12/4 陽に透ける

 カーテンの隙間から漏れる光が強くなってきていた。ゆっくりと身を離したゆいさんが起き上がってカーテンを開けた。部屋の中を照らす光が眩しい。私は目元を覆って光を遮った。
 窓の前でのんびり大きく伸びをするゆいさんの、大好きな長い髪がふわりと揺れる。直毛の私と違ってゆるやかなウェーブを描いている。その髪が光に透けて金色に光った。私は思わずその髪に手を伸ばす。
「ゆいさんの髪、きれい」
「そう?」
「ふわっとしてて柔らかいの、すき」
「はるかが素直なの、珍しいじゃない」
「私はいつでも自分に素直に生きてます。」
 そんなやり取りをして、2人でゆっくりベッドから抜け出した。
 後ろから抱きついて、ゆいさんの柔らかな髪に顔を埋める。
 ああ、至福のときだ。

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