景色の中から
人の姿が消えて行きます
誰もがひっそりと息をひそめ
ひたすら沈黙を守っていなければなりません
取り締まられ
罰せられるのです
沈黙を破れば罪人です
どんな非難を浴びるか判りません
非難どころか
存在を抹消されかねません
そんな恐怖が
妄想に火を放ち
益々燃え上がって来るのです
いずれこの街も
あの街も
村も田舎も 郊外も
その景色の中から
人の姿が消えて行き
命の息吹きさえ
感じられなくなってしまう
どんどんと拍車をかけ
そんな妄想ばかりが膨れ上がってしまう
そんな危うい
不均衡な綱渡りの季節になってしまいました
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