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アフターコロナ時代のエンプロイヤーブランディング


2011年の大震災と、2020年のコロナショックで、僕らはそれまであたりまえだと思っていたものが、そうではなくなる日が来ることを知りました。

「VUCA」が机上の言葉ではなく、リアルな今の世界だと痛感した僕らが、生きていく上で多くの時間を割く「仕事」という存在に求める価値は間違いなく変わる。

そう感じています。

これまでも、今の20歳前後の方と話してると予兆は充分にありましたが、世代がより上の層にも拡大して、予兆は確信に変わる。

そして働く場を選ぶ選択基準は、「働く意味」基準に大きくシフトしていく。

世界がどうなるか分かりません。企業が存続するかどうかも分かりません。そうした中でもキャリアの考え方も短期目線が強まっていくと思います。

長期目線の考え方がなくなるわけではありませんが、その対象は「外部要因に左右されるもの」は除かれていくと思います。

その中でキャリアはどうか?企業選択はどうか?

これはあきらかに、「外部要因に左右されるもの」です。

アフターコロナ時代の長期目線での投資とは何か

それは「習慣」です。習慣によって貯めるのはライフシフトでは無形の資産と呼ばれていたもの。

・生産性資産(知識やスキル、仕事仲間)
・活力資産(友人やコミュニティ)
・変身資産(姿勢やマインド、多様なネットワーク)

学び続ける。人とのつながりを大切にする。1人ひとりの個人として、こうした無形資産への長期投資はより重要になり続けます。

1日1日をとヌルっと生きないことを、より大切にする人がこれから増えていくんじゃないかなーと思います。

ではキャリアや仕事はどうか

仕事選択の視点においては、大切なことは「今見えている範囲で何を得られるのか?」ということになります。

10年後に海外に行けるかもしれない。

10年後にひとつのプロダクトを任せてもらうんだ。

10年後にチームのリーダーになるんだ。

そんな希望をもたせつつ、足下では色々なことを我慢しては働くような志向は、今後はもはや存在しなくなっていくものと考えた方がよいのでしょう。

不確実性の高い会社という名の「機会を生み出す装置」に、長期目線でリターンを求めることは不合理でしかありません。

つまりはジョブ型雇用への強制シフト

より短期に、見えている時間軸の中で自分が何を得られるか。

それを考えると、ある程度の方向性を定めて深ぼっていく専門性の高さを持つ方が合理的だと考えられます。

メンバーシップ型の雇用では短期成長はイメージしにくいので、必然的に「ジョブ型雇用」のニーズが一層高まっていきます。

キャリア採用においては当然、そうしたマッチングが中心ではありますので、新卒採用が大きく変化していくのだと思います。

何が変化していくのか。

「ジョブ型雇用」になっていくということは、学生生活の中で方向性を定めなければならないのでビジネス系職種においては長期インターンシップが必須になってきます。

そしてマッチングが掛かればその時点でオファーをだしていく企業も増えていくでしょう。日本型雇用(定期一斉採用)はパワフルな仕組みなので、無くなることはないですが、僕はここの比率が大きく変わっていくのだと思っています。

ジョブ型雇用で求められる「エンプロイアビリティ」

ジョブ型で雇用される人が企業に求めることは、その領域で本人が価値発揮をする環境があり、対価を期待できることです。

対価とは金銭的なものもありますが、より重要なのは「機会」です。

スキルを磨く機会、人的ネットワークを深耕する機会、より難度の高い経験を得る機会、など。

機会を通じて得たいものは何かと言えば「エンプロイアビリティ」です。雇用され得る能力のこと。長期で個人視点での安定性を確保するための力です。

雇用を通じて、安定(のようにみえるもの)を得るのか。

機会を通じて、安定性を確保する力を得るのか。

選ばれるのは後者です。企業側は「3〜5年という時間軸で機会提供ができているか?」が死活問題になってきます。

「石の上にも3年、だからがんばれ」という謎理論は淘汰されていくだろうなーと感じます。

より重要性を増す「エンプロイヤーブランディング」

前提とする時間軸が短時間化するからといって、一つの企業に長くいたくない訳ではありません。

ここを見誤ると結構つらいなーと感じています。

コロナショックで景況感が不安定だから、大企業志向、安定志向が強まってます。そんな風に言われます。

企業側がそれを真に受けて、過去と同様の姿勢でいれば、「個々人のキャリア視点での短時間化」に適応できません。短期目線でのエンプロイアビリティ向上が望めなければ、去っていく傾向は強まると思っています。

そこで働く意義を見出せるのであれば働くし、例え1度辞めたとしても、タイミングが変わればまた戻ってくる。

労働人口現象の局面においては、1回目のカムバックどころか、今後は2回3回というのも珍しくはなくなると思います。

だからこそ、「働きたい会社」であり続けるということが大切なのです。

働きたい会社の第一要件は「エンプロイアビリティを高められること」と述べましたが、前提条件に「働く意味づけができる」ことがありす。

つまり、その会社に所属することで得られる社会的な存在価値です。

その価値を一貫してお届けして、求職者の頭の中に連想を作ることが「エンプロイヤーブランディング」の役割です。

先行例としてのダイソンやテスラ

コロナショックが世界を揺るがすさなかに、ダイソンがわずか10日で人工呼吸器を設計して生産に移しました。テスラは無料で世界に人工呼吸器を提供しました。

スピード感を含めて、これは企業の姿勢を端的に感じられる行動です。

ブランディングが目的の行動では無いと思います。ただ、一貫した存在価値のもとで体現された行動なので、強烈なブランドイメージを形成するニュースとして世界に報じられました。

これこそがアフターコロナ時代のエンプロイヤーブランディングの型だと感じます。

「ミッション起点」のブランディング

つまりどういうことかというと、「ミッション起点」で一貫した意志・行動を体現し続けることによって「所属したい会社」のイメージをつくっていくことだと、僕は思っています。

採用領域におけるブランディングとは、ともすれば小手先ですまされるケースも少なくありません。

目を引けばいい、印象に残りさえすればいい。

そんな一時のキャンペーン的な活動は、アフターコロナ時代のエンプロイヤーブランディングにはならないと思います。

正確にいうと、求職者側から何も魅力として受け止められないですし、誤ったイメージは早期離職にそのままつながります。

やらなければいけないのはミッション・ビジョン・バリューから落とし込んだ一貫性のある「らしさ」の言語化であり、その表現であり、その伝達です。

その活動全てが「エンプロイヤーブランディング」なのです。

そして、求職者側からしてみれば、

その「らしさ」が求職者に伝わっていて、
実際に会った人から「らしさ」を感じられ、
具体的なエンプロイアビリティを高める機会を明示されている

状態であれば選ばない理由はなくなります。

まとめ

そろそろ長くなってきたのでまとめてみますと…。

・働く場は「意味付け」できるかで差別化される
・短期目線のエンプロイアビリティ重視
・ゆえのジョブ型シフト
・新卒採用では長期インターンが主流化
・ミッション起点のブランディングが大事に

というところでしょうか。

ミッション起点のブランディングの具合についてはまた書こうかなと思います。ただこのフェーズに入ってくると具体施策は各社各様になります。

なぜなら「らしさ」に立脚するからで、それにより規格の幅は無限大に広がっていきます。

ところで・・・。これを「人事」と呼ばれる領域だけで達成できるのでしょうか?

仕掛けていくためには、「人事組織のあり方」から変える必要があります。このあたりはまた整理したいなと思います。

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3社でエンプロイヤーブランディング / PeopleAnalyticsから人事のDX推進 / 趣味は組織開発 / 慶應SFC→メーカー→ベンチャー→再び大手メーカー / 育児(5才)と仕事の両立を模索中 / 関心は社会心理学と進化心理学 / 企業のジェンダーギャップつぶしたい

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