2024Jリーグにフォーカス⑧『 奈良の下川選手の退場と宮崎の2点目に関する判定に関して 』2024 J3 第29節 奈良クラブ vs テゲバジャーロ宮崎
1、記事にした経緯
この試合のMIPのアンケートに以下のようなリプが寄せられました。
フォロー数や投稿数を観ても捨て垢の可能性は否定できませんが、問題は、そこではなくて、どうしてこの方が、こういったリプを私に送るほど、怒っているのか。つまり、審判の安川 公規さんの判定に不満を感じているかということです。
本題に入る前に、J2とJ3の放送の態勢の違いについて触れておきましょう。
J2のDAZN放送に慣れている私からすると、J2だと実況と解説の二人体制ですので、今回の判定や抗議する理由に関する解説もしくは、推察が入る可能性が非常に高いです。
しかしながらJ3では、実況のみの放送で、どうしても起きた流れをそのまま受け入れて実況する傾向にあります。
他クラブの放送では違うのかもしれませんが、基本的にこの性質と注目度の観点から、こうしたジャッジへの冷静な意見が少なくなりがちです。
よってどうしても審判の方への不満は、どうしても大きくなります。審判の方も人間ですから、J2でも問題の大小問わず、こうした疑惑の判定は、どうしても生じてしまいます。
J2だと実況と解説のやり取りから、ジャッジの正当性に関する冷静な意見を聞くことができるので、審判のジャッジへの議論や意見も活発ですが、VARはなく基本的に判定は覆りませんので、冷静に受け止めてもJ2でも不満は消えません。
これは、J1と違いJ2とJ3のVARがないという特有の問題ではあります。
平均観客数と運営費の両面の資金的観点と、スタジアムもカメラの台数というハードの観点、そもそも審判数が足りませんから、J3のVARは現実的ではないでしょう。
導入されるとしたら、例えば日本の人口が増えて、JリーグのJ4を導入できるだけの観客数が入るようになるかですが、これも現実的ではないでしょう。
今回は、サッカー観戦歴10年以上と、素人ではありますが、この試合の終了間際の2シーンに対しての判定をどう解釈するか。なんとなくルールを把握しているという知識ではありますが、嫌でも多くのファールを観てきてますから、それなりの知見と感覚は勝手に身についていると、自分を信じて振り返りたいと思います。
本当は、プロの視点での解説があれば、ベストでしたが、私の見解で、ご容赦いただければと思います。
カメラワークの観点から結論は出せないですし、1人のサッカー好きの見解にはなりますが、どういった判断で、そのジャッジが出されたのか。という視点への考察という形で、この試合では、2シーンについて言及しようかと思います。
2、49番 下川 陽太 選手の2枚目のイエローカードに対しての考察
このシーンは、イエローカードが掲示されたシーンとその前後が、丁度映っていません。ですが、何故イエローカードが出たかは、推測はできます。
遅延行為で間違いないと思いますが、まずこの遅延行為と判断された理由として、恐らくこれは、ボールを持った49番 下川 陽太 選手が、ボールを持って歩いているだけで、近くの選手が、まるでファールだったような動きをしてますよね。
そうです。周りの奈良の選手が、受ける動きや準備もしていないですし、FKやGKであれば、これが良かったかもしれませんが、主審からの心象が悪かったのでしょう。
J2であれば、時間帯的にも受けて、前のスペースへ大きく蹴って時間稼ぎをしようとしますし、宮崎サイドもボールに対してのアクションをみせることになるでしょう。
しかし、このシーンを確認していると、このまま主審の方が吹かなければ、宮崎がスローインへのアクションや意識を欠いていたとしても、持てるだけ奈良の選手が持てるような雰囲気が、少し出ていますし、実際にそういう意図や空気を感じ取ってのイエローカードだったのでしょう。
このシーンも繰り返しになりますが、スローインで時間を稼ぐのではなく、大きく前に蹴りだして、前で時間稼ぎする方が、非常に効果的でした。
49番 下川 陽太 選手が、イエローカードを貰ってなければ、これもありでしたが、チームとしての退場への警戒感の意識の低さや時間稼ぎの判断という観点で、この奈良のチームとしての判断基準の方が問題に感じますし、あまり勝てていないチーム相応の隙とも言えるかもしれません。
レビューでは触れていませんが、私自身、宮崎に対しても対戦相手に対しても相応の隙を正直感じていますが、言葉を選んで、発信しています。
実は、ここのスローインの流れでは、退場者を出してしまった奈良だけではなく、宮崎にも甘さがあって、双方の勝利への意識の甘さが、奈良だけに悪い結果として、生じてしまった退場劇だと言えるでしょう。
そして、もう1つ、明言しておきたいことは、この主審の安川 公規さんは、49番 下川 陽太 選手が、2枚目だと認識していません。
つまり、何も考えずに、イエローカードを出した可能性が高いです。やっぱり、退場は試合を大きく左右しますから、このシーンであれば、恐らくイエローカードの前に早く始めるように促したはずです。
と、考えると奈良サイドも宮崎サイドも、審判の安川 公規さんの意識としても、甘さがあった中で、痛すぎる退場であったように感じます。
ただまぁ、繰り返しになりますが、奈良サイドは、大きく蹴りだして、前で時間稼ぎすべきでしたし、宮崎サイドも、このスローインを始める意識の低い流れに対して、アピールすべきだったでしょう。
そして、主審の安川 公規さんもイエローカードの選手をしっかり把握した上で、もっと注意を挟むなどして、1クッション置くべきであったと思います。
しかしながら、イエローカードの妥当性から考えますと、掲示されても不思議ではない奈良の周りの選手の動きだったと思っています。これは、どちらかと言えば、スローインを受けようとする素振りをみせない奈良の選手の遅延行為へのイエローカードの問題意識への欠如を代表して、49番 下川 陽太 選手が受けた形に近いと思います。
こうした何気ないプレーを取ってみても流れが変わるジャッジに繋がる怖い競技だと改めて感じますね。
・補足記事
次は、最後の宮崎の2点目のジャッジについて語りましょうか。
3、宮崎の2得点目の同点ゴールを巡るジャッジに関しての考察
このシーンに関しては、3つのポイントに対して触れたいと思います。
①奈良の選手はどのプレーに対して抗議されていたのか?
②この得点はファールだったのか?それとも認められるべき得点であったのか?
この2点に関してですが、宮崎のGKの55番 青木 心 選手が、奈良のマークに付いていた選手と奈良のGKである96番 マルク・ヴィト 選手を巻き込んで「意図的に」倒したように見えてしまうプレーに関しての抗議であったのだろうと予想できます。
失点直後に、96番 マルク・ヴィト 選手が飛び出して猛抗議してますし、プレーの意図として落下点へのアクションを起こそうとしていましたので、守備の何らかのアクションを起こせた可能性もありますが、落下点に少し遠く離れた地点での交錯でしたので、見逃された可能性もあります。
ただ、これが、意図的に起こされた交錯であれば、55番 青木 心 選手のプレーは、ファールとなり、ゴールは認められないでしょう。
しかし、55番 青木 心 選手の流れを正当化する観点で捉えると、落下点に入る競り合いの中で、「奈良の選手に押されて」そのまま吹き飛ばされて、奈良の選手を巻き込んで倒されたとも解釈できます。もしくは、一緒に倒れた選手に引っ張られた形になったとも解釈できますね。
それであれば、このシーンは、ノーファールで、奈良の選手の自爆という形になります。ただ、逆に意図的に55番 青木 心 選手が、ラグビーのタックルのように突っ込んだのであれば、ファールですし、危険なプレーですから、下手すればイエローカードの対象になっても不思議ではありません。
しかしまぁ、プレーの観点から言えば、進路を阻むとしてもコースに入るだけでも十分ですし、GKの55番 青木 心 選手は「好位置から」フェードアウトする形になってますから、この倒れ込むプレーの前に、何らかの接触があったと捉えることも自然な見方と言えそうです。
ただ、実際のDAZNの映像だけではなく、どちらであったかの判断材料が足りないというのが正直な所です。
どちらに捉えても不思議ではななかったというのが、私の見解になりますが、双方の立場から、双方の立場に有利に捉えがちになりますが、私が本稿を公開した狙いとして、どうしてこのジャッジが起きたのかに関しては、結論ありきで語るのではなく、可能性を考慮した上で、お互いに慎重にSNSで発信して欲しいと感じたからです。
ジャッジの理由が不明であれば、やはりお互いに気持ち悪いので、可能性を検討する中で、冷静に判定やプレー、結果を受け止めてサッカーを観ていく重要性は、サッカーを楽しむ上で感じています。冷静さを意識しつつも、喜怒哀楽ではなく、現代に即した熱い情熱のような喜檄哀楽の精神で、頭と心でサッカー観戦を楽しんで欲しいと私は考えています。
「プロの言葉しか私は、受け入れられないし、認められない。」という方もいらっしゃるかもしれません。実際に、私の意見は素人の意見ですから検討違いかもしれません。しかしながら、そもそも、そのプロのジャッジに対して、間違っているのではないかという意見が出ていて、不満や怒りという感情が生じているのですから、そこに対して、何故そうしたことが生じるのか、問題になるのか、冷静に考えることも大事なことであると、私は感じています。
VARの導入が理想ですが、現実的にはゴール脇に審判の方を置く形の重要性も感じる所ではありますが、やはり審判の方の不足や環境を整える部分が、資金的にも厳しい面があるので、一番は、そうしたシーンを少しでも減らす攻撃と守備をしていくことが、現状の一番の問題解決策であると思っています。
さて、残る1点の疑問ですが
③31岡田選手へのイエローカードは、どういった理由からであったのか?
という点ですが、31番 岡田 優希 選手が、どの選手であったのかを含め、私は3つのケースを考えました。
1つは、シンプルに過剰の抗議であった可能性ですが、他の選手も多く抗議していた訳ですから、何故代表して31番 岡田 優希 選手が、イエローカードを掲示されなくてはならなかったなので、理由としては弱い所はありますが、否定もできないでしょう。
2つ目と3つ目のケースですが、55番 青木 心 選手を引き込んで倒したことが1つと、もう1つは、押して倒したのどちらかが理由で、31番 岡田 優希 選手のプレーが危険。もしくは、好位置から遠ざけたことでの決定機阻止という理由からのイエローカードです。線審から進言されていますので、どちらかを認識できていた可能性もあるでしょう。もちろん、1のケースで、過剰な抗議で、看過できない事象が生じたことによる進言の可能性ももちろん否定できません。
私は、主に3つのケースが考えられましたが、審判の方に声をかけられた際に、納得していた部分はあったので、自覚があって納得したのか、気持ちを切り換えて、冷静さを装ったのかどちらかでもあるとも感じます。
ただまぁ、正否はともかく、受け入れて、再勝ち越し。もしくは、勝ち点1は死守しないといけないですから、プロとして最後までやり切る姿勢を表情から示した点は、イエローカードを受けてでも奈良の選手としての意地を感じました。
4、難しいジャッジを避けるプレーも強さ
多くの際どいジャッジが多くなって、勝ち点を逃しているということは、つまり自陣でのゴール前のプレーが多くなっていることの裏返しであると思っています。
強いチームは、前でのプレーが多く、前でのファールが多くなりがちですから、基本的にジャッジに泣かされるチームは、押し込まれていることが多いです。しかし、もちろん、オフサイドでの得点取り消しや厳し過ぎるジャッジという誤審も中にはありますから、一概には言えませんが、基本手に強いチームは、自陣でのプレーが少なく、敵陣でのプレーが多い傾向にあります。
もちろん、怪しいジャッジに対しては、時には声をあげるべきですし、時には、Jリーグに意見書を提出することも1つの意思表示の形でしょう。
しかしながら、岡山を応援してきた私からすれば、山形戦でのルール適用ミスという誤審により、試合の大半が無効なって、勝利と選手の得点が公式記録から消えての再試合となったことを経験しており、正しいジャッジに近いジャッジが、カテゴリー問わず吹かれることで、Jリーグ全体のレベルが上がって欲しいと心から願っています。
私の未熟な見解で、納得のできない部分もあるかもしれませんが、判定に対して、参考になった視点が、もしあったのであれば、嬉しく感じますし、もし参考にならない。間違っているという場合も甘んじて受け止めて、今後のサッカーを観る上での視点として、勉強していきたいと思っています。
後は、リプを下さった方に関して、一言申し上げたいことは、審判のジャッジやチームの課題に対して言及すること自体は、正しいアプローチや主張での意見であれば、サッカーを語る上でのコミュニケーションに繋がりますし、自身の見識を深めることができるでしょう。
そういった意味で、私や他の方に対して、皮肉に聞こえるような表現で、伝えるのではなく、シンプルに意見できるような雰囲気で自身で投稿から作っていくという感じに、もっとSNSで、上手く活用して、問題提起していただきたいと感じました。
改めて「貴重なリプを有難うございました」と、伝えて、今回の考察を終えたいと思います。
最後まで読んで下さりありがとうございました。
文章=杉野 雅昭
text=Masaaki Sugino
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