びっくりよ!!パーティ

びっくりよパーティーを企てます。
家族の協力も得て、時間をかけて案を練ります。

誕生日の時とか話題になったら「そうだね~、もうすぐだね~」と
ちゃんと覚えているよアピールを繰り返しておきます。

当日、私は用事を作って出掛けます。外部から呼び出しを受け、
一寸のつもりで、そして行って見なければ詳しいことは解らない、
と云った具合にです。

そして私は料理の材料を買い揃え、別の場所のお台所で支度を始めます。
「うん、(誰かの)身体の具合が悪くて」とかなんとか、
ごまかし電話を1度しておいて、後は何も連絡しません。

夕方になって料理の準備も出来、家近くまで帰ってきます。
そして頃合を見てそーっと入って行くのですが、
人間って不思議です。我が家が独特なのかも知れませんが
ある程度の行動パターンが決まっていて、
トイレに行ってお風呂に入るとか、其の後自分の部屋の戻り
「ご飯だよ」の声で食卓に付くとか、
自分にとっての優先順位があるみたいです。

そこで、当日の主人公はトイレに行き、お風呂に入り、
其れを見はからって忍び込んできます。
そして料理を家族に渡し、温めなおすもの、焼き直すもの、
器に盛るもの等頼んで、トイレに避難します。

主人公はカラスの行水なので、すぐ出て来ます。
そして部屋に戻ったのを確かめて、トイレから出てき、
私もお風呂に入ります。

途中私のがさごそと言う音が聞こえそうな時は
家族が助っ人に来てくれます。
代わりに「私が音立ててるんだよ」アピールをしてくれます。

そしてお風呂から出たら、そーっとお台所に行き、
用意できたか確認し、主人公を迎える準備をし、
「ご飯だよ」と声をかけます。

当の本人は相当落ち込んでいます。
「帰ってこないね」「どうしたんだろ」「連絡付かないのかな」とか言っても
皆とぼけた返事をしておきます。
何の知らせも無く夜は更けていきます。

残念でたまらない、あきらめ表情の主人公は
それでも「なんでもないよ」のふりをして、食卓のある部屋の戸を開けます。

!!びっくりよ!! パーンパーン!!
ケーキにはロウソクが灯っています。
乾杯グラスも並んでいます。
いい匂いが漂っています。

「えーーーっ!!」
びっくりよ!!パーティーの始まりです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?