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【読書感想文】親切人間論/水野しず

良質なエッセイで、ちょっとした哲学書でした。人によってはBibleになると思います。
昔のお笑い芸人でいう「遺書」みたいに。遺書よりはずっと具体的かつ丁寧な描写だけど!


誰もが理解できる文章の書き方

まさしく読書感想文の書き方をテーマにしている項目があって、ざっくりいうと下記の順番らしい。これはある種有名ではあるけど、詳しくは読んでほしい。
問題提起→具体例→考察→結論

なにより文章を書いている人にとって、そこで現れている「問い」が切実であるかどうか。ここが大事らしい。俺は果たして切実さを込められただろうか。

オシャレな構図とデザイン、表紙の手触り

本のデザインと構造、表紙の手触りが独特で面白かった。このあたりで面白いのは紙の本に対する拘りと美学を感じた。また長財布と同じポケットに入れやすい独特のサイズ感も良い。読み方としては、腰を据えてよむより、ざっくり電車内や昼休み、お休み前に読むのがちょうどいいかもしれない。

残像として意志として

いささかポエミーだったけど、一番刺さった言葉だな。
今ここに現れ続けるしかない。あなたに会いたい。
人は引かれ合うという事実だけが、今この瞬間あなたと私の時空間をつなぎとめている。いわゆる「表象」「再現前化」つまり、生成であり、運動であり、人間的に言えば行為することであり、思考することであり、生きることをやり続けるという話だと思うんだけど、まだ咀嚼しきれていない。
ゆっくり考える必要がある。
 この言葉こそがこの本に書いてあることの要約、仏典でいうところの般若心経みたいな部分だと思う。

面白かったよ。どうやって読むのがいいか。

「目次だけ読めばいい」「好きな場所から好き勝手に読んで楽しんでほしい」と本人も述べているとおり、時々思い出したように、興味のありそうな内容を探して読むと面白い。
新聞とかを読むような感覚で、自分に合う文章が幸いと思いながら、気楽に読むのが一番いい距離感だと思う。
こんな感想文とか書くのにこだわらない、これも読書のやり方。


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