当たったときにどのようなスタッツが出ていたか、ということになる。パーセンテージは、イングランドと比べてのそれぞれの数字だ。

         日本 アルゼンチン
テリトリー    39% 54%
ポゼッション   34% 50%
キャリー     324m  308m
オフロード    4   6
ラック成功    54  77
キック      37  21
ラインアウト確保 8/12 11/15
ペナルティ    6   13
タックル成功率  82% 85%
ターンオーバー  9  1

テリトリー・ポゼッションではアルゼンチンの方が高い数字

 まずはテリトリーとポゼッション。アルゼンチンは数的有利だった試合と言うこともあって、テリトリーでは54%とイングランドを上回り、ポゼッションは互角。一方日本は、テリトリーで39%、ポゼッションで34%と、はっきりと劣勢に立たされていたことがわかる。
 ただしキャリーの距離はほんのわずかに日本が勝る。これは、アルゼンチンと比べてボール保持の時間が短いにもかかわらず、その時間内に長い距離の前進ができていたことを表している。

 ラックの成功数はアルゼンチンが多い。アルゼンチンの方が地上でのキャリーが多いというのは昨日のスタッツでも出ていたので、蹴らずにボールを保持してラックでボールをつないでいたということだろう。
 ただし、日本と比べてキャリーの距離がわずかに短いということで、そうした攻撃が有効に行えていたわけではないということでもある。

イングランドのラインアウト対策の凄さ

 キックは日本の方が明らかに多い。面白いのはラインアウトで、双方ともに4回も失っている。日本は大事なところでラインアウトを取られ、選手たちもイングランドの対策に舌を巻いていたが、アルゼンチンに対してもイングランドは同じように有効な対策を取っていたということだ。これは日本やアルゼンチンがどうこうと言うより、イングランドのラインアウト対策が巧みだったということだろう。

 ペナルティはアルゼンチンが日本の約2倍の13。あの試合、イングランドがキックで点を積み重ねていったことを考えると、命取りになったペナルティだと言える。
 タックル成功率はほぼ互角。ターンオーバーは日本が圧倒的に多く9。アルゼンチンはわずかに1。なお、日本がイングランドに許したターンオーバーは2、アルゼンチンが許したターンオーバーは4。

攻略法は見えた。カギは「ジャッカル」

 こうしてみると、攻略法は見えてくる。アルゼンチンは、おそらくできるだけボールを保持しながら地上でつないでくる。しかし、ラックでターンオーバーは十分に狙える。
 反則を犯さず、ラックでチャンスをうかがい、隙があったら一気にターンオーバーを狙うということだろう。そこでカギになるのは、やはりジャッカルの名手姫野、同じくジャッカルの得意な坂手ということになるだろう。


ヴェルブリッツでプレーする姫野

 一方、日本の攻撃だが、これまで同様にキックで攻めてくるかはわからない。2019年も、キックで攻めると思わせておいて地上戦中心で戦うと言うことはあった。今回、これまでの3試合でキックを多用したことをエサにして、地上戦で仕掛けてくる可能性は十分にあると思う。これは試合が始まるまでわからないが・・・・。

 まずは積極的にジャッカルを仕掛けていくこと。そうすることでアルゼンチンのリズムを崩して戦えば、優位に立てる!

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