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全ての情報は意図的に作られている

SNSで誰もが情報発信でき、新聞やテレビに限らず
フリーペーパーやウェブメディアも果てしなくあるのが
当然な時代に生きる僕ら。

“デザイン”や”編集”の現場で情報発信に携わってきた中で
情報を集めるときに気をつけていることがあります。
いろんなニュースに振り回されそうになる今こそ
誰もが知っておいた方がいいと思うので「情報を見る時の心得2つ」を書きました。
ぜひ、読んでもらえると嬉しいです。


1.全ての情報には編集者がいる

SNSでも、マスメディア(新聞・テレビなど)でも
流れてくる情報には全て、編集している人がいます。
そしてその奥には依頼主(スポンサー)がいることもあります。
ということは必ず「伝えたい結論」があります

その伝えたい結論へ向かって、情報を組み合わせて読者を導いていくのが、編集です。
そういう時は、でき試合というか、「読み手にこういう感じて欲しい」という意図を持って、届けられていることが多いんです。
(もちろん、事実をそのまま提示するスタンスのメディアもあると思います)

依頼主や編集部がよっぽどやばい人でない限り
その視点に悪意はありません。

でも、視点が変われば善悪の立場は変わるもの。
例えば、同じ「環境保護」という視点からある情報を見た時に
「動物の生態系の保護」と「自然環境の保護」では、真逆の意見になることもある。
というお話を聞いたことがあります。

世のため人のためと思って発信している情報も
間違っている可能性もあれば(SNSなど個人発信のものは特に)、反対意見がでる可能性も大いにあるんです。


「全ての情報は誰かの意図で編集されている」
この意識は情報収集する時に大前提で持っておくべきだと思います。




もう1つの心得は、そんな編集者たちが持ってしまいがちな
危険な視点についてです。


2.編集者は「他でやってない切り口」で紹介したい

情報編集の基本は「客観的な事実を載せる」です。

「専門家の〇〇氏はこう言っている」
「政府はこういうデータを提示している」
「我々の実験ではこういう結果がでた」
こういう書き方を見ることが多いと思います。
主観的な感想や所感を書くのはNGなことが多いんです。

ここで意識しないといけないのは、「客観的事実が、必ずしも真実ではない」ということ。
真実かどうかを見極めるのはその分野の素人には不可能に近いので
誰かが言ったことやデータ、実験結果など、第三者的な事だけを載せているのです。

でもその上で
事実だけ載せていては、どのメディアも同じになってしまいます。
仕事として情報発信している以上
死ぬほどあるメディアの中から選ばれて読まれなければいけません。
そのため、正しい情報であると同時に「独特の切り口」であることが求められます。

「独特の切り口で選ばれなければ...!!」という気持ちがいきすぎると
・何の専門家でもない目撃者の意見を大きく取りあげる
・本筋に関係ないゴシップで叩く
・世間を煽るような言い方をする
というような方向性になっていくんです。


「他でやってない切り口でやりたい」という意識を各メディアが持っていると思うと、
1つの情報に一喜一憂せず、「このサイトはなんでこういう言い方するのだろう?」「他のメディアではどうだろう?」と考え、もう一歩深く調べると別の意見が出てきたりします。



「真実」かどうかなんてわからない。「事実」から各自判断するしかない

結論、これしかないと思います。

全ての情報が、誰かの意図によって、編集されている以上
どれが真実かなんてわかりません。

そもそも、未知のウイルスにどう対抗したらいいかなんて、今の所だれにもわからないし
専門家の人たちが寝る間を惜しんで導き出してくれた仮説であっても
間違っている可能性もあるのです。

結局、「ここにはこう書いてあった」「あの人はこう言っていた」というのを鵜呑みにせず、沢山積み重ねて、一人一人が自分なりに情報編集していくしかないのだと思います。


情報の編集と発信はあなたもしていること

ここまで書いてきた「情報収集の注意点」はそのまま「情報発信の注意点」でもあります。

・愚痴を慰めてほしくて話し出した
・おもしろくするため大袈裟な言い方でSNSに投稿した
そんな経験はあるのではないでしょうか?

何かを話したり伝えたりする時、そこに意思があるのはしょうがないことです。

なのでその正しさというよりも
「この情報を発信することでどんな影響が起きるだろう」
「どんな印象を与えるだろう」
とちょっと考えてから、発信することを心がけていきたいと思います。

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