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飲酒が筋肉に与える悪影響とその対策〜男性と女性で受ける影響の違い

「飲酒すると筋肉が減る」

「飲酒は太る」

ダイエットやボディメイクをしている方なら

100%絶対に聞いた事のある言葉ですよね。


では、飲酒は具体的にどのくらい

体に影響を及ぼすのか?

またアルコールが及ぼす影響は

男性と女性でどんな違いがあるのか?


複数の論文を引用させていただき、

解説いたします!



飲酒ってなんでダメなの?

アルコールが筋肉に与える影響は

『筋合成率の低下』です。

ある論文では、

筋肉の合成に深く関わるMTORに

悪影響を及ぼす事が分かっています。

他にも、コルチゾールの分泌を促したり。。。

※コルチゾール=ストレスホルモン

また、『肝臓へのダメージが増える』事です。

人の基礎代謝の多くは肝臓と筋肉で

構成されています。

飲酒すると肝臓へ大きなダメージが及ぶため、

代謝の低下に繋がり、

ダイエットやボディメイクには不利になります。


飲酒の影響(論文ベース)

別の研究では、

トレーニング後の飲酒は筋力が弱くなる

(飲酒後36時間、飲酒後60時間後調査)
事も分かっています。

※もちろんアルコール度数が高いほど、

筋力低下幅も大きくなります。

(飲酒後60時間後も筋力が低下するという事は、トレーニングやスポーツをする際は2~3日前から禁酒する必要がありますね!)

また、ウイスキー4~8杯の飲酒で

テストステロン(男性ホルモン)値

が18~40%減少したという報告もあります。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/894528/

メンデルソンJH、メロNK、エリングボーJ.

正常なヒト男性の下垂体性腺ホルモンに対する急性アルコール摂取の影響。



https://www.researchgate.net/publication/260213667_Alcohol_Ingestion_Impairs_Maximal_Post-Exercise_Rates_of_Myofibrillar_Protein_Synthesis_following_a_Single_Bout_of_Concurrent_Training

アルコール摂取は、1回の同時トレーニング後の筋原線維タンパク質合成の運動後の最大速度を損なう
2014年2月

正しいお酒対策 8選!

ここからは効果があるお酒対策
を8つご紹介します!


① マルチビタミン(ナイアシン)を飲む

シンプルですが、

摂取したアルコールを早く分解する事が重要です!

まずはアルコールの分解過程を確認しましょう。

飲酒→アセトアルデヒド→酢酸

ざっとこんな感じの流れです。

違う表現をするならば、

「アルコールがアセトアルデヒドになり、

アセトアルデヒドが酢酸になり、

酢酸が最終でエネルギーになる」

というイメージです。

で、上記の過程で必要になってくるのが、

『酵素』であり『ナイアシン』になります!

ナイアシンは単体でも販売されていますが、

ビタミンB群のサプリメントにも含まれます。

食品では、

鶏胸肉やたらこ、

カツオのさしみやレバー等に含まれています。

手っ取り早くサプリメントで摂るならこれがおススメです。

摂取タイミングはアルコールを飲む1時間前が良いです!

ナイアシンの他にも、
飲酒後にビタミンB1やタウリンの
摂取もアルコール分解に効果的にです!


② 先に炭水化物を食べる

アルコールを飲む前に、

炭水化物と一緒にタンパク質を摂取しておく事も

効果的な可能性があります。

炭水化物を事前に食べておくと、

アルコールの血中吸収速度が遅くなる可能性がある!

※アルコールと炭水化物を一緒に摂取すると、

胃の中でアルコールの濃度が低くなり、

吸収速度が遅くなる事があるという調査結果があります。


③ タイミングを工夫する

もちろん、絶対に避けたいのが、

『トレーニング直後』です。

冒頭でお伝えした「飲酒の悪影響」は

基本的にトレーニングの実施時間と飲酒時間の

間が短いほど大きくなります。

実際の研究結果では、

トレーニング直後に飲酒したグループと

そうでないグループでは37%筋合成率が

低下する事が分かりました。

最低でもトレーニング後3時間はお酒を我慢しましょう!

ベストは2日半開ける事!


もしトレーニング直後に飲酒する場合は、

タンパク質を一緒に摂取する様にしましょう!

アルコール+炭水化物と

アルコール+タンパク質

では筋合成率が13%ほどアルコール+タンパク質

の方が高い事も分かっています。


④ 酒の種類に気を付ける

酒を飲むなら赤ワイン!

2020年 シラーズ医科大学の研究

レスベラトロールと言う成分が

体重の減少に役立つのかを研究したメタ分析です。

結論だけ言うと、

レスペラトロールの摂取で、

体重、脂肪、ウエスト、BMIが減少しました。

※もちろん、様々な要因が重なっての結果だとは思います。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30421960/

タブリージR、タムタジOR、ランカラニKB、アクバリM、ダドゴスターE、ダバグマネシュMH、コラドゥーズF、シャムシリアンA、モメンヘラビM、アセミZ。減量に対するレスベラトロール摂取の効果:ランダム化比較試験の系統的レビューとメタアナリシス。クリットレブフードサイエンスニュートル。2020;60(3)

赤ワインにはアンチエイジング効果もあると言われ、

他にも、酸化ストレス、炎症の緩和、高血圧症の改善、

血糖値の改善効果、褐色脂肪細胞の活性化

などの効果が期待できます♪

※レスベラトロールをもっと深く知りたい方は

こちらをチェックしてみて下さい👇

https://www.mpc-lab.com/blog/20200521

分子生理化学研究所様 ~レスベラトロールの基本知識~

ちなみに、

赤ワイン以外にならウイスキーが良いですね。

間違っても缶チューハイやサワー系、カクテル系を

たくさん飲むのは控えましょう!


⓹ 酒+タンパク質を一緒に

アルコールを飲む前に
タンパク質を摂っておく事も非常に効果的
と言えます。

炭水化物は消化されてブドウ糖に変わりますが、

ブドウ糖がアルコールよりも優先的に吸収されるのが理由とされています。

これはあくまでも吸収速度の話です。たくさん飲んでも良いという訳ではありません。

※摂取するのは固形物のタンパク質ではなく、

プロテインパウダーでも問題ありません!

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371%2Fjournal.pone.0088384

「アルコール摂取は1回の同時トレーニング後の筋原線維タンパク質合成の運動後の最大速度を損なう」

⑥ 酒+脂質はダメ

アルコールと脂質を一緒に摂るのは危険です。

シンプルに太ります!!

通常は、

脂肪を分解する為に肝臓が元気である必要がありますが、

その肝心の肝臓が脂肪の分解をする前に、

アルコールによってヘトヘトになってしまう為です。


肝臓を労わるだけでダイエットは加速する!

肝臓の重要性はこちらをチェック👇


⑦ あなに適切な量を把握

あなたに合った量のお酒を!

まずは体重1㎏あたり1g未満のアルコール量

にしましょう。

私の例で見てみます。

私は体重72㎏で、基本的にハイボールしか飲みません。

アルコール度数7%で量が350mlの場合、

24.5g程度のアルコールが含まれていますので、

ハイボール缶3本が1日の摂取上限になります。

※体重72㎏÷24.5(アルコール)=2.93本

毎日はNGです。肝臓が疲労困憊で代謝が低下します。


⑧ 好きじゃないお酒を飲む

最後の工夫は

『根性論』です!!!

自分が好きではないお酒を飲みましょう!

そうすれば自然と飲酒量が減るはずです!


男女でアルコールの影響は異なる

さて最後の項目です。

超ざっくり結論をお伝えするとこんな感じです。

「女性は男性よりもアルコールの影響を受けにくい!」

正直、

「ちぇっ!」

って思いましたね(笑)


根拠となる論文内容を簡単にご紹介します。


論文①

10名の男性と9名の女性を対象に行った研究です。

計19名を2つのグループに分けて、

スミスマシンでのスクワットを6セット実施した後に、

アルコールまたはプラセボ飲料を飲ませた結果、

男性では、MTORが低下したのに対して

女性はほぼ一定を保ち、

その他の指標においても

男性では低下、女性は一定

という結果になりました。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27135475/

ヒト筋肉における抵抗運動誘発mTORC1シグナル伝達に対する急性アルコール摂取の影響

論文②

男女それぞれにビール、

またはノンアルコールビールを飲ませ、

その後の体の変化を調べた研究です。

結果は、

男性=血中テストステロン6.8%減少

女性=血中テストステロンほぼ変化なし

https://www.researchgate.net/publication/8539284_Effect_of_Moderate_Alcohol_Consumption_on_Plasma_Dehydroepiandrosterone_Sulfate_Testosterone_and_Estradiol_Levels_in_Middle-Aged_Men_and_Postmenopausal_Women_A_Diet-Controlled_Intervention_Study

中年男性および閉経後女性における血漿デヒドロエピアンドロステロン硫酸塩、

テストステロン、およびエストラジオールレベルに対する適度なアルコール消費の影響:食事管理介入研究

論文③

急性アルコール中毒状態の20歳~27歳の

計21名を対象に行われた研究です。

急性アルコール中毒状態の男性は

テストステロン(男性ホルモン)が45%低下し、

女性ではなんと490%増加していた事が分かりました。

※それはそれで、どんな状態だったのか興味深いですね(笑)


上記の3つの論文だけを見ると、

男性よりも女性の方がお酒に強いという事になりそうですね。


まとめ

最後に私が『ここを覚えておいて!』

と言うポイントを箇条書きにまとめます!

◆飲酒は筋合成率を低下させる

◆飲酒は肝機能を低下させダイエットやボディメイクの敵になる

◆飲酒1時間前にマルチビタミン(ナイアシン)を飲む

◆お酒の前に炭水化物を食べる

◆トレーニング直後の飲酒はNG(最低3時間は空ける)

◆お酒を飲むなら赤ワインかウイスキー

◆自分に合った量を把握する(体重×1gのアルコール量)

◆好きじゃないお酒を飲む

◆男性よりも女性の方がお酒に強い可能性がある


いかがでしたか?

ダメと分かっていても飲んでしまうお酒。

少しだけと思っていても飲み過ぎてしまうお酒。

あなたはこれからどんな対策をしますか?

是非コメント等で教えて下さい!


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