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赤ちゃん返り、半年で「3つのヤマ」を越えました

気の滅入るニュースが続くなか、子どもたちには本当に癒されています。
つれづれなる文章を書くことにも、同じようなヒーリング効果がありそう。なので、いずれ書こうと思っていた「長男の赤ちゃん返り」について、まとめました。

長男の「赤ちゃん返り」は、3つのヤマを越えた

次男が生まれてもうすぐ6か月。兄弟で3歳半離れているし、長男はかなり手がかからなくなっているものの、赤ちゃん返りは危惧していました。話がわかる年齢だからこそ、モヤモヤすることがあるだろうと思っていたんです。

産前の長男の様子は、こちらで詳しく。

ひとつめのヤマは「出産直前・直後」

そして、このnoteを書いた翌日。計画分娩を迎える前夜のこと。
長男は、またも意味の分からないことでイライラしていました。ひとまず落ち着かせてから「なんでそんな怒るの? 意味不明だよ」と言うと、彼は涙ながらに「だって、おかあちゃんと ねたい~……」と訴えたのです。

次の日から私が入院して、家を数日あけること。どうやらその間に赤ちゃんが生まれて、3人での生活が終わりを迎えること。そうなったら、どんな暮らしが待っているのか想像できないこと……。そういうストレスの積み重ねが、長男の癇癪につながっているようでした。

まずは「正直に言ってくれてありがとうね」と言い、ハグ。「4回寝たら帰ってくるんだよ」「これからも、さみしかったら我慢しないで泣いていいからね。黙ってイライラしないで」などと伝えて、いったんわかってくれたようでした。

さて、翌日は予定どおり入院、無事に出産。
出産後「赤ちゃんを抱きながら会うと、上の子にショックを与える」と聞いていたため、あえて赤ちゃんは新生児室に預けておき、長男と手をつないで「赤ちゃんに会いに行こうか?」と向かいました。
初対面の瞬間は複雑な表情ではあったけれど、感触はおおむね良好。「あかちゃん、かわいいね~」と言っていました。

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まさに初対面の瞬間。長男もちょっと緊張してるのがわかります

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私はあえて赤子ではなく長男を抱き、変わらぬ愛情をアピール

とはいえ、やっぱり入院初日は大泣きした様子。でも、出産直前はモヤモヤを溜めこんでいたらしい長男だったので、泣いてくれてよかったなぁとも思っていました。それどころか、こんな発言まで。

数日前にかけた言葉がしっかりと伝わって、どうやら多少は彼を支えている。この事実にすごく励まされたし、これからも丁寧に向き合っていけば、なんとかなるだろうと思えました。

振り返れば、ここまでが「ひとつめのヤマ」だったように思います。
次男の身体に不安なところがあり、次男だけ退院が2日間延びたのも、結果オーライでした。長男は、お腹のなくなった私と思いきりハグしながら寝て、新生活へのアイドリングができたなと思います。(次男の身体は、いままったく問題なしです!)

2つめのヤマは「退院後1週間」

弟爆誕によって兄が受けるストレスには「必要なストレス」と「不要なストレス」がある気がします。必要なストレスは、家族が増えて生活が変わることへの適応。不要なストレスは、親の愛情を疑ったり、自分のアイデンティティを心配すること。なので、なるべく不要なストレスをかけないことで、ゆっくり生活の変化を受け入れてもらいたいと思っていました。

そのために気をつけていたのは、この2つ。

■長男が帰宅してくる瞬間、赤ちゃんにふれないようにする
「保育園から帰ってきてドアを開けたら、おかあちゃんと弟がいちゃいちゃしている。もしかしてこいつら、僕がいない間ずっと、こうしていちゃついてるんじゃないだろうな……?」と思われないための対策です。

お迎えに行っている夫と連絡をとり、長男が近づいてきたら授乳も中断。抱っこもしません。なるべく「仕事してたよ」「ごはんつくってた」などといつもどおりの顔で、玄関まで出迎え、長男をハグするようにしました。

■長男の前で、やたらに次男を可愛がらない
なるべく次男にかまいすぎず、長男の話を聞くようにしました。家族みんなで弟を取り囲みながら「かわいいね~」と言うのはOK。長男が「あかちゃん、かわいい」などと言ったときには「かわいいよね~、でも、長男もかわいいよ~」と伝えました。これは100%本心です。

周りからは「『長男が一番かわいい』『長男のことが一番好き』って言ったほうがいいよ」とすすめられていましたが、生後半年、いまのところ一回も言っていません。だって、それは嘘だから。長男と次男に順番なんてつけられない。でも、相対ではなく絶対の「大好き」はまんべんなく言います。

……といった水面下の活動が奏功したのかはわかりませんが、長男はわりとおだやかに、弟との生活を受け入れたように見えました。「思ってたより自分はないがしろにされないみたいだし、じゃあこいつのことも可愛がってやるか」という感じで、わりとお世話も焼いてくれて。

ところが、授乳だけはどうしても受け入れがたかったようで、2つめのヤマが来ました。

単なるいちゃもんではなく、さみしさから言っているのが伝わってきたので、どうしたものかと思案。夫とも相談したところ「ちょっと話してみるわ」と、長男を連れて公園に出かけてくれました。すると、秒で解決!

ふたりがどんな話し合いをしたのかわかりませんが、とにかく、この日を境に長男は授乳を邪魔してこなくなりました。しばらくは「これから授乳するから、先にギューしておこうっと」「授乳終わったからギューしたいな」と声をかけ、ハグを心がけていたものの、いつのまにかそれすら求められなくなった。

半年が経ついまでは、長男も慣れたもの。こないだは授乳中に「みかん むいてください~」と持ってきたので「(授乳してるんですけど?)」という視線を投げたところ、みずから「あ、じゅにゅうちゅうか。しつれい、しつれい~」と、愉快なおっさんのように去っていきました。みかんは、自分でむいて食べていた。むけるんかい。

3つめのヤマは「生後3か月」

それからしばらくは、とても平和。「あかちゃん、だっこしたい」と言ったり、泣いている弟を見て「おっぱい のみたいんじゃない?」と慮ってくれたり、いいかんじで日々が過ぎていきました。

が、4人暮らしが3か月ほど経ったころから、またも悪魔の癇癪が再開。
ごはんを「たべる」「たべない」「あつくてたべられない(全然熱くない)」と大騒ぎしたり、ちょっとイヤなことがあるだけで大声を出して怒ったり……土日で3回くらいキレ散らかす、みたいなときも。爆発にちゃんと付き合うとまじで2時間コースになるため、親も戦々恐々でした。

これまでずっとおだやかだった長男。明確に理由を言われたわけではないけれど、どう考えてもこれは、環境変化のストレスだろうととらえました。
とはいえ、それは乗り越えてもらわなければならない「必要なストレス」。なので、今回は「癇癪の原因にアプローチする」のではなく「癇癪のコントロール」を試みました。

具体的な対策は「どれだけ泣きわめいても長男の思い通りにしない」「癇癪を起こす以外の方法を教える」の2つ。もちろん、これらは莫大な時間と親のエネルギーをくうため、ワンオペ時や余裕のないときは例外です。(こういうときにちゃんと付き合うためにも、ツーオペが大事……!)

たとえば、大泣きしながら「いますぐジュースが飲みたい」と言い続けていても、飲んでいいタイミングでないのなら絶対に飲ませない。そのうえで「してほしいことがあるなら、大声出さず、泣きわめかず、落ち着いて説明して」と伝えました。もちろん、相手は聞く耳を持たない。でも、こっちも筋を通してほしい。もう本当に心が折れる作業だった……。なにが正解だったのかはわかりません。

でも、めげずにアプローチを続けること一週間。(クリスマスをはさんでいたため、本来ならおりこうじゃない子のところには来ないサンタに「これからいい子になるから来てくださいって交渉したよ」などと伝えたりも。)

ほんのり好転の兆しが見えたのは、目の検査で病院に行ったときでした。

イヤなことがあっても泣きわめかず、ひさしぶりにちゃんとお話してくれたのです。せっかくちゃんと話してくれて感動したけれど、まぁ、要望は呑めないときもある。目薬はきっちり3回、がんばってもらいました(笑)。

怒り悲しみながらも、冷静かつ流暢に自分の要望を伝えてくれる長男が、非常にかわいかったです。

そしていま、4人暮らしは6か月目に入ります

どんどんリアクションが濃くなる次男のかわいさは、増すばかり。物理的なかわいさは赤ちゃんに勝てないけれど、長男が「いいやつだな」と思う場面はいっぱいあります。

退院直後に課していた「長男の帰宅時は次男にふれない」も、すっかりやめました。ふつうに授乳しながら出迎えたりもするけれど、長男はにこにこ「ぽよ(次男のあだ名)、ただいま~」と声をかけてくれます。弟に対してヤキモチを焼いているなと感じる瞬間も、いまは全然ありません。
(でも、私がよその子を可愛がっていると嫌がる。弟は許せても、よその子までは許せないらしい)

いまでも、次男ばかり可愛がりすぎないようには気をつけています。義務感はないけれど長男と毎日ハグをして、「大好き」と言い合うのも欠かしません。ワンオペのときは「今日は、おかあちゃんと協力して弟を早めに寝かせ、あとでゆっくりギューしよう!」という感じで、長男を“お世話する側”に引き込んでいます。

こないだの週末、長男が「4人でくらすの、たのしいねぇ」とつぶやきました。「そうだね。なにが楽しい?」と尋ねたら、ほほえみながら「えっとね、弟がわらうこと」。リップサービスの得意な長男なので、どこまで本心かわからないけれど、すごくうれしかったし、かわいかった。4人の暮らしがいっそう愛しくなりました。

これからもたくさんヤマはあるんだろうけど、一つずつ向き合って、みんな無理なく、なるべくおだやかに、なんとかしていけたらなぁと思います。


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