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買収する側の人が絶対にわからないこと

ガイアの夜明けというテレビ番組で、ドン・キホーテの特集をしていました。
安さの殿堂という看板やドンドンドンキーという歌が流れているあのお店です。

店舗での売上だけでなく、買収をして大きくなった企業としても取り上げられており、最近買収した「アピタ」というスーパーの立て直しについてクローズアップしていたのです。
「アピタ」の立て直しをすることになったのは、「アピタ」と同じようにドン・キホーテに買収された「長崎屋」の元社員でした。
上手い人材配置だな~と感心しながら見ておりました。

買収された企業の気持ちは、どんな上手い説得をしようが買収された企業の中の人にしかわからないからです。
買収する側がいくら今後の売り上げの絵空事、感動的なストーリーを語ろうとも、買った側という絶対的な立場があるので、買われた側の気持ちを汲むことはできないのです。共同出資ではないのです、買収なのですから。

買収された側は、する側の言動一つ一つに注目しています。
した側の人間がされた側の人間にどんな仕打ちをするのか。
今までのやり方をどのように否定してくるのか。
する側はされる側をどれくらい下に見てくるのか。
される側にとってどれほどのストレスが与えられるのか。
する側がどれだけ気を付けていても、ほんの少しの言い間違い、うっかりミスをしようものなら忘れることなく根に持ちます。
企業買収とはそのようなものです。

そのような関係の中で、売り上げを伸ばしていく、買収した以上に利益を上げていくことはよほどの用意周到でなければできません。

先に挙げた「長崎屋」の元社員の人も、ドン・キホーテに買収され、運営方法が長崎屋流からドン・キホーテ流に変わっていく様子を長崎屋の常連さんにとても寂しがられたと話していました。
とても寂しがられたにも関わらず、モノは売れていくのです。
なんで自分はそこで働いているんだろう?ということを考えずにはいられませんが、その経験が「アピタ」を再建するときに役立つのですから、感情に流されずに粛々と経験値を積むことの大事さを感じます。

人生は長いし、自分の想像通りにいくことはないけれど、きちんと積み重ねた先にはしかるべき役割が目の前にやってくる、そのような放送でした。

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