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愚詩

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2021年4月の記事一覧

島に行きたい

5分前まで、今日詩を書くとは思わなかったし、
今もこの詩を書き切れるとは思っていない。
でもこの写真を見た瞬間、書けると思ったのです。

さて、島に行きたい。
島に行って、知らない道を歩きたい。
歩いて、歩いて、歩きたい。

島に行ったら、陽を浴びたい。
雨はいやだね。
陽はどこでも浴びることができるけれど、
私は島の陽を浴びたい。

あ、ダメだ。

やっぱり最後まで書けなかった。
そんな日もある

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二乗

少し寒いから、カーディガンを羽織ってみる。
すると後ろから、

「おかえり」

って声が聞こえた。

少し驚いたけど、なんだか懐かしい気持ちで振り返ると、誰もいない。

気味の悪さとノスタルジックの半分の二乗。

少しして、やっぱりおかしいと思い、
もう一度振り返ってみる。

あ、いた。

完全に目があった。
瞬間的に気まずさを感じたので、すぐに手元に目を戻す。

でもやっぱり気になる。

恐る恐

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追憶

こんな詩は、雑踏の中で読まれればいい。

雑踏の中で薄まって、だれの記憶にも残らなければいい。

誰の記憶にも残らず、ただの情報として、ただの現象として、
ただそこに置かれていればいい。

決して悲観的に言っているのではない。
その時少しだけ、昔のことを思い出したのだ。

お清(キヨ)さんがこんなことを言っていた。

「砲丸をね、持って行ったのよ。お土産に。
そう、あの砲丸。あれってすごく重いのね

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相談

ズグォーン、ズグォーン、ビガビガビー。
ズグォーン、ズグォーン、ビガビガビー。

見たことのない光は、一周回って、ポケットの中へ。

「ほら、昨日夕方から急にすごい雨だったろ?だから俺、ヌーミーになろうと思って。」

ヌーミー、
ヌーミー、
ヌーミー、

ヌーミーってなんだよ。

ヌーミーを知らない私。

ヌーミーを知っている、彼。

ヌガーン、ヌガーン、ビゴー。
ヌガーン、ヌガーン、ビゴービゴー

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目と鼻

もうすぐです。
あと少しです。

もうすぐです。
あと少しです。

すみません。なかなか終わりません。
なにぶん、初めてなもので。

もう少し、
もう少しだけ待ってください。
群像に群像を重ねるようなことだけはやめてください。
もう終わりますから。

どれくらいって?
そんなこと、わかるわけないでしょう。
だって、あるのはボンヤリとしたイメージだけ、
そのイメージですら、あるかないかはボンヤリとし

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愛のありか

とても良いタイトルが思いついて、

思いのままにペンを走らせる。

走らせるといったって、別に何か書き始めるわけじゃない。

ペンに足を生やし、文字の通りに走らせようとするだけだ。

もちろん、ペンなんか本当に走るわけがない。

足も動かないし、インクもたくさん詰まっている。

それでも私は、ペンを走らせるのです。

そうするうちに、衝動は感情に、感情は心になり、心は愛情にかわる。

愛情はやがて

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のみこむ

かたいもの、やわらかいもの。
丸いもの、四角いもの。
甘いもの、苦いもの。
新しいもの、懐かしいもの。
手前のもの、奥のもの。
変わっているもの、いつものもの。
美しいもの、醜いもの。

全部まとめて飲み込みます。
そしてグーっと力を込めて。

きれいなうんこが出ます。

スポーツカーみたいな流線型。
とてもきれいなうんこです。

そのうんこを、みんなは笑顔で見ています。

私はそれを見てまた、

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