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短編小説から見る社会

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菅原ゼミで読んだ短編小説の書評を順次掲載していきます。書評は全てゼミ生が書いています。授業期間中の毎週末ごろ更新です。  ※ネタバレありですので気になる方はお気をつけください。
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#映画

『ゼイリブ』映画評(2)(評者:北川結衣)

『ゼイリブ』映画評(2)(評者:北川結衣)

『ゼイリブ』映画評(ジョン・カーペンター監督、1988年)

評者:北川結衣

 知らない間に何かに洗脳されているとしたら。この世界ごと支配されているとしたら。この作品は、そんな漠然とした不安を煽るSFコメディーホラー作品である。
 貧富の差が激しい世の中で失業者の一人として仕事を探していたネイダは、とある建設現場にたどり着く。寝る場所もなかったネイダは、そこで知り合ったフランクという男に誘われて

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『ゼイリブ』映画評(1)(評者:西井琉季)

『ゼイリブ』映画評(1)(評者:西井琉季)

 12月24日の3回生ゼミは映画回でした。鬼才ジョン・カーペンター監督の『ゼイリブ』についてディスカッションしました。

『ゼイリブ』(ジョン・カーペンター監督、1988年)

評者:西井琉季

 「目に見えるものだけが、ほんとうのものとは限らない」これは小説家の村上春樹による名言の一つである。村上春樹が言いたかった意味とは少し違うかもしれないが、今回の作品である『ゼイリブ』を視聴していて一番に思

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『万引き家族』映画評(2)(評者:松本愛梨)

『万引き家族』映画評(2)(評者:松本愛梨)

『万引き家族』(是枝裕和監督、2018年)

評者:松本愛梨

 映画『万引き家族』は2018年6月8日公開の日本映画である。映画のタイトルしか知らなかったので見る前はただ家族が貧乏で万引きをして暮らしているだけの映画だと思っていたが、実際見てみるともっと生々しく現代社会の闇を表現した作品であった。映画のことを簡単に調べてみると映画のキャッチコピーが「盗んだのは絆でした」とあった。まさしくそのキ

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『万引き家族』映画評(1)(評者:佐野竜一)

『万引き家族』映画評(1)(評者:佐野竜一)

 先週の3回生ゼミでは映画『万引き家族』について語り合いました。映画評は2人の方に書いてもらいました。まずは佐野竜一さんです。

『万引き家族』(是枝裕和監督、2018年)

評者:佐野竜一

 「家族とは?」と聞いてだいたい思い浮かぶイメージは、同じ家で暮らしてきた血の繋がっている人間ではあるだろうが、実際家族というものは様々な形がある。養子縁組であっても家族だろうし、犬や猫などのペットも家族

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