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読書日記~伊集院光「球漫」と米沢嘉博「戦後野球マンガ史」もしくはBaseball Crazy・前編~水島新司氏に捧げます。

 水島新司さんの訃報に接した時、引退したのはこういうわけだったのねとようやく納得しました。
パ・リーグのご意見番的存在だったのに、近年はコメントが発表されることがなかったことも気になっていました。まずは水島新司さん、R.I.P. 

・「新潟日報 2022年1月18日 1面より」(新潟日報社)

 以前、FPM(ファンタスティック・ピッチング・マシーン)中嶋勇二さんと「あぶさん」話を延々とした時、「日拓ホームフライヤーズのユニフォームが『あぶさん』に出たことがあるのか?」という私の疑問に、中嶋さん「ありますよ、初期に。1巻だったかな」と答えてくださったのでした。
数日経って調べたら、ホントに出てました。多分、投球フォーム(フィニッシュ部分)見たら、新美敏投手っぽいとか思ったけど、中嶋さんとはあれからお会いしてないので、その話はしてません、残念ですけど。
その時、他にした話題は「あぶさん」で張本さんが(ビール瓶で)バットをしごくエピソードとかでしたね。
まー、「あぶさん」はパ・リーグ好きには必読の書(中嶋さんはご存知の通り日ハムファンで、私は南海ファンでした~あくまでホークスファンではない)だったということですよ。

 前置きが長くなったので、そろそろ米沢嘉博さん「戦後野球マンガ史」と伊集院光さん「球漫」に話題を移しますね。
米沢嘉博さんといっても、そもそも誰やねん?となる人が多いのかな?
コミケ(コミックマーケット)の代表を勤めていたり、マンガ評論で数多くの著書を残された人なのであります。それにロック画報のムーンライダーズ特集にもお名前がありましたね。
で、「戦後野球マンガ史」を読み返してみると、一峰大二さん「黒い秘密兵器」や福本和也さん・ちばてつやさん「ちかいの魔球」に寺田ヒロオさん「スポーツマン金太郎」辺りは知識としてありますが、愛読はしていないんですよね。

・米沢嘉博「戦後野球マンガ史」(平凡社新書)

 愛読したといえるのは、多分「巨人の星」や「侍ジャイアンツ」というテレビ・アニメの原作を読んでからですね。
今、読み返すと野球面に関しては結構トンデモな部分が多いんですが、人間模様やそのトンデモさが人気の秘密だったと思います。

 小学校高学年になると、水島新司さん「ドカベン」や「野球狂の詩」にちばあきおさん「キャプテン」に「プレイボール」が視界に入ってくるわけですね。
それまでの野球マンガと違ったのは野球に対する愛情や技術的にもそれなりに裏付けられた作品だったことです。
その上、魅力的なキャラクターが登場するわけですから、自らの精神的成長と並走する存在だったと言えるのだった、とも。
水島新司さん作品で好きだったのはグローブやスパイクの描き込みと里中満智子さんとのコラボでした。里中満智子さんとの絵柄の違いは明らかだったのに、作品として成立させてしまう力業がすごいなと思いました。
でも、水島新司さんが描く女性キャラクターはかなり魅力的だったなと当時から思っていて、特に「男どアホウ甲子園」のあゆみどのや美少女は憧れの対象でしたよ。

・佐々木守&水島新司「男どアホウ甲子園 25巻」(秋田書店~サンデーコミックス)

 ちばあきおさんの作品はもう少し純粋な部分が好きで、長時間の練習(努力)が報われるという部分に憧れたんだな、と読み返していて思います。
そんな中に集団スポーツ故の人間関係が絡んで、おそらく集団の中で自分がどう動くかなども考えていたのでしょうか。
つまり、人間群像劇としても捉えていたと今やっとわかりました。

・ちばあきお「プレイボール21巻」(集英社~ジャンプ・コミックス)
竹内まりやさんの推薦文が掲載。

 この後、好きになった野球を取り上げたマンガは「アストロ球団」はそのトンデモさが大好きでしたね。
印象に残っているのは、指名代打のルールを把握する前に連載が始まったのか、ロッテ戦を読んでいてかなり疑問に思いましたね。

 あだち充さんの「ナイン」や「タッチ」はラブストーリーとして捉えてました。
江口寿史さん「すすめ!パイレーツ」はギャグマンガかな。
さだやす圭さん「なんと孫六」は番長ものだった時の方が圧倒的に好みでしたよ。

 あ、「あぶさん」は青年マンガ誌に連載されていたからか、連載初期はちょっとエッチだったり、大人しか理解できない内容があったりで、そこが好きでした。

 書いていて、結構自分で面白くなってきたので、伊集院光さん「球漫」については明日書きます。
やっぱり「キャプテン翼」登場前は量的に言えば、スポーツ・マンガは圧倒的に野球が圧勝していたんだなと実感しました。

 ではまたー。



 
 
 

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