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お話と手紙

私は人と話すことが昔からとても苦手だ。
自分の頭の中で描いていることを瞬時にその場で上手く伝えられず、「あの時こう言えばよかった」と後悔してしまうからである。
そのせいで誤解されたり相手を傷つけてしまうことは、多々あった。
また日によって話せる日と話せない日があるので、よく友人・知人から驚かれる。

大人になってからは特に、誰かと話したりする時に考えることが多くなった。
「相手を傷つけていないだろうか」「周りの空気を読めているだろうか」「挙動不審ではないだろうか」
そこまで周囲は自分のことを気にしてなどいないと思うが、自分の一挙一動が相手を不快にさせていないだろうかと常に考えてしまう。

それならばいっそのこと、友人も恋人も作らずにずっと一人でいた方が楽なのではないかと考えたことは何回もあった。
我ながらなんて生きにくい性格をしているのだろうと、いつも思う。
きっとこれは一生付き合っていかなければならないものなのだろう。

そんな非常に面倒くさい性格をしている私だが、自分の気持ちを伝える手段としてよく用いていたのが、手紙を書くことだった。

昔母に怒られた時、手紙で謝罪したことがある。
母からは「直接伝えろ、まどろっこしい」とさらに怒られたが、伝えたいことは伝わったようで、最終的には和解することができた。
他にも友人と喧嘩した時、普段は照れ臭くて言えないが感謝の気持ちを伝えたい時など、手紙はとても役にたった。

手紙は凄い。何回でも言葉をやり直すことができる。
おまけに筆跡や行間からも、その人がどんな気持ちで手紙を書いたのかも分かるのだ。
メールが普及している現代ではあまり馴染みがないかもしれないが、これほど相手に気持ちを伝えるのに便利なツールはないと私は思う。

大人になった今でも直接言いにくいことがある時、とても重要なことを伝えたい時、どんなに近しい相手でも手紙を書いて送るようにしている。
賛否両論あるだろうが、これが「直接話して伝えるより、手紙の方が伝わりやすい」という私のやり方。

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