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司法試験に受かったのに修習行くのやめてベンチャーに入った男が1年を振り返ってみた

皆さんこんばんは。年の瀬ですね。スガイです。

いかがお過ごしでしょうか。


私は初めてたったひとりの大晦日を過ごしていますが、非常に居心地がよく、果たしてこのままで良いのだろうかという謎の焦りを感じたり感じなかったりしています。


だいたいこの時期になると、ブログやFacebook、Twitterなどで一年の振り返り的なことをする投稿が目立つようになるのですが、例に漏れず私もそんな内容の記事を書いてみようと思い立ち、キーボードを叩いています。


月ごとに何してたかなーという視点で振り返っていきたいと思います。よろしければお付き合いください。



1月~5月 ─とにかく勉強

いきなりめちゃくちゃザックリなのですが、1月から5月はずーーーーーーっと勉強をしていました。

2018年の10月から11月にかけて、4回目の司法試験受験に向けて計画を練り、気持ちを作って、そこから勉強しっぱなしです。

一番つらかったのは、昨年になってしまうのですが、2018年の11月、試験に向けてもう一度気持ちを作ることでした。果たして自分はなぜ弁護士になりたいんだろう?今までなんで司法試験合格を目指していたんだろう?というところまで立ち返り、膨大な量のメモを書きまくり自問自答を重ねていました。(ちなみにこの頃から手書きでメモることの威力に気づかされ、メモ魔になりはじめます。)


根本から勉強法を見直したことで、かなり勉強は捗りました。試験が終わったときには「これで受からなかったら5回目は正直しんどいな……」と思うくらいには全力で勉強できたように思います。


6月~8月 ─色々な人に会いまくる、ブログ運営開始

試験が終わってからは、とにかく色々な人と会う機会を作りました。

今までなかなか会えなかった友人に会って「ここのところ付き合い悪くてごめん」と謝りまくったのですが、みんな暖かく迎えてくれて本当に嬉しかったです。

弁護士界隈のセミナーやオフ会?にもかなり行きました。中でも一番影響を受けたのが、伊藤先生(@itotakeru)、岩崎先生(@koshikakebengo
)、下平先生(@Shimo_masato)、草原先生(@atsuokshr0925
)、鬼澤先生(@onichang
)の5人の先生方が登壇したセミナーです。これからの弁護士の働き方を考えるといったテーマで、様々な領域で活躍されている先生の話を聞けるイベントだったのですが、全てが刺激的で、一気に自分の視野が広がったのを覚えています。


また、この頃からブログをはじめました。それが「Startup Labo」です。

僕のスタートアップ愛をありったけ詰め込んだブログで、半分趣味/半分セルフブランディング目的で運営していきました。
(※現在は休止→閉鎖済み)


9月 ─司法試験合格の知らせ〜就活開始

9月には司法試験合格の発表があり、無事合格していました。

今年は初めて法務省まで行って直接見てきたのですが、あのときの緊張と達成感は昨日のように思い出すことができます。

皆さんに色々とご報告をさせていただき、お祝いの言葉をいただくたびに、「仕事で恩返しがしたい」と思うように。

同時に、弁護士事務所への就職活動を開始します。

ちなみに9月は、中学から付き合いのある親友に会うためベトナムにも行ってきました。基本的にベトナムは天国です。定期的に行きたい国になりました。


10月 ①─リーガルテックとの出会い

10月(正確には9月末)、ひとつのセミナーに参加しました。

ジュリナビ主催の、「リーガルテックの現在と未来」というセミナーです。

法曹業界の先端を行く注目のリーガルテック企業4社(GVA TECH、Holmes、Hubble、Legal Technology)が登壇
https://www.jurinavi-career.com/info/topic53/

するというイベントで、リーガルテックにはもともと関心があったものの、日本のリーガルテックサービスとしてはサイニングやAIレビュー関連のプロダクトしか知らなかったので、いい機会だと思い参加しました。

GVA TECHは元々知っていたので、改めて説明を聞いていいサービスだなーと思い、LEGAL LIBRARYの公開を控えたLegal Technologyのステークホルダーとの調整力に驚かされました。

Holmesは、正直言って最初はそこまでピンと来ませんでした。契約をマネジメントしていくというコンセプトは理解できたのですが、それをやるには途方も無いリソースが必要になると思ったからです。当時の私はBtoCのサービスが好きで、BtoB SaaSの文脈を読む知見が無かったため、Holmesのスゴさについての理解が及びませんでした。

Hubbleは、「どうせWord文化は無くならないんだから、そっちに寄り添ってUXを向上させよう」という方向性でプロダクトを作っており、「なるほどなー」と感心しました。それ以上に、「GitLaw」的な思想を実現するOSSを作れるのではないかという興奮があり、イベント終了後にHubbleの酒井さん(@t_sakai_Hubble)にご挨拶をして「GitLawやるんですか?!」と話したら、「そこに共感してくれるとは変態ですねw」とお褒め(?)いただきました。

そのあと、Hubbleのオフィスに遊びに行かせていただいて、CEOの早川さん(@peishin914)ともお話しをさせていただきました。Hubbleがよく使っているカフェでビール片手に話して、やっぱHubbleすごいなー、OSSやってほしいなー、と。

そうそう、あの一日で人生の全てを叩き込んでいただきましたね!


10月 ②─Holmesの魅力に気づく

そんな中、セミナーで話を聞いたHolmesが頭から離れませんでした。実現しようとしているビジョンや世界観は間違いなくスゴいというのは分かっていたので、そのために今何をしているのか、というところを調べ始めます。このとき、BtoB SaaSの世界を知りました(それまでは、Salesforceでさえ名前しか知らなかった)。リサーチした結果、「Holmesスゴすぎ……」となりました。はっきり言って、今まで見てきたどんなサービス・プロダクトよりも衝撃を受けました。

ちょうどタイミングよく、「弁護士×BizSide MeetUp」の第1回が開催されることを知り、秒で申し込んで参加。

懇親会でHolmes CEOの笹原さん(@kenta_holmes)とお話をしたら、「インターンおいでよ!」と言っていただきました。

後日、Holmes主催で行われたプロテインMeetup(ドリンクとしてプロテインが出たり、プロテイン重視のご飯が出たりする)で、酒井さん(@Sakai_Takanori)とお話をしたら、5分で次の週からのインターンが決定。「カルチャーフィットあるので大丈夫です」という言葉を信じて、Holmesのインターンに挑戦することになりました。


11月 ─悩みまくり、Holmesへの入社を決める

Holmesでのインターンは毎日が刺激に満ち溢れていました。CEO室に所属したこともあって、色々な部署の方と連携して仕事をさせていただきました。

それまでの僕といえば、おもちゃ作ったり、ライターの仕事したり、ベンチャー立ち上げに挑戦したりと、とにかく自分のやりたいと思う気持ちに素直に色々な事を全力でやってきたものの、全てが点としてしか存在していませんでした。それが、Holmesに来てからは線で繋がって、日々の仕事に活かせるように。「Connecting the Dots」はあまりにも有名ですが、自分がそれをリアルに体験することで改めて「ジョブズすげー」と。(ちなみに現在、社用PCはMacです。)


さらに、Holmesは社員数が年初で14, 5人だったところから、10月の時点で50人まで拡大しており、前職からのステップアップやHolmesへの強い共感で仕事をしています。正直なところ、新卒で社会人経験のない自分には身に余る環境です。が、それと同時に、こんな最高の環境で仕事ができることに毎日喜びしかありませんでした。


そんなある日、笹原さんと酒井さんに飲みの席に誘っていただき、オフィスが入っているフロアにあるシェアスペースでお酒を飲みながら話をしました。なにかと思ったら、要は「Holmesに入らない?」という話でした。もちろん、それまでは弁護士になる気満々だったのですが、話をしているうちに、Startup Laboを開設したとき最初に投稿した記事の内容を思い出しました。

それがこれ。

本当は、自分が「このイノベーションには命かけても貢献したい!!!!」と思えるベンチャー企業にジョインして本当の意味でチームの一員としてサービスを育ててみたい
https://sul.tokyo/2019/06/06/startup-labo-start/
※閉鎖済みのためアクセスできません。すみません。

これはあくまで、弁護士として貢献したいという文脈で書いたのですが、弁護士というのはただのツールでしかありません。もう一段深い所まで掘れば、別に弁護士としてかどうかは関係なく「「このイノベーションには命かけても貢献したい!!!!」と思えるベンチャー企業にジョインして本当の意味でチームの一員としてサービスを育ててみたい」という部分が本質です。


まさかこんな早いタイミングで「命かけても」と思える会社に出会えるとは思っていませんでしたが、それがHolmesであることは疑いようがありませんでした。


とはいえ、足掛け9年かけて、あと一歩のところまで来た弁護士を一旦お休みするという決断をするまでには、相当悩みました。例に漏れずメモを書きまくり、最終的には「いまのHolmesにジョインすること」と「弁護士にいまなること」の2つを天秤にかけて、修習はいつでもいけるけど今のHolmesには今しか行けない、むしろHolmesでの経験が自分のキャリアに独自のレバレッジを効かせられるよう仕事をすれば良い、という感じで整理できたので、最終的にはHolmesへ正社員として入ることを決めました。

司法研修所に電話をして教科書を返上し、家族にも懇切丁寧に話をして(資料を作ってプレゼンした)、正式入社したのが11月の出来事です。

この辺の流れは以下のエントリーにも書いた部分があります。


正社員となってさらに仕事の領域は増え、カスタマーサクセス、マーケティング、フィールドセールスにリーガルと、とにかく色々な仕事をやらせていただくようになりました。


12月 ─セールスとしてHolmesの最前線で戦う

12月に入ってからは、フィールドセールスとしてHolmesの最前線で戦うようになりました。ベンチャーに入ったのに、毎日スーツで出社しています(修習に行ったらどの道スーツだったし、スーツ自体好きなので個人的には良い環境で仕事ができています)。

HolmesはSalesforceをガンガン活用しているので、The Modelに沿ってセールスを進めています。The Modelは、超ざっくり言うと「この通りにセールスをやっていけば誰でも商談を成立させられる」という型のことです。とはいえ、具体的な進め方やテクニック、各フェーズでの考え方などはしっかり学んでいく必要があるので、いまはセールスのなんたるかを勉強しながら実地で試す毎日を送っています。

現在はほぼ完全にセールス特化で動いているので、名刺も「CEO室 兼 フィールドセールスグループ」になりました(笑)

ちなみに、いまの私のマネージャーである松尾さんの記事が先日公開されていますので、ぜひ。

セールスは本当に難しいです。どこにも正解がありません。正解にたどり着くためのヒントすら自分で見つけなければなりません。でも、顧客と直に対面して"困りごと"を聞き、Holmesが合うかどうかを考え続け、提案をしていくセールスの仕事は非常に有意義です。というかこれって、弁護士がやる仕事そのまんまだと思うのですよね。

だからこそ、フィールドセールスとしてストイックに数字を追っていく決意のもと、一つでも多くの企業に役立てるような提案をしていきたいと考えています。


まとめ: 激動の一年。来年は飛躍の年に。

そんなわけで、ざっくばらんに振り返ってみましたが、改めて見ると本当に「激動」の二文字がふさわしい一年でした。

来年はHolmesのメンバーとして成果を上げていかなければなりません。すでに毎日悩みの連続ですが、これまでの人生27年間の中で、最高にエキサイティングな時間を過ごしています。インターンの頃から数えてもまだ2ヶ月余ですが、Holmesに入って本当に良かったと思ってますし、司法試験をずっと頑張ってきたのも、Holmesに出会うためだったのかもなと思うようになりました。


他の人とは少し(いや、だいぶ?w)違う道を歩んでいますが、来年も引き続きお付き合いいただけますと幸いです。

来年も様々なご縁に恵まれますように。


ありがとうございました!!!


2019.12.31 須貝



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