彼とわたしのー12ー

「捨てる神あれば拾う神あり。」
幸いにも庭付きの平屋一軒家を見つける事ができ、
喜び勇んで早速のお引越し。

仕事も派遣社員ではあるけれど、一応定期的に”お給料”が入って来る様になりました。

何とは無く、「家族ってこんなものかな」と思い始めた頃、
またしてもの爆発宣言が、「陶芸で生活を立てる」と言うのです。

それまで土に触った事も無く、商売など”焼き芋”以外した事も無い彼と私です。
しばらく陶芸教室に通い、自立することを前提にノウハウを教えてもらうと言うのです。

彼はサッサと陶芸教室を探し、話をつけて来ました。
着々と準備を進めて行きましたが、驚いたのはまたしても双方の両親達。
駆けつけて来た彼の両親は、またしても開いた口の塞がらぬまま帰って行く事になりました。

私は、降って湧いたような話に、意味も解らないまま応じたのでした。
彼は大きな手をしていました。その手で何かを生み出す事が出来るかも知れないと思わせるほどの熱弁に、私も夢を見たかったのでした。

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