さよなら

一度精神に傷を負ってしまった魂は、
どうやって修復する事が出来ると言うのでしょうか。

性格にも依るのでしょうが、何十年も、
或いは一生、ふっとよぎる不安や恐怖に
脅かされ続けるのです。

ニュースでは ある時期
そんな人の心の傷や痛みを暴露し
世間の話題となる様騒がせた後、
知らぬ間に次なる話題性に富むニュースへと移行し、
視聴率争いに勝つため、
世間の全神経をさらってしまおうとします。

どの人達にも誰の心にも、傷を負った痕跡はある。
時折ずきずきとうずき出す心の傷がある。
大なり小なり小傷なんて抱えきれない程山の様に持っている。
そして未だに怯えっぱなしの私なのです。

「現実を見なさい」
「事実を認める事から始めなさい」
「現実から逃げてはいけない」

言いたい人はそう言います。

それが出来ないでいるから苦しんでいるのに
そして　「私もそうだった」そうだったと云う人が
説得力があるから、と駆り出されて来ます。

次第に打ち解けて、自分を許していく他ない。
自分で自分を抱き留め愛していく他ない。

世の中は人の事には無責任です。
寄り添ってくれる人はほんの数人です。
けれど心底思い続けてくれる人が
その人が居るから生きて行く事も出来るのです。
そんな人が必ず居るのです。

もっと誰をも明るく元気にする
そんな嬉しい　喜びに満ちたニュースこそ
伝えられ染めて行く物で一杯になるべきです。

もう不安や恐怖は沢山！！
私には必要ありません。
「さよなら」　私は　そう　宣言します。