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12/18 あなただけ

 ゆいさんが私の頬を撫でる優しい手が好きだ。いつも壊れ物でも愛でるようにそっと甘く撫でてくれる。そんな風に触れられるのは初めてかもしれない。どんなに私のことを大切に思ってくれているか、その柔らかな指先から伝わってきた。
 ゆいさんからはじまったこの関係だったけれど、今ではゆいさんがいない生活は考えられなかった。そんなことはないとうぬぼれているけれど、もし浮気をされても一度なら許してしまうかもしれない。それくらい私は本気だった。
 きっとあの日私を同居に誘ったゆいさんも、本気だったのだと思う。
 あなただけ頬に触れるゆいさんの柔らかい手に自分の手を重ねた。このままずっと触れていて欲しい…そう思いながら顔を近づけるとそっと唇を重ねた。

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