1年間服を買わないで過ごした私に訪れた驚愕の変化について ①

1年間服を買わないで過ごした私に訪れた驚愕の変化について ①

 時は2015年3月6日に遡る。

 転職を6日後に控えたわたしは、企画していた書籍の引き継ぎを行っていた。同席者は、スタイリストのにしぐち瑞穂さん、そしてわたしの後任の編集者・Iさん。

 ふとそのなかで、にしぐちさんの洋服選びについて話題が及んだ。にしぐちさんは、いつお会いしてもおしゃれで、自分のスタイルを貫かれていて、わたしのあこがれの女性である。

 その秘訣は?どうしたらそうなれるんですか?わたしはこの歳になっても、まだ買い物に失敗してしまうんです。わたしはマシンガンさながら、にしぐちさんに質問した。

 にしぐちさんはちょっと考えて、教えてくれた。

 彼女にも、毎日買い物していた時代があったこと、スタイリストという仕事がら、その自分の行動を不思議に思ったことは一度もなかったこと、そして一念発起してから、1年間あることに気をつけて過ごした結果、失敗せずに洋服を選べるようになったこと――。

「具体的に、何をしたらいいんでしょうかっ。」

身を乗り出したわたしに、にしぐちさんは3つの方法を提示してくださった。 

①1年間女性誌を買わないこと 

②1年間服を買わないこと 

➂コーディネートを毎日記録すること 

 「そうすると、本当に大切なもの、好きなものがわかるんですよ。しかもね! そうやって大好きなものしか身に着けなくなると、人からプレゼントされるものも、すべて自分が好きなテイストのものになるんですよ! いいでしょう?」

 そこまで言われたら、やるしかなかった。

 とはいっても、自分の置かれた状況的に全ては無理だ。さすがに➂はフルタイム+子持ちで働く身には難しく、①もわたしの仕事には厳しい(パブリシティとかあるし情報あつめにやっぱり読んだ方がいいからね…)でも②ならできるんじゃないか……。

 好奇心の強さとフットワークの軽さは、わたしの数少ない長所である。この打ち合わせがあった2015年3月6日から、2016年3月6日まで、わたしは服を買わないことを決めた。


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杉田千種

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83年東京生まれ。編集者。月刊漫画誌の部署で働きつつ、自分より更に不規則な生活をしているテレビディレクターの夫と、6歳の映画マニアの息子を育てています。特技は手土産探し、苦手なことは家事全般。日々のワインが癒し(でも2020年1月より平日禁酒中)。趣味は「着る」こと全般。