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筋トレ効果~適切な有酸素運動の順番(メリットとデメリット)



健康維持や、ボディメイク、ダイエットにおいて

それぞれ有酸素運動がもたらす影響を知っていますか?

有酸素運動のメリットやデメリットを解説します。



有酸素運動はやった方が良い?

「そもそも有酸素運動ってやった方が良いの?」

有酸素運動をやると筋肉が減るから

やらない方が良いと言われる事がよくあります。

実際の所どうなのか。

それぞれ、

・筋肥大目的

・ボディメイクやダイエット

・健康維持

の3パターンに分けて考えていきましょう。

筋肥大目的の有酸素運動

筋肥大を目的とする場合は、

有酸素運動は実施しない方が良いです。

こんな研究があります。

①筋トレだけを実施したグループ

②筋トレと有酸素運動の両方を実施したグループ

③有酸素運動だけを実施したグループ

の3つに分けて、タンパク質合成ポイントを確認した所、

通常時に比べ

①=1.76倍

②=1.44倍

③=0.78倍

という結果が表れました。

簡単に言うと、

筋トレだけ実施したグループが最も筋合成は高く、

有酸素運動だけ実施したグループが最も筋肉減少が起きた。

筋トレと有酸素運動の両方を実施した場合は、

少し筋肉量が増加する

と言う結果です。

↓参考

引用:同時トレーニング: 有酸素運動と筋力運動の干渉を調べるメタ分析

ジェイコブ・M・ウィルソン 1、 ペドロ・J・ マリンマシュー・R・レア ステファニー・MC・ウィルソン ジェレミー・P・ ロエンケジョディ・C・アンダーソン


よって、筋肥大を目的とする場合、

有酸素運動を実施しない方が良い

という事になります。


ボディメイクとダイエット目的の有酸素運動

結論から言うと、

適度に実施した方が良いです。

ボディメイクやダイエットと言う事は、

少なくとも体脂肪を落とす必要があります。

有酸素運動は脂肪をエネルギーにして動きますので、

単純に脂肪分解には実施した方が良いでしょう。

しかし、やり過ぎると

脂肪燃焼には不向きです。

1日20分程度を目安にしましょう。


健康維持

おじいさんが歩いている画像

健康維持を目的とするならば、、、、

実施した方が良いに決まってますね。

単純に、中性脂肪の分解と

血管、血液への働きかけが重要です。

血流を促し、血管や脳など全身の健康には

非常に重要です。

動脈硬化の予防にもなりますし!


有酸素運動のタイミング

ボディメイクをしている方や

ダイエットをしている方で

有酸素運動をどのタイミングで実施するか

迷う方も多いのではないでしょうか。


まず結論を先に言うと、

「有酸素運動の実施タイミングは目的によって変わる」

というのが正解になります。

少し具体的に言うと、

筋トレの質と精度を上げ、

筋トレの効果を最大限発揮させたい方は

筋トレ⇒有酸素運動

の順番が理想であり、

逆に消費カロリーを多く稼ぎたい場合は、

有酸素運動⇒筋トレ

の順番が理想になります。

少し意外に思うかもしれませんが、

筋トレ⇒有酸素運動よりも、

有酸素運動⇒筋トレの方が

EPOC(運動後過剰酸素消費量)が高くなる事が

様々な研究で明らかになっています。

(※EPOCとは運動後のエネルギー消費量の事)

しかし、トレーニングの順番はそんな単純な物ではなく、

気温や体温、体調、その日の血圧によっても

変化させる必要があります。

当然、真夏の暑い日に、筋トレや競技の前に

20分の有酸素運動なんてやってたらその前にバテますし、

逆に真冬の寒い日に、有酸素運動無しで

筋トレや競技開始はさすがに

怪我やパフォーマンス低下に繋がります。


筋トレ前に有酸素運動を実施するメリット

有酸素運動を筋トレ前に実施する事は、

EPOCの上昇意外にもメリットがあります。

それは、パフォーマンスの向上です。


ウォーミングアップとして、

軽度の有酸素運動を実施すると、

筋温が上昇し、最大等速性筋力が4.7~4.9%向上します。

同じく、垂直飛びの高さも4.2~4.4%向上します。


最適な筋温

では、筋トレやパフォーマンスにおいて

最適な筋温とは何度なのか。

ズバリ、39度です!

通常、人間の体温(筋温)は36度前後ですので

約2~3度上昇させる事が望ましいです。

(※筋温が30度程度になると、パフォーマンスが50%低下する。逆に筋温が41度以上になると筋肉のタンパク質が死んでしまい、これもパフォーマンスが低下する。)

筋温を最適値にするには

筋温を最適値の39度にする為には、

最大酸素摂取量の60%強度での有酸素運動が最適です。

※最大酸素摂取量は最大心拍数の60%だと考えて大丈夫です。

(計算式)⇒最大心拍数=220ー年齢

例)年齢30歳の場合

220ー30×0.6=114拍


その220ー年齢×0.6で算出された心拍数で

10分~20分程度の有酸素運動を実施するのが最適です。


通常有酸素運動のメリット

タイミングに関係なく有酸素運動のメリットは

他にもたくさんあります。

【☆ミトコンドリアの活性】
ミトコンドリアの活性化は人間の健康に直結

【☆毛細血管が増える】
酸素や栄養のスムーズな運搬

【☆心肺機能を高める】
心臓への負荷に強くなる&疲労蓄積抑制

【☆脂肪をエネルギーにする】
同じ消費カロリーでも脂肪をたくさん使う

ここまで、
筋トレや競技前の有酸素運動は
メリットが大きい事を説明してきましたが、
当然やり過ぎはNGです。
10分~30分程度にしましょう。
(長くても40分以内が良いです)


有酸素運動が筋トレに与えるデメリット

これは何と言っても、

筋肉の分解です。(カタボリック)

先ほどの、研究結果でも分かる通り、

有酸素運動の量が増えたり、

バランスが偏ると、

やはり筋肉の減少リスクは高くなります。

また、コルチゾール(ストレスホルモン)の

分泌も促進されてしまい、

テストステロン(男性ホルモン)も減ります。

20分~30分を週に4回以内であれば

特に問題は無いかと思いますが、

毎回60分以上を週に5回も6回も

やっているとかなり危険ですね。



なぜ有酸素運動のやり過ぎはダメなの?

ではここからは、

有酸素運動がなぜ筋トレに悪い影響を

与えるのかについて解説します。

速筋繊維・遅筋繊維の割合

まずは速筋繊維と遅筋繊維について簡単に紹介します。

【速筋繊維】
短距離走の様に瞬発的に大きな力を発揮する

【遅筋繊維】
マラソンの様に、一定の強度を持久的に継続する

簡単に言うと、

速筋は、強い力を瞬発的に使う
(筋肉が大きくなる)

遅筋は、緩い強度の運動を継続
(筋肉は大きくなりにくい)

筋トレをすると基本的には

速筋繊維が使われアナボリック(筋肉が合成)な状態になります。

しかし、そのアナボリックな状態で

有酸素運動を実施してしまうと、

遅筋が大きくなる(優位になる)為、

筋トレの効果を阻害してしまいます。

ホルモン分泌の影響

テストステロン(男性ホルモン)が減少し、

コルチゾールが減少します。

簡単に言うと、ホルモンバランの変化によって

筋肉が付きにくくなるという事です。


具体的に何故なのか解説します。

①有酸素運動で多くの酸素を取り込む

②空気中に一定値ある活性酸素も一緒に取り込む

③活性酸素の影響で疲労を感じる

活性酸素が増えると脳や血管、皮膚等にダメージを与え、疲労蓄積や
ガン発生リスクを上げる

※ビタミンCの摂取で活性酸素対策が可能です。

栄養が足りていない

有酸素運動は体内の脂肪をメインのエネルギー

にして動きます。

※脂肪が使われるにはたくさんの工程があります。

その必要なエネルギーが枯渇していると

動くためのガソリンが無い為、

体内のタンパク質(筋肉)を分解し、

それをエネルギーに変えようとします。

また、UCP(脱共役タンパク質)が減ります。

(※UCP(脱共役タンパク質)は体内で熱を作りだすタンパク質)

UCPが減少して起こる問題は下記の通りです。

①過度な有酸素運動実施

②UCP(脱共役タンパク質)の減少

③体温が低下

④基礎代謝の低下

⑤ダイエット効果の妨げになる


筋肉が分解しない有酸素運動の取り入れ方

有酸素運動での筋肉分解を防ぐ方法はあります。

☆HIITトレーニング

(20秒間の全力トレーニング×10秒休憩×8セット)

☆実施時間を短くする(1回20分程度)

(実施を複数回に分ける。朝と夜など)

☆実施強度を下げる(時速5㎞~7㎞でのランorウォークが良い)

☆朝一の実施(血糖値が低い時に実施する)

☆実施前にアミノ酸を飲む



まとめ

最後にまとめです。

【有酸素運動は必要?】

・筋肥大目的であれば必要なし

・ボディメイクやダイエットであれば適度に実施

・健康目的でも適度に実施

【有酸素運動のタイミング】

・有酸素運動の実施タイミングは目的によって変える必要がある。

・筋トレの精度・質を上げたい場合は、筋トレ⇒有酸素運動が良い

・トレーニング全体による消費カロリーを上げる場合は、有酸素運動⇒筋トレが良い。

【有酸素運動が筋トレに与えるメリット】

・全身のミトコンドリア量を増やす

(具体的効果)

・毛細血管を増やす

・心肺機能を高める

・脂質を消費する割合が高い

・運動/協議パフォーマンス

【有酸素運動が筋トレに与えるデメリット】

・筋トレの質を下げる恐れがある

・筋肉を分解する恐れがある

有酸素運動で筋肉が減る理由

・遅筋優位になる

・テストステロン(男性ホルモン)が減少する

・コルチゾール(ストレスホルモン)が増加する

・栄養が枯渇している

【有酸素運動で筋分解を抑制する方法】

・低強度の有酸素運動にする

・20分以内の実施にする

・HIITを活用する

・血糖値が低い時に実施する(朝イチなど)

・アミノ酸を飲む



以上、
「有酸素運動が筋トレや競技にどんな影響を与えるのか」
についてでした。

最後までお読みいただきありがとうございます!

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